沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果　保育園与那原ベアーズⅡ

基本情報

1. 事業所名：保育園与那原ベアーズⅡ
2. 経営主体：社会福祉法人尚徳福祉会
3. 所在地：与那原町字上与那原488－2

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.地域子育て支援事業の実施により、保育園の機能を地域へ展開している。

保育園は開所後すぐにコロナ禍に見舞われ、外部への展開が難しい状況となったが、一時保育や育児相談等の他にも給食試食や交流保育等の特徴的な事業を継続して実施、地域での子育て支援に重要な役割を果たしている。近隣の自治体からもこれら事業の利用があり、園の存在をアピールするポイントとなるとともに、今年から近隣自治会との交流や地域行事への参加機会等も増やし地域活性化の一助ともなっている。

2.日々のミーティングやインシデントレポートを活用して不適切な保育等の具体例を検討し、子どもの権利擁護に取り組んでいる。

園では、今年度より昼のミーティングを活用して「不適切な保育」や保育中に見られた保育士の気になる対応について「みんなで考えよう」の事例を提供し、職員間で意見を出し合い検討する場を設けている。保育チェックで出来ていない項目から1日1事例を取り上げ、「子どもにきつい言葉や大声を出してしまった」「声をかけずに黙って子どもの鼻水をふいた」など主任保育士を中心に話し合うことで職員の気づきを促している。また人為的なミス等の報告には「インシデントレポート」を活用。これには不適切保育を未然防止できた対応についても記載・報告を行い、良い試みの例として参考にできるような取り組みとなっている。保育士が子どもの権利擁護について理念を共有し、保育に取り組めるよう尽力している。

3.子どもの安全管理について報告を徹底し、事故等の後で検証をしっかり行う体制を整えている。

保育園では「事故」と「インシデント」の概念について、前者は何らかの課題があり子どもに起きた事象、後者は職員側による要素の大きい出来事（良い意味でも）としてとらえ、報告してもらうことを取り決めている。園内で子どもの事故等が起きた際には、各保育室に1台ずつ設置された安全カメラの録画を見ながら事故等の状況確認が行えるようになっており、これはリーダー層のみ操作が可能となっている。子どもが通院を要する状況となった場合や、けが等が起きる一歩手前（何らかの課題があった結果）の状況等については事故報告書へ記録し、毎月リーダー会にて検討、法人本部へ報告する取り組みを行っている。ヒヤリハット報告書には職員が園内外や散歩道等を事前チェックして確認された危険箇所等を記録し、周知を行っている。

改善を求められる点

1.保育園としての中・長期計画を策定し、単年度の計画に反映させることが望まれる。

法人の中・長期計画（2014～2030年）が策定されており、日本の人口推移や出生数等を考慮した長期の計画になっている。また、法人の行動計画の中で令和2年～7年までの中・長期的な計画と大まかな目標が示されており、実施状況が評価できる内容となっている。
法人の計画には当園に関する計画が明示されていないので、今後は、園独自の中・長期計画を策定することが期待される。その中から単年度の事業計画に具体的に事業内容を反映させ、計画に沿った実績報告書を作成することが望まれる。

2.保育園や保育士等の自己評価を活用し明らかになった課題については、職員参画の下で改善計画を策定し、更なる質の向上に向けて取り組むことが期待される。

保育園では、毎年園の自己評価や法人独自の自己評価シートを活用した保育士自身の自己評価を実施し、保育の質について振り返りが行われている。園の自己評価の結果は、個人面談の際に職員に伝えられ、職員間で課題が共有され改善に向けて取り組んでいる。
評価結果から明らかになった課題については、職員参画の下で改善計画を策定し、更なる質の向上に向けて取り組むことが期待される。
 

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

開園以来初めての第三者評価を受審したことで、保育園の共通評価基準を通して運営等の部分に関心を持つことが出来たり、内容評価基準を通して、自分たちの保育の振り返りを職員全員でできたりしたことは良い機会となりました。また、保育園の中・長期計画が策定できていない事等改善していく必要があることを明確に示していただく事で、園の課題を見つけることができました。今後のさらなる質の向上に努めて参りたいと思います。

評価結果の詳細

• 評価結果 （PDF 527.7KB）
• 利用者調査 （PDF 1.1MB）

第三者評価機関

一般社団法人　沖縄県社会福祉士会