沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 にしのもり保育園

ページ番号1006890  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:にしのもり保育園
  2. 経営主体:社会福祉法人沖縄県社会福祉事業団
  3. 所在地:沖縄県石垣市字新川真喜良2336-1

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.食事は、楽しくおいしく食べることのできる工夫をして提供している。

子ども一人ひとりの主体性を大切に支援し、食事を楽しむ工夫をしている。子どもが落ち着いて食事がとれるよう、0~2歳児はクラスのテーブルで、担当職員が一対一でゆっくりと食事介助することを方針として、手づかみで食べることも支援している。3~5歳児はランチルームで、食べるメンバーも席も、子どもたち自身で決めて食事をしている。ランチルームのテーブルには園庭に咲いている小花が活けられ、11時半に給食の音楽が流れると、食事をしたい子が自主的にランチルームに行き、自分でテーブルに給食をセットして食事を始め、食事が終わると他児を待つことなくクラスへ戻って歯磨きをしている。遊び続けたい子には、職員が15分おきに声かけし、遊び終えてから食事ができる支援をしている。子どもがご飯やおかずをよそっていたが、コロナ禍以降は、職員がご飯をよそい、厨房で大小のおかずを準備して、子ども自身がおかずの量を加減できるようにしている。地域の食文化として八重山そばやもずく餅、近海魚の料理やイカ焼き等が提供されている。食育の一環で、園庭の畑にはネギやゴーヤー、トマト、ジャガイモ、人参、葉野菜、グァバ、島バナナ等を植えて、子どもたちが水やりをして給食やおやつに提供している。野菜が苦手な子どもに「沖縄そばや味噌汁のネギは、畑で作ったものだよ」と説明することで、ネギや野菜サラダを食べるようになっている。
関連項目:61、62

2.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

戸外活動としては、広大な園庭全面に芝生を敷き、裸足での活動を園の方針としている。園庭には3段階の鉄棒や砂場、ターザンロープ、タイヤブランコ、ブランコ、丸太(直径40cm)の平均台、トンネルのある築山が設置されている。大きな樹には丸太や板で工夫して木登り遊びができるようにし、手作りの小川(約10m)も整備して、夏場は毎日、水遊びができる。暑さ対策として3~4か所にテントが設置され、遊具は竹馬やフラフープ、なわとび、電線ドラム等が準備されている。各種の食草を植えた「虫のレストラン」で、多くの幼虫を育てている。園の周囲にはランタナやハネセンナの他、四季折々の花が植えられ、年中「色水遊び」ができる環境にある。園庭でヤギを飼育して3~5歳児が当番で餌やりや小屋掃除をし、昨年はヤギの出産を見守り、その様子を記録して冊子にし、子どもたちに配布している。廊下やテラス、園庭等では探索活動が行われている。室内には、0歳児が仕切られた畳間でずり這いやハイハイができるスペースとベッドが置かれている。板の間には、食事コーナーやつかまり立ちコーナー、滑り台が設置されている。遊びコーナーには絵本や音の出るおもちゃ、布玩具などが準備され、手指を使って遊べるように配慮している。各クラスには大型積み木やオセロ、油粘土、製作用廃材、積み木、塗り絵、パズル等が準備され、クワガタやグッピー等が飼育されている。季節の移り変わりを感じる10月後半からは、園庭でトンボやバッタ等の虫を探し、落ち葉を拾うなど、季節を感じることができる環境に配慮し、生活と遊びを豊かにする保育を展開している。
関連項目:48、51

3.事業の経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。

経営課題の具体的な取組については、保育の内容や職員体制等の現状分析にもとづき、「災害時の避難場所が遠くて乳児等の安全な避難が困難」であることや「障害を持っている児童への専門的な保育が必要」等の課題が明らかにされている。課題については、園長から理事長へ報告・相談して役員間で共有され、職員会議で職員に周知している。経営課題の解決・改善に関して、災害時の屋外避難については、螺旋階段を増設して屋上に避難場所を設置し、障害児保育については、今年4月から実施して、支援員が配置されている。
関連項目:2、3

改善を求められる点

1.子どもの権利擁護に対する取組の徹底、及び子どものプライバシー保護が望まれる。

子どもの権利擁護に対する取組については、不適切な養育への対応マニュアルが整備され、虐待や不適切な関わりを防ぐことの大切さについて職員の理解が図られている。法人の方針で経営目標に「人権の尊重」を掲げ、「虐待を発生させない体制作り」や「倫理教育の充実」を示し、倫理綱領自己評価や虐待チェックリストの実施が明示されている。施設は、年2回の倫理綱領自己評価を実施して、施設倫理委員会を開催し、権利擁護について職員が具体的に検討する機会としている。虐待の早期発見として着替えや入浴時に児童の観察等を行い、児童相談所や市の子ども家庭課等と連携して権利侵害の防止と早期発見に取り組んでいる。子どものプライバシー保護については、4~5歳児のトイレは個室で、3歳児以下のトイレには仕切りを設置し、水遊び後に着替える場所にも目隠しを設置している。
子どものプライバシー保護に関するマニュアルの整備と職員への周知、及びプライバシーに配慮した更なる設備の整備、身体計測時等の配慮、並びに子どもの権利擁護に対する取組として虐待防止に関する研修の実施が望まれる。
関連項目:29、46

2.保育についての標準的な実施方法の文書化、及び検証・見直しが望まれる。

保育の標準的な実施方法については、業務標準マニュアルに登園・降園・保護者対応や生活習慣、健康管理、遊び等の保育に関する各種マニュアルが整備されている。業務標準マニュアルは、職員に配布して園内研修で職員への周知を図っている。食事・薬に関するマニュアルも整備され、食事の準備や子どもへの対応等、一人ひとりの子どもの発達状態や個性に応じて支援している。
標準的な実施方法への子どもの尊重やプライバシー保護等についてのマニュアルの整備が望まれる。実習生受け入れマニュアルやボランティア受け入れ手順書、苦情対応要綱は作成されているが、マニュアルの項目要件として、記録の方法や報告の手順等の追加、さらに計画作成手順への保護者の意向把握や同意についての追加等が望まれる。感染症マニュアル等については、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施することが望まれる。
関連項目:40、41

3.保育の質の向上に向けた評価結果に基づく課題を明確にし、計画的な改善が望まれる。

保育の質の向上に向けた組織的な取組としては、年2回の保育所自己評価と保育士自己評価を実施している。園全体の自己評価は、評価項目として4項目で50の観点・内容からなっている。利用者アンケートは「利用者サービスアンケート実施要領」に基づいて毎年実施され、意見等を集約し、改善策が職員会議等で協議され、改善取組報告書を作成して保護者に説明している。自己評価の課題改善の結果について、「11の内容中4つの観点・内容がBからA評価に改善」されている。具体的には養護と教育の一体的展開の中で、障害児保育の実施に伴い、今年4月に支援員が採用されている。
評価結果からの課題の明文化、職員参画のもとで課題の改善策や改善計画を策定する仕組みの構築、改善策や改善の実施状況の評価の実施、必要に応じた改善計画の見直しが望まれる。
関連項目:8、9

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

平成30年4月に開園、0からのスタートで法人事務局と話し合い、みんなで学び合いをしながら一つ一つ整備し4年目を迎えました。まだまだ不十分であることを承知の上での第三者評価の受審でした。改善を求められるとして指摘された点につきましては、謙虚に受け止め「子どもの最善の利益」「主体的な子どもを育む」ため、カリキュラムマネジメントのPDCAサイクルを構築し、一つ一つ改善に取り組んでいきます。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
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