沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 特別養護老人ホーム 本部園

ページ番号1027479  更新日 2024年3月4日

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基本情報

  1. 事業所名:特別養護老人ホーム 本部園
  2. 経営主体:社会福祉法人常磐会
  3. 所在地:沖縄県国頭郡本部町字谷茶310

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.食事をおいしく提供し、利用者の心身の状況に合わせて提供している。

食事をおいしく提供するため、利用者の嗜好に配慮し、管理栄養士による献立表をもとに利用者の状態に合った食事形態を提供している。食事は3か所のエリアに分かれ、ほど良い採光の中ゆったりと食事をしている利用者の姿が見られ、穏やかな食事風景であった。利用者聞き取り調査では全員が「美味しい」との回答であった。利用者の状態に応じて、主食はアチビーやパン、副食は普通食や一口大、きざみ、ソフト食については食材の配色を工夫し彩りよく盛り付けて提供している。体重減少の場合等は栄養補助食品も提供している。利用者がなるべく自身で食べられるようスプーンや箸、介護用食器等を活用している。経口摂取を継続するため、口のオーラルケア(ぶくぶくケア)を実施するとともに、一人ひとりの利用者に対し栄養ケア計画を作成し、定期的に栄養スクリーニング、アセスメント、モニタリングを行い、水分量や食事摂取量を把握し現場からの報告にもとづいて、ケア会議や給食会議、食事形態の勉強会を実施している。

2.利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を実施している。

利用者の意向に配慮した個別機能訓練計画書に基づき、機能訓練や介護予防活動を実施し、歩行器でトイレまで行く利用者や自力で車椅子を操作する利用者、エプロンたたみ等の作業を計画に位置づけ、3か月毎に評価・見直しを行っている。機能訓練や介護予防活動として週1回のDVDを見ながらみんなの体操や月1回のレクリエーションで頭の体操やリハビリ体操、玉入れ等、多数実施している。壁面飾りとして4月はさくら、6月は紫陽花等、月ごとに花をモチーフにして作成している。誕生日の方には、ろうそくの火消しや写真撮影などを企画し実施している。機能訓練指導員を中心に日々の生活の中で、エプロンたたみやチリ紙折り、編み物、豆の仕分け等、利用者が好きな活動を支援している。県立図書館や本部町から書籍を借りて施設で貸し出し、昔話の大型絵本を使って利用者に読み聞かせをし、ベッド上で過ごす利用者にはCDによる絵本朗読や音楽を聞いてもらっている。認知機能低下により食事中にご飯をこぼしたり、白内障がひどくなり視力低下で、手探りで物が掴みにくくなっている等、利用者の変化に気づいた場合は、看護師が嘱託医へ報告し必要な対応を行っている。

3.経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。

経営状況の課題として、(1)介護人材の確保・育成や職員の定着(2)光熱費の高騰(3)職員間の情報共有をあげている。具体的な取組として、節電のために電球をLEDに交換し、職員間の情報共有の取り組みとして、職員向けの園内情報誌「かざぐるまⅡ」を今年度から隔月で発行している。また、職員が意見を出しやすいよう意見箱を設置し、そのことから職員の提案により職員の登用期間短縮を決定している。課題の解決・改善に向けて「魅力創造チーム」を立ち上げ、マニュアルの整備及び職員のキャリア教育の推進や人材確保と育成のための雇用促進事業の取組、職場環境整備としてティールームの設置、Wifiのフリー使用等にも取り組み始めている。

4.利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

家族への状況報告は、介護支援専門員が主に行っている。コロナ禍時は、半年毎の担当者会議の時期に、家族に対して電話での対応で、状況報告や施設サービス計画書を説明し、家族からの意向を把握している。利用者家族の殆どは町内在住のため、日頃の面会時に直接会って説明することが多い。離島や他村の利用者家族に対しては、手紙と行事参加の写真等も添えて状況報告を行っている。コロナ禍以前は、事前に担当者会議を家族に案内し、殆どの家族が参加して、その場で意見を聞くことができていた。家族から法事で外出させたいとの要望や外泊の相談に対しては対応している。面会が少ない家族に対しては、電話で利用者の状況を伝えながら面会を依頼している。年2回家族会を実施し、約半数の家族が参加している。第三者評価に伴う家族アンケートで「職員はご家族の困っていること、不安、求めていること等の話をよく聞いてくれますか」の質問に対して91.7%の家族が「はい」と答えている。

改善を求められる点

1.利用者の権利擁護に関する取組の徹底が望まれる。

権利擁護に関するマニュアルとして、身体拘束廃止や高齢者虐待防止、プライバシー保護、苦情対策等が整備されている。身体拘束廃止や高齢者虐待防止に関する指針を整備し、年2回以上の委員会の開催や研修が実施されている。利用者及び家族に対しては、重要事項説明書で説明し、現在は身体拘束ゼロを実施している。介護マニュアルには、介護の基本と絶対禁止事項、食事や移動・移乗、排せつ、着脱、入浴、洗面等の介助方法が明記されている。移動・移乗の基本姿勢として「1対1の対人援助が原則」と記載されているが、訪問調査時、介護職員による不適切な行動が見られたことから、マニュアルの順守について職員への周知徹底の必要性、及びトイレのドアや壁の設置など利用者の尊厳やプライバシーに配慮した環境整備の実施が望まれる。委員会の委員長(理事長や施設長)の責務として、権利侵害の防止の理解と早期発見するための具体的な取組、及び再発防止策の検討結果の理解と実施方法等について、再度実施体制を見直し、利用者の権利擁護に関する徹底した取組が望まれる。

2.中・長期的な事業計画の策定が望まれる。

理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)達成のため、中・長期的な事業計画の作成については、下記の手順での策定が望まれる。
(1)施設の自己評価結果等からの課題を明確にする。
(2)組織体制や設備の整備、人材育成等に関する具体的な計画内容を策定する。
(3)策定した計画に基づいて収支計画を策定する。

3.福祉サービスの質の向上に向けてPDCAサイクルの取組が望まれる。

福祉サービスの質の向上にむけた取組として、下記の手順でのPDCAサイクルの取組が望まれる。
(1)自己評価を実施する。
(2)結果を分析・検討する。
(3)結果に基づく組織として取り組むべき課題の明確化をする。
(4)職員参画のもとで課題についての改善策や改善計画を策定する。
(5)改善計画に基づいてPDCAサイクルに基づいて取り組む。

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

これまでは法人として講演会などで職員に指導をしておりましたが、管理職及び個々の職員の意識を把握して、課題を見つけ解決するために今回初めて福祉サービス第三者評価を受審しました。職員は多くの評価項目の用語に不慣れで、戸惑いを隠せないで、アンケートに答えておりました。
今回の評価を受け特に利用者及び家族アンケートの結果で、当法人施設を選んでよかったと高い評価を受けました。利用者サービス評価からは、継続課題または、新たな気づきも出ておりますので今後共によかった点は積極的に評価をし、向上させ、新たな課題に対しては施設全体で、研修を通して職員個人のスキルアップを図り、利用者がより安心安全に過ごせるよう、利用者個々の思いやニーズに対応できるよう事業計画を通して取り組み、地域から信頼され、選ばれる施設を目指し、職員一同努めたいと思います。また、中長期的課題に対しても指導を受けましたが、中・長期ビジョンの策定も早急に進めたいと思います。
今回の評価結果を真摯に受け止め、今後の法人運営に生かしていきたいと思います。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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