沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 古蔵こども園

ページ番号1006884  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:那覇市認定こども園古蔵こども園
  2. 経営主体:社会福祉法人豊春福祉会
  3. 所在地:沖縄県那覇市古波蔵1丁目33番2号

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.小学校との連携、就学を見通した計画(接続)に基づいて、教育・保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している

小学校との接続、就学を見通した計画に基づいて、全体的な計画と5歳児の年間や月間指導計画に小学校との連携や接続が位置づけられている。小学校との接続計画として、接続期カリキュラムが作成されている。小学校との連携は、近隣の幼稚園や保育園、小学校との保・幼・こ・小連絡協議会があり、交流活動として連携計画が作成され、古蔵こども園の園長が主体となって展開している。1年生の授業見学に、誕生月の園児と保護者が参加し、近隣の幼稚園児や保育園児で古蔵小学校へ入学予定の子どもも参加している。コロナ禍で5年生との交流(読み聞かせ会、給食試食会)やプール活動、1年生のお招き会は中止となり、1年生から園児にメッセージがプレゼントされている。小学校との合同運動会も昨年から中止し、それぞれで実施している。教員との連携は、小学校担任とこども園の保育教諭が情報交換を行い、こども園の公開保育が実施されている。保護者が小学校以降の子どもの生活について見通しを持てるよう、就学に向けた個別面談等を通して支援をしている。園長の責任において「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」の視点にもとづいたこども園指導要録を作成し、各小学校へ引き継がれている。
関連項目 23,25,57

2.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している

子どもたちが主体的に活動できる環境としては、全体的な計画にアクティブラーニングを方針として位置づけ、室内にはクラスの部屋以外に遊戯室や絵本コーナー、ランチルームがあり、廊下には座ってくつろぎ、遊べる場がある。各部屋では用具やおもちゃが子どもの目の高さに置かれ、選んで遊べるようになっている。虫取りができるように網や虫かごを設置している。グッピーやめだかも観察でき、壁面には育てたひまわりの種で作った絵が飾られている。絵本コーナーでは同じ本が数冊準備され、同時に読むことができる。遊戯室では8000ピースのカプラを使って子どもたちが制作した聖火台や五輪マーク、スカイツリー、首里城など大型の作品もある。オリンピックの開催に合わせた掲示物は子どもたちのイメージを膨らませる工夫がされ、子どもたちがやってみたいという期待感やオリンピックへの憧れの芽生えを育む内容となって、万国旗の作成等に展開されている。園庭は広く、鉄棒や雲梯、ブランコ、砂場等があり、子どもたちはドッジボールやサッカー、竹馬等、身体を思い切り動かして活動できる。外部講師による運動遊び(体育)があり、月2回、全クラスを対象に体育指導年間計画に基づいて、マットや鉄棒、跳び箱、縄跳び、トランポリン、ボール遊びが取り入れられている。園庭の一角には梅やガジュマル、アカギ等の樹木で木登りや虫取りができ、うさぎ小屋では小動物に触れ合う場にもなっている。朝顔やひまわり、ホウライカガミ等が植えられ、おおごまだらが卵から幼虫、黄金のサナギを経て成虫へと変わる様子も観察できるなど、多様な戸外遊びや活動が展開できる環境が整備されている。
関連項目 48,51

3.標準的な実施方法(マニュアル)が整備され見直しが行われている

教育・保育に関する標準的な実施方法(マニュアル)については、苦情等解決対応や事故発生時の対応、災害時対応や実習生受入れ等各種マニュアルが整備されている。プライバシー保護マニュアルには排泄や着替え時に子供の羞恥心に配慮することが記載され、新型コロナウイルス感染症対応マニュアルには感染者や濃厚接触者のプライバシーに配慮することが記載され人権尊重の姿勢が明示されている。マニュアルは全体職員会議で読み合わせ、新任職員には個別に指導している。標準的な実施方法は、年度末に園長、副園長、主幹保育教諭、各クラスリーダー保育教諭で検証して見直している。今年度は新型コロナウイルス感染症対応や健康管理、危機管理や苦情解決対応等、多数のマニュアルが見直され、ラインの導入にあたっては、新たに「ライン公式アカウントのマニュアル」が作成されている。職員から安全チェックリストの項目内容や嘔吐物処理キットの内容を変更する提案があり、マニュアルの見直しに反映されている。
関連項目 40,41

4.子どもが食事を楽しみ、おいしく安心して食べることのできる食事を提供している

食育年間計画が作成され、全体的な計画や指導計画に食育を位置づけている。食事は子ども園で調理され、天然ダシにこだわり、手作りのおやつが提供されている。献立は季節や行事に配慮され、残食も少ない。子どもが達成感を味わえるように園児の食べられる量を盛り付け、偏食のある子どもには少量から挑戦できるように配慮している。毎月、保護者に配布する給食だよりに献立表と食に関する情報を掲載して提供している。給食の献立から子どもたちに好評の調理方法を一品ずつ印刷して玄関先に置き、希望する保護者に提供している。調理室は透明のガラス張りで、ランチルームから中の様子が見え、子どもたちが食への関心を持つことができ、調理員も食事の様子が見られるようになっている。現在は、コロナ禍のため給食時は使用せず、育てた野菜を使ったクッキング(ピザ作り)等、クラス単位の活動の場として使用している。食育として、季節に合わせてゴーヤーやオクラ、ニンジン、大根等を植え、子どもたちが水やりから収穫までを担い、給食の食材として味わい、大根は持ち帰って家庭で調理してもらい、おやつで食べたスイカの種を植えて育てるなど、食育等に関する豊かな経験ができるように取り組んでいる。季節感のある献立としてオクラやゴーヤー、デザートに
スイカ等が提供されている。地域の食文化としてイナムドゥチやクーブイリチー、サーターアンダギー等が毎月提供されている。行事食として2月は赤鬼さんライス、3月は雛寿司、5月はこいのぼりハンバーグ、7月は七夕にちなんでひし形コロッケが提供され、安心して食事が楽しめる取組が行われている。
関連項目 61,62

改善を求められる点

1.中・長期の収支計画の策定及び中・長期計画の内容を単年度計画に具体的に反映させることが望まれる

中・長期計画には、理念や基本方針の実現に向けた2018~2022年度までの5年間の計画が策定されている。その内容は設備や人材育成、教育研修、教育体制、安全対策、積み立て計画等となっており、具体的な内容になっている。中・長期計画は毎年見直しがされている。
計画の実現に向けた中・長期の収支計画の策定が望まれる。また、単年度の事業計画に中・長期計画の年度の事業を具体的に明示することが望まれる。
関連項目 4,5

2.指導計画の作成に当たりアセスメント手法や短期の指導計画作成の検討が望まれる

指導計画は教育・保育要領に基づいて、全体的な計画に位置づけて作成され、年間指導計画や短期指導計画は評価・見直しが実施されている。「指導計画を策定するための手順書」が作成され、アセスメントは入園時の面接で基本的生活習慣の達成状況を確認し、家族構成や成育歴、予防接種状況等は児童票で把握している。特別な配慮を必要とする子どもについては、市の発達支援センターからの巡回相談時や子どもが利用している児童デイサービス事業所との会議等で子どもの情報等を得て、保護者の意向や同意を得て、個別支援計画が作成されている。個別の教育支援計画についてはクラス担任が作成し、主幹保育教諭や園長が確認している。年間指導計画は、年度末に職員会議で評価・反省が行われ、週・日案は週案会議で評価する体制となっている。
指導計画の作成にあたっては、アセスメントに基づく課題の協議や課題に沿った目標の設定等、アセスメント手法を確立し、月間指導計画の評価・見直しの実施、及び週・日案の年齢ごとの作成が望まれる。
関連項目 42,43

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

今回2度目の第三者評価を受審することにより、全職員で保育環境・地域社会との連携・保護者支援・マニュアルの整備等を見直す良い機会となりました。
また評価者の方々から、こども園の運営管理から、教育保育内容の細かな部分を的確に指導・評価して頂き、多くの学びを得ることが出来ました。感謝の気持ちで一杯です。高い評価をいただいた点については、今後更に内容を高めるように努め、改善すべき点についてもより一層努力して前向きに取り組んで行きたいと思います。
保護者アンケートでは、回収率・満足度が高かった事や、園の理念・保育方針の周知度も高かった事は大変嬉しく思います。また、保護者のニーズや思いを知ることができ、今後も子ども達や保護者の立場に立った温かい保育サービスの提供を目指し、全職員で保育の質の向上、自己研鑽を行っていきたいと思います。
アンケートに協力いただいた保護者の皆様、丁寧なご指導・評価を下さいました第三者評価の皆様、有難うございました。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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