沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 さくら保育園

ページ番号1028035  更新日 2024年3月12日

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基本情報

  1. 事業所名:さくら保育園
  2. 経営主体:社会福祉法人 さくら会
  3. 所在地:那覇市寄宮1-16-10

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.保護者が安心して子育てができるよう支援を実施している。

保護者等の日々の送迎時や保育ICTサービスのアプリ「ルクミー」(以下「ルクミー」という。)を使用して子どもの様子を伝えている。安心して子育てが出来るよう、個人面談やクラス懇談会、保護者離乳食づくり、親子シーサーづくりへの参観の機会、保護者アンケートを年に1回実施し、各行事の後には保護者の感想や意見を聞いている。保護者会には園長と主任、副主任が参加し、信頼関係を築く取組を行っている。保護者等からの相談に応じる体制としては、相談窓口は主任となっている。担当の保育士と直接話をしたいと要望があった際には、結果は園長に報告する体制となっている。保護者からの保育時間についての相談やお迎え後に保護者と子どもが一緒に園庭で遊ぶ要望があった場合には対応している。障害を持つ子どもの保護者の要望で連絡アプリだけでなく、連絡ノートを用いて自宅と園での様子の情報交換を行っている。面談では支援児担当職員が児童デイサービスのことや就学について話し合いを行っている。那覇市の子育て支援事業の情報を掲示している。地域の育児支援として週3日の園庭開放や週1回の給食体験、育児講座、育児相談の体制がある。

2.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

園の保育方針として「集団の中で、一人ひとりの能力を最大限に発揮させ、豊かな人間性を持った子どもを育成する」を掲げ、方針達成のため乳児から5歳児までの、保育目標を挙げて取り組んでいる。2歳児からの朝夕の受け入れや降園時は園庭で行い、1年を通して毎日、自分のやりたい遊び(砂・土・水遊び、滑り台・鉄棒・車などの固定具、月桃や桜の花や実を使ったままごと、色水遊び、三輪車乗り、ボール遊びなど)に取り組んでいる。保育室では、子どもの発達に合わせた遊びが、一人または友達とやり取りしながら遊べるよう、複数の遊びコーナーの環境を整えている。近隣の公園や市場、消防署などへの散歩活動を通して、花や草木、木の実や落ち葉に触れて、季節の変化を感じ、様々な働く人と関わり触れるようにしている。菜園や園庭での栽培活動(ピーマン、オクラ、トマト、朝顔やヒマワリなど)や、室内の水槽のグッピーや園庭のセミ、蝶などの動植物とのかかわりができるようにしている。様々な活動や製作した物を通して友だちと関わり、会話を楽しみ、遊びを継続するなど協働する姿が見られる。友だちと玩具の取り合いをするなどの自我の芽生えに配慮しながらも、年齢に応じて保育者が仲立ちし、子どもに友だちの思いや遊びの決まり等を伝える場面が見られる。朝夕の合同保育や夏季交流保育(8月実施3グループ分ける)で、2歳児から5歳児が一緒のクラスで生活や遊びを通し触れ合う保育を展開している。

3.経営や保育に関する、中・長期の事業計画及び収支計画を策定し、単年度計画にも反映している。

中・長期計画は、事業管理と財務管理、人事管理を重点目標とし、職員に説明している。事業管理として園庭の整備や修繕等、財務管理として経営状況の把握や情報開示等、人材育成として職員の資質向上と人材の確保・育成が策定されている。2022~2026年度の5カ年計画を作成し、各年度の計画は評価が行える具体的な内容となっている。人件費や修繕費、備品等については積立資金計画書が作成されている。計画は、年1回理事会への報告時に見直し、2023年度は子どもへの保育体制の内容を、「環境構成」から「支援児への対応と声のかけ方」に見直している。単年度の事業計画には、中・長期計画の内容として、職員の資質向上や施設設備の修繕と改修等が反映されている。

改善を求められる点

1.自己評価等に基づく課題等について、PDCAサイクルによる計画的な改善策の取り組みが望まれる。

全職員参加で毎年、保育園自己評価を園長と主任が担当して実施している。主任が職員の自己評価を集計、分析し、結果は職務会で報告して園内に掲示している。PDCAサイクルにもとづいて、自己評価の分析・検討結果から課題を抽出し、抽出した課題に対する改善策や改善計画を作成して、質の向上に関する取組を機能させること、及び分析・検討する委員会等の設置が望まれる。

2.子どもを尊重し、保育について共通の理解をもつための取組が望まれる。

保育理念「生き生きとした子どもをめざして」や保育目標が明記され、子どもを尊重した保育の実施が明示されている。「全国保育士倫理綱領」や「子ども・子育てを支援し虐待のない地域をつくる」等を職員研修で周知している。性別にとらわれない保育の実践として、クラス名簿は誕生日順とし、「男の子らしさや女の子らしさ」にこだわらない「一人ひとりの子どもの最善の利益」を第一に考え、保育に取り組んでいる。「人権尊重とプライバシー保護マニュアル」が作成されているが、内容は主に情報発信(園だより、クラスだより、園内掲示、連絡帳等)となっている。子ども一人ひとりを尊重し、羞恥心(排泄・着替え・入浴時等)に配慮した保育マニュアル、及び保育園で発生した不適切な関わり(虐待)に関するマニュアルの作成が望まれる。例えば、他人に知られたくない、見られたくないことへの配慮事項について具体的な支援方法の作成が望まれる。

3.標準的な実施方法(マニュアル)の全般的な見直しや整備が望まれる。

保育に関するマニュアルは、保育編と管理編、運営編と3分類し、保育編マニュアルは、入退園についてや感染症への対応、体調不良時の対応、熱中症対応、お散歩対応等が整備されている。運営マニュアルは、虐待対応、実習やボランティア受け入れがあり、管理マニュアルとして、危機管理、衛生管理、健康管理、情報管理など多数が整備されている。食に関しては「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」、苦情については「福祉サービスに関する苦情への対応に関する実施要綱」が整備されている。マニュアルの見直しを不定期にその都度実施しているため、同様なマニュアルが2カ所にまたがって作成されていたり、手書きの内容等、統一性のないマニュアル集になっている。内容や編集等全般的に見直し、職員が使用しやすいマニュアルの整備が望まれる。

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

園の理念である「生き生きとしたこどもをめざして」子どもの権利である「生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利」を全職員が理解し、子どもの立場に立ち、日々の保育を実践する事の大切さを実感しています。
 今回の受審ではいろいろな学びがありました。管理者としての在り方、職員への向き合い方、保育における子どもへの向き合い方等、今後は子どもと保護者を第一に考え、事業所としてやっていくことを再確認出来ました。
 今後は一人一人に丁寧に関わる保育のマニュアル作成に取り組んでいきます。
 60周年を迎えたさくら保育園、これからも地域の子と保護者を支え、頼られる保育園を目指していきます。
 今回調査に入って頂くことで良い点、改善すべき点を知ることが出来ました。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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