性能表示項目
 構造の安定に関すること
 火災時の安全に関すること
 劣化の軽減に関すること
 維持管理への配慮に関すること
 温熱環境に関すること
 空気環境に関すること
 光・視環境に関すること
 音環境に関すること
 高齢者等への配慮に関すること
  
 性能表示事項一覧


9.高齢者等への配慮に関すること


 高齢者等への配慮に関することについて説明してください。

 バリアフリーについて、どのような配慮がなされているかは、これからの住宅にとって大切なポイントの一つです。ここでは、高齢者等に配慮した住宅の工夫の手厚さの程度を「高齢者等配慮対策等級(専用部分)」で表します。戸建住宅ではこの項目だけです。
共同住宅の場合は、「高齢者等配慮対策等級(共用部分)」が追加されます。


 「高齢者等配慮対策等級(専用部分)」について説明してください。

 住戸内における身体弱化に対する配慮のため必要な対策の程度で等級が決められます。
等級5 高齢者等が安全に移動することに特に配慮した措置が講じられており、介助式車いす使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられている。
等級4 高齢者等が安全に移動することに配慮した措置が講じられており、介助式車いす使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にすることに配慮した措置が講じられている。
等級3 高齢者等が安全に移動することに基本的な措置が講じられており、介助式車い    す使用者が基本的な生活行為を行うための基本的な措置が講じられている。
等級2 高齢者等が安全に移動するための基本的な措置が講じられている。
等級1 住戸内において、建築基準法に定める移動時の安全性を確保する措置が講じられている。

これを表にすると、次のようになります。

  移動時の転倒・転落防止の対策 介助式車椅子使用者への対策
等級1 建築基準法の措置 対策なしで可
等級2 基本的 対策なしで可
等級3 基本的 基本的
等級4 配慮 配慮
等級5 特に配慮 特に配慮


 等級1の「建築基準法に定める移動時の安全性を確保する対策」とは何ですか?

 階段の手すりの設置を指します。


 等級3,4,5はどんなイメージなのでしょうか?

 次の通りだと考えられます。
等級3は、住宅金融公庫の基準金利の対象となるバリアフリー基準とほぼ同じ程度。等級4は、「長寿社会対応住宅設計マニュアル(監修:建設省住宅局住宅整備課 発行:財団法人高齢者住宅財団)」による「基本レベル」程度、また、等級5は、「推奨レベル」程度と考えれば良いと思われます。

  等級5 等級4 等級3
部屋の位置 日常生活空間は同一階に 特定寝室・浴室と便所は同一階に 特定寝室と便所は同一階に
段差 日常生活空間および同一階にある他の居室を結ぶ通路に段差がない。(玄関上がり框等の除外項目あり) 等級5と同じ(除外項目が等級5より多い) 等級4とほぼ同じ(浴室の出入り口の段差等の基準がゆるくなっている)
手すり 階段・便所・浴室・玄関・脱衣室・転落防止用(それぞれに設置の基準有り) 等級5と同じ(それぞれに設置の基準があるが、等級5よりゆるい) 等級4と同じ(玄関・脱衣室は設置準備で可)
出入り口の幅員 日常生活及び同一階にある他の居室を結ぶ通路の有効幅員が850mm以上、上記の出入り口の幅員が800mm以上 日常生活及び同一階にある他の居室を結ぶ通路の有効幅員が780mm以上、上記の出入り口の幅員が750mm以上(浴室は650mm以上) 等級4とほぼ同じ寸法だが、玄関・浴室を除き、改造による拡幅可。
浴室600mm以上
階段 勾配6/7以下
けこみ30mm以下
等級5と同じ(日常生活空間を結ぶ経路上にない場合は等級3と同じ) 勾配22/21以下
けこみ30mm以下
便所及び浴室 浴室短辺1400mm以上広さ2.5m2以上

便所便器の側方及び前方に有効幅員500mm以上
特定寝室12m2
等級5と同じ 浴室短辺1300mm以上広さ2.0m2以上

便所便器の前方に有効幅員500mm以上
特定寝室9m2以上


 基本的な生活のために必要な範囲とはどこまでをいいますか?

 高齢者等が使用する寝室を中心に、日常生活の不可欠な部屋とそれらを結ぶ経路を基本的な生活のために必要な範囲と定めています。玄関・寝室・便所・浴室・脱衣室・洗面所・食事室が最低一つずつ含まれることとされています。


概要・等級 具体例