沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 那覇市立 天久みらいこども園

ページ番号1006901  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:那覇市立天久みらいこども園
  2. 経営主体:那覇市
  3. 所在地:沖縄県那覇市天久1-4-1

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している。

子どもが主体的に活動できる環境の整備について、0~5歳児までの各クラスにおいて、床間と畳間が設置され、活動と休息の場が確保されている。室内遊びの遊具は、年少児クラスでは、子どもの手の届く高さに絵本や動くおもちゃ、手作りおもちゃ等、多数を配置している。自由に選んで遊べるよう配慮され、園内や園庭の探索活動や泥んこ遊び、野菜への水やり等ができるよう行動範囲を広げている。3歳以上児は、園庭や公園での活動は大繩や縄跳び、フラフープ、ぽっくり、竹馬、ホッピング、ドッジボール、泥団子遊び等があり、室内での活動はお手玉やあやとり、コマ、レゴ、ドミノ等があり、グループでそれぞれの遊びをしている。各クラスの水槽にはザリガニやグッピー等が飼育されている。10月後半からは季節の移り変わりを感じるねらいが設定され、トンボやバッタ等の虫探しなどで自然や小動物に触れ、季節を感じることができる環境に配慮している。生活や遊びの場面で子どもの気持ちを受け止め、子ども自身の表現で伝えられるよう保育教諭は発達に応じた援助を行っている。例えば、0歳児は砂に触れる活動をし、1歳児は公園の斜面登りなどを援助している。3~5歳児は公園で集めた落ち葉やドングリ等の木の実を利用して作った落ち葉のトンボや木の枝で作った作品がクラスや廊下に展示されている。室内での製作活動は空き箱や色紙、絵具、粘土等の様々な素材の教材を用意し、友達と協同して取り組みながら表現活動を楽しめる環境を整えている。

関連項目:51

2.食事は、おいしく安心して食べることができるよう配慮されている。

食に関する豊かな経験ができるよう食育計画が作成され、各年齢毎の年間指導計画や月案、週案に食育を位置付けて取り組んでいる。食事はクラス毎にとり、食事の前に「今日の献立」を紹介し、4歳児以上は当番の子どもがひら仮名で書かれた献立名を読み上げ、「いただきます」の代わりに「クワッチーサビラ」と方言で挨拶している。食事は温かいものを提供できるよう、0歳児のクラスから順番に調理員がクラス内で盛り付けし、子どもの希望に応じた分量に配慮しておかわりもできるようにしている。食材は季節や地域の野菜等を取り入れ、誕生会は沖縄の祝い御膳にして赤飯やイナムルチ汁、クーブイリチ―を提供し、行事食も楽しめるように取り組み、おやつにちんびんを提供する等、地域の食文化を取り入れている。3歳児からは、飼育栽培計画に沿って園庭で季節ごとに野菜を栽培し、収穫時は子どもたちが給食の一部にと厨房にお願いし調理して味わう等、一連の体験をしている。昨年度は、沖縄の野菜を利用した給食や食育講座に取り組み、全国の食育大会で優秀賞を受賞している。

関連項目:61、62

3.子育て支援に取り組んでいる。

認定こども園として、一時預かり保育や延長保育等に取り組み、利用変更の案内もしている。障害や発達上の課題がある子どもや特別な支援を要する子ども、外国籍の保護者等に対しては、市の子育て支援室と連携してファミリーサーポートセンターの活用やハローワークの紹介等、保護者支援に取り組んでいる。地域子育て支援拠点事業として一時保育(一般型)事業と地域子育て支援センター(すまいる)が併設され、すまいるは地域の子育て中の親子を対象に出前事業や育児講座、子育て相談を実施し、昨年度は364組9014名の親子が利用している。子育て相談は電話や来所による個別相談で対応し、相談内容によってはケース会議で検討し、地域保健課や関係機関に繋げる等の支援をしている。一時保育(一般型)事業は私的保育や緊急保育、非定型保育サービスも実施し、保護者のリフレッシュ等の私的保育サービスも含めて毎月70人程が利用し、子どもの発育や離乳食の進め方等の相談にも対応している。別に子育て応援デイを設け、地域の子どもと在園児との交流や給食体験、保護者の育児や就園等の相談に対応している。

関連項目:63、64

改善を求められる点

1.認定こども園における中・長期計画の策定、及び中・長期計画をふまえた単年度計画の作成が望まれる。

子どもに関する市としての中・長期計画は、那覇市子ども子育て支援事業計画と那覇地区管内教育推進アクションプランが策定されている。那覇市子育て支援事業計画は、那覇市の児童福祉の推進のため、5年間の見込みと目標値を明記し、待機児童の改善等具体的な内容で、中間見直しも行なわれている。
認定こども園として設備や備品の整備、職員体制等の具体的な中・長期の事業計画と中・長期収支計画の策定、及び策定後は中・長期の計画をふまえた単年度計画の作成が望まれる。

関連項目:4、5

2.教育・保育について、標準的な実施方法(マニュアル)の追加、及び定期的な見直しが望まれる。

教育、保育に関する標準的な実施方法の文書化については、食物アレルギーマニュアルや緊急時対応マニュアル、災害時対応マニュアル、実習生受け入れ対応マニュアル等が整備されている。新型コロナウィルス感染症予防マニュアルや食物アレルギー対応マニュアルには、差別や偏見に配慮することと守秘義務等、個人情報保護に関する姿勢が明示されている。また、新型コロナウィルス感染症が、感染症予防マニュアルに追加され、食物アレルギー対応マニュアルは、今年4月に第4版改定となっているが、子ども園移行前の内容となっているマニュアルも見受けられる。
プライバシー保護(羞恥心等)や健康管理に関するマニュアル、指導計画の作成手順書等の策定、及びマニュアルの定期的な検証、見直しが望まれる。

関連項目:40、41、42、29、36、38、39、58

3.地域の教育・保育ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動の実施が望まれる。

認定こども園の事業として、一時保育事業(一般型)や子育て支援センターを実施している。子育て支援センターの育児講座計画が作成され、地域の子育て中の親子を対象に、午前と午後に分けて受け入れて、「手作りおもちゃ作り」や「簡単!離乳食作り」、「親子で触れ合いあそび」等の講座が毎月実施されている。また、出前事業や子育て相談にも取り組んでいる。こども園と公園の間のコミュニティー道路の清掃と草刈りを実施し、本園は災害時の避難場所に指定されている。
把握した地域の教育・保育ニーズにもとづき、認定こども園が有する教育・保育の提供に関するノウハウや専門的な情報を地域に還元する取組として、公的資金による社会福祉事業にとどまらない地域貢献に関わる事業・活動の実施が望まれる。

関連項目:26、27

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

4~5歳児クラスのこども園と0~3歳児クラスの保育所として別組織であった本園が、今年度から新たにみらいこども園としてスタートしました。年度当初から0~5歳児まで一貫した教育・保育活動、内容の統合、見直し等を行ってきました。
今回の第三者評価の結果は、園が取り組んできた取組を振り返る良い機会となりました。「標準的な実施方法」という視点が新たに加わったことにより、日々の教育・保育活動をどのように実施するのか、業務を分析的な視点から文章化し職員に伝えることの必要性を学びました。これからの業務に生かしていきたいと思います。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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