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調査船図南丸について

漁獲調査

図南丸では、ソデイカ、キハダマグロ、マチなど沖縄の水産業にとって重要な魚種を漁獲し再放流して生態や行動を調べています。

ここではおもに、漁獲時に使用する漁具構成について紹介します。

ソデイカ調査

ソデイカは20kgまで成長する大きなイカで、漁獲量は沖縄が全国一です。図南丸では下の図ような旗流し漁法で獲ったソデイカにダート型タグやポップアップタグを付けて放流し、移動、回遊を調べています。

ソデイカ延縄漁法
全体構成
  1. ①旗 黒色 60cm×60cm
  2. ②旗竿 4.4m
  3. ③シーライト
  4. ④ビニコンG10 2個
  5. ⑤錘 2.7Kg
  6. ⑥浮球 8寸 3個
  7. ⑦水中ライト
  8. ⑧エギ
  9. ⑨幹縄(ワイヤー,ナイロンコード)600m
  10. ⑩錘(鉄筋) 1.2Kg
枝縄の構成
枝縄の構成(上記⑦,⑧)
  1. ①エギ 23cm
  2. ②水中ライト 灯色は青
  3. ③ナイロン120号 1.2m
  4. ④ブランチハンガー 2.0×80 6φ
  5. ⑤ブランチハンガースイベル付 2.0×80 6φ
  6. ⑥メガネサルカンS
  7. ⑦ステンレスワイヤー♯29・1×7 6m
  8. ⑧ステンレスワイヤー♯29・1×7 84m
  9. ⑨ナイロンコード1.8mm(青) 10m
マグロ調査

沖縄では一般に浮き魚礁のことをパヤオといいますが、ここにはさまざまな回遊性魚類が集まって来ます。これらの魚の中でも特に、キハダマグロとメバチマグロの行動、回遊についてさまざまな手法で調査しています。

パヤオと図南丸
かぶせ釣り漁具
  1. ①釣り針 サイズは状況による
  2. ②ナイロン 50号程度 8m~15m
  3. ③こませ袋 60cm 
  4.  袋の奥に250号程度の重りを付ける
  5. ④スーパートト 70号 80cm
  6. ⑤三叉サルカン
  7. ⑥ステンレス針金 20cm
  8. ⑦ナイロン 80号程度
かぶせ釣り漁具 かぶせ釣り漁法

これは、かぶせ釣りと言って沖縄の漁師の間では一般的な漁法です。
②のナイロンハリスを袋の側から手の平に8の字に束ねて、マキエサとともに袋の中に入れます。
そして⑥の針金で袋の口を軽く閉じます。
マグロのいる水深まで急速に落下させたあと、テグスを強く引くと針金が外れてマキエサとともに仕掛けが飛び出す仕組みです。

この他にも伝統的な石巻き落とし釣りがあります。

石が外れた後は、おもりの無い仕掛けがマキエサと同調して漂うので、とても食いがいい釣り方です。

石巻落とし釣り マグロに標識を付けているところ

こうして釣ったマグロに標識を付けて放流し、再捕されるのを待ちます。

マグロの場合、再捕率が比較的高く、回遊経路が少しずつ明らかになってきています。

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マチ調査
沖縄近海の底魚類の漁獲は低迷しています。特に資源量が急激に悪化しているマチ類の生態や行動を調査しています。マチ類は底延縄で獲ります。定置網の構成
全体構成
  1. ①ラジオブイ
  2. ②発泡スチロールフロート
  3. ③幹縄 p.p7mm
  4. ④おもり 鉄 20kg
  5. ⑤枝縄 50m間隔
枝縄の構成
枝縄の構成(上記⑤)
  1. ①スナップ 2.0×8.0
  2. ②p.p 5mm 40cm
  3. ③浮き玉 4A-15
  4. ④マグロン印 60号 30cm
  5. ⑤スイベル 5.0cm
  6. ⑥マグロン印 60号 12m
  7. ⑦スイベル 2.7cm
  8. ⑧ナイロン 100号 1.6m
  9. ⑨ナイロン 50号 60cm
  10. ⑩マチ針 25号
  11. ⑪ナイロン 70号 1.6m
  12. ⑫鉄筋おもり 1.0kg
  13. ⑬クレン親子サルカン 3/0×3/0
枝縄に餌をつけている様子

投縄前に枝縄にエサ(ムロアジ切り身)を付けています。(上写真)

揚縄の様子

海底から急激に引き上げられた魚は、お腹に空気がたまって泳げなくなってしまいます(左下の写真)。注射器で空気を抜いて標識放流します。再捕されることを願って。(右下の写真)

空気がお腹に入った魚 空気を抜く様子

小型のサメもたくさん混獲されます。

小型のサメ カンパチの大物

カンパチの大物が釣れることもあります。

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延縄について

図南丸の甲板上に設置された延縄用の漁労機械と、延縄の投縄、揚縄の仕方について説明します。

延縄用の漁労機械
  1. ①揚縄中の幹縄
  2. ②漁獲物
  3. ③サイドローラー
  4. ④ラインホーラー
  5. ⑤浮縄揚機
  6. ⑥揚縄スローコンベア
  7. ⑦ガイド
  8. ⑧塩ビ管
  9. ⑨格納装置
  10. ⑩幹縄格納庫
  11. ⑪ガイドローラー
  12. ⑫繰出機
  13. ⑬投縄中の幹縄

船体の画像のピンクのラインは投縄中の幹縄を、黄色のラインは揚縄中の幹縄を示しています。

サイドローラー 浮縄揚機 ラインホーラー、揚縄スローコンベア、ガイド 塩ビ管 格納装置 ガイドローラー 繰出機

④ラインホーラー、⑤浮縄揚機、⑨格納装置、⑫繰出機共に、基本的な構造は似ています。ローラーが相互に縄を挟んで回転し、 摩擦力によって縄を揚げたり放出したりができる構造です。

投縄について

投縄について説明します。繰出機が幹縄を海中に放出してゆきます。
格納庫に収納されていた幹縄は⑪ガイドローラーを経て、⑧塩ビ管の中を通り引き出されます。枝縄と浮縄はスナップを用いて幹縄にかけてゆきます。

投縄 スナップ
揚縄について
延縄

揚縄では、④ラインホーラーの力によって幹縄を海中から引き揚げます。

スナップで付けられていた枝縄、浮縄は③サイドローラーの所で素早く取り外します。

④ラインホーラーで揚げられた幹縄は、絡みやキズの有無をチェックされながら⑥スローコンベアの上を運ばれてゆきます。

この後、格納装置に引かれ、数個の⑪ガイドローラーで向きを変えながら⑧塩ビ管の中を移動してゆきます。

格納装置はレールの上を往復しながら、前後に細長い形状の格納庫に、均等に幹縄を収納してゆきます。


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