沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 那覇市母子生活支援センターさくら

ページ番号1006874  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:那覇市母子生活支援センターさくら
  2. 経営主体:公益社団法人那覇市母子寡婦福祉会
  3. 所在地:沖縄県那覇市金城3丁目5番地4(那覇市総合福祉センター内)

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.母親と子どもの主体性を尊重した日常生活、及び退所後の支援を行っている

施設は「実家のようなさくら」を目指し、母親や子どもの気持ちに寄り添い、退所後の生活を見据えた取組を支援している。職員は、母親に対して肯定することから心身の回復支援に努めている。下校後の小学生の宿題のサポート等を行いながら、子どもたちのできることや得意なことを見つけ、ほんの些細なことでも褒めることでエンパワーメント(潜在能力を引き出し自信がつくよう)の支援をしている。「子ども会議」では、子どもが司会や進行、記録を行い、毎月目標を決めて主体的に取り組んでいる。「母親のつどい」では、フリートーキングの時間を設け、自主的に交流できるよう支援している。母親の意見から、土曜日・日曜日の保育室の利用を可能としている。退所後については、施設行事への参加やフードバンク等の連絡をしている。また、子どもには、放課後や長期休暇の日中は施設内学童クラブで過ごし、母親の勤務などに合わせて18時から21時まで乳幼児も含めて「夜の居場所事業」でとぎれることのない支援が行われている。
関連:51、52、53、59

2.地域との連携やボランティア等の受け入れ体制が確立している

母親と子どものニーズに応じて母子会の日常生活支援事業やファミりーサポート等の社会資源の活用を推奨している。施設の庭を地域に開放し、地域の飲食店と連携して地域でサポートが必要な子どもに対して夏休みに毎日弁当を提供する活動を実施している。地域の子どもも学童クラブで受け入れ、子どもたちが遊びに来やすい環境に配慮している。ボランティア受入れに関する基本姿勢はマニュアルに明記され、施設の「夜の居場所事業」や学習支援、預かり保育等にボランティアを年間通して途切れることなく受け入れている。「居場所事業」を利用した学生がボランティアとして協力する事例がある。
関連:23,24,25

3.母親への就労支援等が適切に行われている

母親の職業能力開発や就労支援については、母親の生育歴や生活歴などに沿って就労支援を行っている。ハローワークやアルバイトフリーペーパー等、資格取得のための情報を提供し、Word・Excelのパソコン資格取得研修や介護職員初任者研修、保育士資格研修、簿記3級資格取得が実施されている。帰りが遅くなる母親のためには、補完保育や病後児保育、学童保育、夜の居場所事業の活用等を行なって支援している。就労継続支援として、職場内の対人関係のトラブルや健康診断の有無、残業手当の支給などについて就労先に問い合わせ、必要に応じては訪問して調整を行っている。調査時点で70%の母親が就労している。就労継続が困難な母親に対して、医療機関への受診支援を行っている。
関連:69,70

改善を求められる点

1.支援の標準的な実施方法の策定及び定期的な検証・見直しが望まれる

危機管理マニュアルや自立支援計画作成マニュアル等を始め、入所から退所までのチェックリスト(手順)が作成されている。DV被害者及び加害者対応マニュアルや個人情報管理規程も整備され、母親と子どものプライバシーの保護マニュアルが作成されている。
母親と子どもの権利擁護についての規程・マニュアルや不適切な関わりが発生した場合の対応マニュアル、自園調理を実施しているための衛生管理マニュアル等の整備、及び各種マニュアルの毎年の検証・見直しが望まれる。
関連:40,41,46,47

2.自立支援計画の策定方法の見直しが望まれる

自立支援計画は、母親は母子支援員が、乳幼児は保育士が、児童は少年指導員の各担当が策定し、責任者は施設長となっている。自立支援計画策定のマニュアルが整備され、母親と子どもの意向把握と同意等の手順が定められている。母親と子どもの自立支援計画は、母親の記載したニーズ・課題及び計画支援内容等となっており、半年に1回見直している。
自立支援計画の作成に当たっては、専門的見識にもとづいて施設としてのニーズ・課題及び具体的な支援内容の明示、及びPDCAサイクルに基づいて再度計画を見直す等、マニュアルに沿った取組が望まれる。中・高校生についてもアセスメントに基づく自立支援計画を策定するとともに、支援の実施が望まれる。
関連:42,43

3.職員一人ひとりの教育・研修の取組の充実が望まれる

施設外研修は「性暴力被害者の為のワンストップ支援機関従業者研修」や「発達支援関係者対応研修」「家計改善支援セミナー」「ファミリーソーシャルワーク研修」等を受講している。内部研修は、ハンドブックを活用した「支援のあり方」や「発達勉強会」、外部講師による「子どもの勇気づけ声かけ親に対する声かけのプログラム」の研修を実施している。目指すべき「職員像」に基づいて、今年度は職員に目標を設定させている。
設定した目標について、年2回の面接を実施して進捗状況と目標達成度の確認を行う等の目標管理の取組、及び目標達成のための職員一人ひとりの経験や習熟度に応じた個別の研修計画の作成と実施、職員に必要とされる専門技術や専門資格習得に向けた定期的な研修内容やカリキュラ
ムの評価と見直しが望まれる。
関連:17,18,19

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

今回の結果は、想像通りの評価結果であった。特に改善を求められる点については、当施設の弱いところを的確に指摘され、改めて襟を正す思いにさせられた。完璧ということはないかもしれないが、指摘された課題に真摯に取り組んでいくことこそ、いい施設運営につながっていくものだと確信しているので、さっそく取り組んでいきたい。

第三者評価機関

特定非営利活動法人介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
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