沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 那覇市立久場川みらいこども園

ページ番号1006887  更新日 2024年1月11日

印刷大きな文字で印刷

基本情報

  1. 事業所名:那覇市立久場川みらいこども園
  2. 経営主体:那覇市
  3. 所在地:那覇市久場川町2丁目18番10号

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している

子どもが主体的に活動できる環境の整備と子どもの生活と遊びを豊かにする保育の展開について、0~2歳児の部屋は板の間や畳間があり、子どもの手の届く高さに絵本や動くおもちゃ、手作りおもちゃ等を配置し、自由に選んで遊べるよう配慮されている。2歳までは巧技台やマルチパネル、トンネル、コンビカー、三輪車、フラフープトンネル等の運動用具もそろえて、園内や園庭の探索活動が出来るよう行動範囲を広げている。3歳以上児は、園庭や公園では、大繩や短縄、フラフープ、やっとこ、竹馬、一輪車、二輪車等による活動があり、室内ではお手玉やあやとり、コマ、ミニカー、ままごと、人形、ブロック、パズル、折り紙、けん玉、かるた等で自発的に遊んでいる。各クラスの水槽にはグッピー等が飼育されている。落ち葉や松ぼっくり等で季節を感じることができる環境に配慮し、「どんぐりジュースだよ」「松ぼっくりご飯どうぞ」とままごとをしている。生活や遊びの場面で子どもの気持ちを受け止め、子どもが表現して伝えられるよう、保育教諭は発達に応じた援助を行っている。例えば、調査時は、0歳児は手指を使ってシール遊びに夢中で、1歳児はミニカーやブロック、ままごと等を保育教諭が援助している。2歳児は恐竜やままごと、ブロック、マルチパネル、三輪車等の遊びが活発である。3歳児は全部やりたい欲求があり、リズムや鈴、新聞紙や空き箱、色紙、絵具、粘土等の保育教諭が用意した様々な素材を使って、表現や製作活動を楽しめる工夫をしている。4歳児は松ぼっくりのクリスマスツリーや紙粘土のショートケーキ等を作成し、作品はクラスや廊下に展示されている。自分たちでルールを決めて、サッカーや鬼ごっこ、廃材で作ったボールを使った集団遊びなど、思い切り身体を動かす遊びをしている。食育活動として、園庭の一角に3歳児はニンジンやかぶ等を植え、4歳児は大根を植えて園児一人ひとりの名前が付けられている。
関連項目:NO.51

2.人材の確保及び職員一人ひとりについて、教育・研修の機会が確保され、適切に教育・研修が実施されている

職員の教育・研修に関する基本方針や計画の策定と教育・研修の実施については、教育・保育計画の中で、那覇市の「期待する職員像」と園独自の「期待する職員像」を作成して掲示し、職員に周知している。市や県が策定した研修計画に沿って初任者研修や2年目研修、発達支援の研修等が実施されている。研修計画は前年度の評価・反省のもと毎年、見直されている。園内研究部を中心に今年度は「新型コロナ感染症対策にも配慮した幼保連携型認定こども園の活動について」のテーマで年間計画を作成し、全職員で取り組んでいる。6月~8月の取組は各クラスの実践報告に対して全職員から意見や感想が出され、各クラスにフィードバックされている。フリー保育教諭5名が、自分で日案を作成する園内公開保育にも計画的に取り組み、実施後は全職員からの感想やアドバイスが得られている。人材確保に関しては、保育経験者や潜在保育者等への呼びかけ等を行い、市の採用担当者へつなげ、フリー保育教諭の確保をしている。フリー保育教諭に対しては資格取得の情報提供を行っている。国の制度改革により非正規職員に会計年度任用制度が導入され、給与が月給制となり、賞与も支給されている。
関連項目:NO.16,17,18

3.食事は、楽しくおいしく食べることのできる工夫をして提供している

食事を楽しむ工夫として、食事は自園で調理し、乳児の離乳食は、前期・中期・後期食が用意され、1歳児食、幼児食、アレルギー対応食が提供されている。食事は各クラスでとり、温かい食事や子どもの午睡時間に配慮し、年齢の低い順に調理員が配膳している。食事の前に今日の献立表を紹介し、冬至の日のトゥンジージューシーを絵で説明する等の工夫をしている。食器は耐熱用セラミックを使用し、0・1歳児は3品皿、2・3歳児は2品皿、4歳児以上は1品皿にし、自分で小皿を持って食べられるようにしている。発育に合わせてスプーンやフォークの形状や大きさを変え、3歳児からはお箸も使用できるように支援している。子どもが食べられる量を器に盛って完食できる達成感を味わえるようにし、苦手な食材は少量から始め、おかわりもできる等の配慮がされている。登園時は、玄関近くの厨房から料理の匂いが漂い、玄関ホールにはイラスト入りの「今日の献立名」が掲示され、ケースに昼食やおやつ等が展示されている。子どもたちが食に関心を持てるよう、園庭では季節に合わせて大根やカブ、ニンジン等を栽培している。種をまき、水やりをして、収穫した野菜は、厨房にお願いして給食の一部に加えて味わう体験をしている。保護者には年齢に応じて離乳食献立表や幼児用献立表、アレルギー食予定献立表等が配布されている。毎月配布する「給食だより」には、食に関する情報を掲載し、保護者の要望で子どもに好評の納豆味噌の作り方等を伝えている。
関連項目:NO.61,62

改善を求められる点

1.教育・保育に関する標準的な実施方法(マニュアル)の定期的な見直しが望まれる

教育・保育に関する標準的な実施方法として、緊急時対応マニュアルや安全管理、不審者対策、地震・津波対策、乳幼児突然死症候群(SIDS)対応、アレルギー、慢性疾患等の個別対応、保育施設等における感染症対策、実習生受け入れ等各種マニュアルが作成されている。「久場川みらいこども園標準的な実施方法」として、給食管理・調理業務マニュアル、各クラスや早番・遅番、用務員の仕事内容、年齢ごとの対応等が明文化されている。市作成の「子ども虐待対応マニュアル」「保育施設等における感染症マニュアル」等の他、厚生労働省の「感染症ガイドライン」や県の「指導計画書作成の手引き」等が活用されている。
現在作成されている標準的な実施方法については、検証し定期的な見直しの実施が望まれる。なお、園独自の具体的な対応内容等の手順の作成も望まれる。
関連項目:NO.40,41

2.園独自の中・長期計画の作成が望まれる

本こども園は公立運営のため、中・長期的なビジョンを明確にした計画の策定は、市全体の中・長期計画として、5年間(2020~2024年度)の「第2期那覇市子ども子育て支援事業計画」が策定されている。計画は那覇市の児童福祉の推進のため、待機児童の改善等、具体的な内容になっている。計画推進に関する課題として、保育教諭等の確保や教育・保育の質の向上に関する事業等が記載されている。計画では5年間の見込みと目標値が明記され、中間見直しを行い実施状況の評価が行える内容となっている。第1期の教育・保育の量の見込みについて、首里地区は目標値をほぼ達成していると評価し見直されている。
園独自の、設備や備品の整備、職員体制等の具体的な中・長期計画及び収支計画の策定が望まれる。
関連項目:NO.4

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

当園は令和2年度より、0歳児から5歳児の園児が在籍する幼保連携型認定こども園となり、2年目を迎えました。今回、第三者評価を受審する機会を頂き、園として評価していただいた点、改善する点が見えてきました。標準的な実施方法(マニュアル)は、口頭だけではなく文章で伝えることの大切さを学ぶことができました。現在、少しずつ改善を手掛ているところですが、まだまだ十分でないこと、作成後も検証し見直しをすることの必要性を教えて頂きました。
今後、これまでの園の取り組みを職員と振り返り、保護者や園児が安心できる園となるよう努めていきたいと思います。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人介護と福祉の調査機関おきなわ

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。