沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 社会福祉法人紺碧の会 児童養護施設ならさ

ページ番号1006872  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:社会福祉法人紺碧の会 児童養護施設ならさ
  2. 経営主体:社会福祉法人 紺碧の会
  3. 所在地:沖縄県石垣市字新川1695-27

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.子どもに寄り添った環境整備に取り組んでいる

コロナ禍において、子どもたちが施設内で長時間、気持ちよく過ごせるよう、庭木や芝生は手入れされ、中庭には滑り台やバスケットリング、トランポリン等の大型遊具とバーベキューができるコーナーが設置されている。各部屋から戸外へ出られるテラスが設置され、コロナ禍での閉塞感の解消に繋げ、子どもたちが外で遊び、子ども同士で関わることができる環境が整えられている。安全、安心を感じる場所となるように子ども一人ひとりの居場所を確保し、シャワールームは1人用に改修し、女子の脱衣所は子どもたちが好む装飾を施している。幼児の居室は畳部屋で、小学生は2段ベッド、中学生以上の2人部屋には間仕切りを設置して相部屋であっても個人の空間を確保し、場合によっては、1人部屋が用意される。新型コロナ等の感染が疑われる場合は隔離室が用意され他の子どもの安全の確保に努めている。小学生には各寮とも机と畳が備えられた勉強部屋があり、勉強時間中は職員が常在している。寛げる場所として、各寮に畳敷きのリビングルームが設置され、テレビや本、玩具が用意されている。週末の寮単位の食事やアルバイトなどで食事時間に間に合わない子どものためにミニキッチンやテーブルが設置されている。

2.心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援及び性に関する教育が実施されている

心理的ケアが必要な子どもへの支援については、心理士を中心に自立支援計画にもとづいて、心理支援プログラムが策定されている。子どもたちの心理面接(月1~2回、45分)は殆どの子どもに実施され、面接記録は丁寧に記載されている。援助が必要と思われるケースについては施設ケア会議で援助方法を検討している。本人の希望を受けてライフストーリワークを入所から退所まで実施するケースもあり、丁寧に対応されている。職員はスーパービジョン研修やその他の心理的研修も受けている。性教育は、心理士を中心に「心と体の勉強会」と題したプログラムが作成され、小学校低学年は4ステップ、高学年は3ステップ、中高校生は10ステップで構成されたプログラムとなっている。年1回、性教育アンケート調査を実施し、アンケートの聞き取りは担当職員が行い、小学生高学年以上の男子は男性職員が担当している。調査の集計分析結果は職員全体会議で共有している。

3.おいしく楽しみながら食事できるように工夫し、栄養管理の指導がされている

食堂は、入口の手洗い場を美しく飾り、明るく広々としており、開放的で外の景色がよく見える。食事時間は決められているが、休日の朝は平日より遅く設定している。食器は磁器を使用し、家庭的な雰囲気に近づける工夫をしている。食事の量は年齢ごとに設定され、幼児の食事には職員が付き添っている。部活やアルバイトで遅くなる子どもには寮の冷蔵庫で取り置きし、レンジで温めて提供している。体調のすぐれない子どもにはお粥など個別の対応をしている。誕生日は子どもたちのリクエストでステーキを提供し、飲み物やデザートも選択できる。栄養士が配置され、欠食表や残食チェック表、嗜好調査、食生活アンケートを実施し、集計結果は担当職員に報告し、子どもの健康状態や嗜好にも配慮して工夫し、栄養管理の指導も行っている。弁当作りは個人専用の炊飯器でごはんを炊き、提供されたおかずをつめている。

改善を求められる点

1.子どもの権利擁護に関する取組の徹底が望まれる

子どもの権利擁護に関する取組に関しては、全国児童養護施設協議会における人権擁護のためのチェックリスト(職員版)を毎年実施するとともに、被措置児童等虐待防止対応自己チエック表(13項目)を毎月実施している。「子どもも自分も楽になる『どならない練習』」が施設内研修で実施されている。心理士は、幼児を除く全児童の個人面談を行い、楽しいことや嫌なことなどを聴き取り子どもの精神状況を把握し、子どもの意向把握に努めている。気になる児童については全体会議や主任会議で報告して情報を共有している。
児童養護施設運営指針における権利擁護について、子どもの尊重としての「プライバシーの保護について」や権利条約で示された「4つの権利」に関する規程・マニュアル等を整備し、子ども一人ひとりに対して権利ノートを配布し、子どもたちが与えられている権利について随時確認できる体制の確保が望まれる。

2.職員の教育・研修に関する基本方針や計画の策定、及び職員一人ひとりの育成に向けた取組が望まれる

職員一人ひとりの教育・研修等の機会が確保され実施されている。「期待する職員像」達成のため、「職員資質向上チェック表」と「育成シート」が活用されている。
「育成シート」に目標項目と目標水準、目標期限の欄を新たに加えて作成し、作成した「育成ノート」に職員一人ひとりに目標を設定させ、その目標に対して年2回の面接を実施することが望まれる。さらに、研修計画(園内・園外)の策定に当たっては、研修に関する基本方針や期待する職員像、各専門職種に必要とされる専門技術・資格等を明示し、計画にもとづいた研修の実施が望まれる。

3.職員の教育・研修に関する基本方針や計画の策定、及び職員一人ひとりの育成に向けた取組が望まれ

第三者評価の実施に伴って求められている、17項目の標準的な実施方法(マニュアル)については大方、作成されている。作成されたマニュアルについて、PDCAサイクルにもとづいて実行、評価するとともに、毎年見直しが望まれる。

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

今回の評価受審では、当施設が3年間で取り組み進められたことや、改善に取り組むべきこと等にいて沢山の学びがありました。今後取り組むべき課題も明確にご助言いただきましたので、また一歩ずつ前に進んで行きたいと思います。
ありがとうございました。

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
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