調査船図南丸について
点検整備(定期ドック)
図南丸で定期的に行う点検整備について説明します。
船体
ドックに入渠した直後は、船底付近は海藻やフジツボ等で汚れています。これを洗浄し、サビを削り落とした後、塗装してゆきます。
バウスラスター
バウスラスターにもフジツボ等が付いてしまいますので、これを削り落とします。図南丸のバウスラスターは、ちょうど人がすっぽり入れるくらいの大きさです。
錨鎖(アンカーチェーン)
錨鎖(アンカーチェーン)は腐食が進むと強度が低下してしまいます。定期的に太さを計測し、規定値を下回っていたら交換します。
ウインドラス
ウインドラスやムアリングウインチは、波しぶきにさらされる場所にあり、サビやすいので、ホーサーを外しておいて入念に手入れをする必要があります。
スクリュープロペラ
長い間航海を続けると、海面に漂っていたロープの切れ端や糸がプロペラに絡み付いてしまいます。
入渠したら、まずこれを取り除きます。定期検査の時は、プロペラの内部機構の検査をするため、プロペラ軸を抜き出します。
この時、舵を外さないとプロペラ軸を抜くことが出来ません。
図南丸のプロペラは可変ピッチタイプになっていますので、プロペラボスを取り外し、内部のクロスヘッド等の摺動部分をチェックします。
プロペラ翼も一枚ずつ取り外し、腐食した所は磨いてゆきます。
新しいグリースを充填し、組立、塗装した後、船体に取り付けます。
主機関(1200PS 中速ディーゼル機関)
部品の摩耗状況やクラックの有無を調べるため、エンジンも分解します。
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シリンダーカバーを開放しているところです。
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シリンダーヘッド燃焼面のカラーチェックをし、クラックの有無を調べます。
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ピストンの抜き出しをしています。
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シリンダーライナーの抜き出しをしています。
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主機のクランク軸は通常は抜き出さず、ミラーでチェックしています。
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ピストンピンのはめ込みをしています。
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ハンマーでバルブをたたき、バルブシートをはめ込みます。
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カムシャフト、ロッカーアームもチェックします。
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発電機関(220PS ディーゼル機関)
発電機関の整備の様子を紹介します。
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220PSディーゼル機関。発電用に2台装備しています。
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シリンダーヘッドを取り外しています。
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排気バルブやバルブ内は、カーボンで汚れているので取り除きます。
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燃焼面のお掃除です。
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燃焼面のお掃除前です。
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燃焼面のお掃除後です。
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過給器も取り外し、タービンを洗浄します。
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洗浄後のタービンです。
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キレイになったシリンダーヘッドを取り付けます。
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燃料噴射弁の噴霧状態を調整します。
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燃料噴射弁の調整後です。
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停泊用発電機関(50PS ディーゼル機関)
停泊用に50PS発電機を1台備えています。これは小型のため、クランク軸まで取り出してチェックすることもあります。
