平成22年第6回議会(11月定例会)で可決された意見書・決議

ページ番号1020898  更新日 2024年1月11日

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意見書3件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成22年12月22日 駐留軍等労働者の地位の確保に関する意見書 原案可決 全会一致
平成22年12月22日 脳脊髄液減少症の診断・治療法の早期確立等を求める意見書 原案可決 全会一致
平成22年12月22日 直轄国道の維持管理の充実等を求める意見書 原案可決 全会一致

決議1件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成22年12月22日 日米共同統合演習に伴う爆音被害等に関する抗議決議 原案可決 全会一致

駐留軍等労働者の地位の確保に関する意見書

去る12月7日、福岡高等裁判所那覇支部は、元駐留軍等労働者の不当解雇問題に対し原告側の訴えを全面的に認める判決を下したが、政府は日米地位協定第12条6及び諸機関労務協約第5条関係の規定に基づき米軍と協議する必要があるとしてこの判決に対する態度を明らかにしていないため、いまだ駐留軍等労働者としての地位の確保が果たされていない状態となっている。
もとより駐留軍等労働者の基本的人権である労働権を守り、雇用の安定等を確保することは何にも増して取り組まれるべきことである。ましてや上司のパワーハラスメントや不当解雇は本来あってはならないことである。
それにも増して、今回の事案の根本的な問題は、日米地位協定及び諸機関労務協約の中に我が国の司法判断に従わなくともよいとの規定があることである。いかなる事由であれ司法判断に従わなくてもよいとすることは、とりもなおさず我が国の司法権を軽視するものであり、対等な日米両国のあるべき関係を損なうものにほかならない。また、昭和37年5月11日の閣議了解事項に基づく「軍紀の維持の撹乱を含む安全上の理由による解雇」の範囲に対する厳密な解釈・運用が行われずに、米軍の意向や裁量が一方的に優先されることも同様に我が国の自治権を軽視するものであり、駐留軍等労働者の基本的人権である労働権及び雇用の安定等を脅かす大きな問題であることから、到底看過することはできない。
よって、政府におかれては、米軍が駐留軍等労働者の基本的人権を不当に脅かすことがないよう取り計らうとともに、諸機関労務協約及び日米地位協定を抜本的に改正するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年12月22日

沖縄県議会

(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

脳脊髄液減少症の診断・治療法の早期確立等を求める意見書

脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ外傷等の身体への強い衝撃が原因で脳脊髄液が漏れ、減少することによって引き起こされる疾患であり、頭痛、目まい、耳鳴り、倦怠感等多種多様な症状が複合的にあらわれるという特徴を持っている。
本年4月、厚生労働省は、本症の診断に必要な検査等は保険が適用されると医療機関に通知した。これは、本来、検査費用は保険適用であるはずのものが地域によって対応が異なっていたため、それを是正するために出されたものであり、患者にとって朗報である。しかし、本症の治療に有効であるブラッドパッチ療法(自家血硬膜外注入)については、いまだに保険適用がされておらず、患者及びその家族は依然として高額な医療費負担という厳しい環境に置かれている。
平成19年度から開始された脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究事業(当初3年間)は、症例数において中間目標である100症例を達成するために本年度も継続して事業が実施され、本年8月、ついに中間目標数を達成した。今後は、収集した症例から基礎データをまとめ、診断基準を示すための作業を速やかに行い、本年度中に診断基準を定めるべきである。そして、来年度には、診療指針(ガイドライン)の策定及びブラッドパッチ療法の治療法としての確立を図り、早期に保険適用とすべきである。また、本症の治療に用いられるブラッドパッチ療法を災害共済給付、労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険等の対象とすべきである。
よって、国におかれては、脳脊髄液減少症の診断及び治療の確立を早期に実現する観点から、下記の事項を早急に実現するよう強く要請する。

1 脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究事業においては、症例数において中間目標(100症例)が達成されたため、本年度中に脳脊髄液減少症の診断基準を定めること。

2 脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究事業においては、平成23年度にブラッドパッチ治療を含めた診療指針(ガイドライン)を策定し、ブラッドパッチ療法(自家血硬膜外注入)を脳脊髄液減少症の治療法として確立するとともに、早期に保険適用とすること。

3 脳脊随液減少症の治療(ブラッドパッチ治療法等)を、速やかに災害共済給付、労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険の対象に加えること。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年12月22日

沖縄県議会

(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

直轄国道の維持管理の充実等を求める意見書

政府は、昨年の行政刷新会議の結果を踏まえ、平成22年度予算のうち直轄国道の維持管理のための予算を大幅に削減するとともに、これまで地域ごとにばらつきのあった巡回、清掃、除草、剪定等の各作業に対し、全国統一の維持管理基準を設定し運用することを決定した。
これに伴い、これまで年二、三回程度実施していた除草作業が原則として年1回に、また年1回程度実施していた高木・中低木の剪定が原則として3年に1回程度に減らされることになった。
その結果、沖縄本島内の国道や中央分離帯、歩道では草木が生い茂って、歩行者や運転手の視界を遮り、安全な歩行や運転に支障が生じ、県民の安全、安心を確保する上で重大な影響を及ぼしている。
また、本県は観光立県を目指し、景観の向上にさまざまな取り組みを行っているところであるが、その一方で、このような景観の悪化が生じることは、自然の美しさに引かれて訪れた観光客にとって大きなイメージダウンにつながるものであり、早急な対策が求められているところである。
本県は、亜熱帯性気候という特性から植物の成長が早く、雑草の繁殖力が旺盛であり、他都道府県と同一の基準をそのまま一律に適用することは、到底納得できるものではない。
よって、政府におかれては、地域の実情及び特性を踏まえ、下記の事項について十分配慮するよう強く要請する。

1 直轄国道の維持管理に当たっては、県民及び観光客の快適で安全、安心な通行等を確保することを最優先とし、維持管理の充実及び強化のため、十分な事業費の確保を図ること。
2 地域の実情及び特性に応じた制度や基準を導入するとともに、必要な財源措置を講じること。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年12月22日

沖縄県議会

(あて先)
内閣総理大臣
財務大臣
国土交通大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

日米共同統合演習に伴う爆音被害等に関する抗議決議

去る12月3日から10日までの8日間にわたり実施された日米共同統合演習は、日米両国から合計で約4万4500人、艦艇約60隻、航空機約400機が参加し、沖縄東方周辺の米軍訓練水域、空域及び在沖米軍基地等において強襲上陸作戦などの海上作戦や、沖縄本島に配備されたパトリオット・ミサイルによるミサイル防衛訓練、米軍機と自衛隊機による対空演習などを内容として、これまで類を見ない規模と内容で実施されたが、演習の実施に伴い、県民生活は各地域で深刻な影響をこうむった。
嘉手納飛行場では、米原子力空母の艦載機や自衛隊のF15戦闘機等による早朝からの訓練が繰り返され、離発着の際の爆音が相次いだことやエンジン調整による悪臭等が発生したことなどのため基地周辺の住民生活に多大な損害が生じた。特に嘉手納町屋良地域では70デシベル以上の1日平均爆音発生回数が昨年の1日113回を上回る135.4回が記録され、さらに嘉手納中学校では学力到達度調査や授業に支障を来たすなど深刻な事態が発生した。
また、那覇空港においては航空貨物便のおくれによる被害が発生したとの報道もあり、県民全体の生活や経済活動に直接影響を与える深刻な事態となった。特に同演習が1年前から計画されていたことなどを考えると、日米両政府は演習の実施による県民への影響や負担についてもっと真摯に検討・配慮すべきである。
よって、本県議会は、県民の生命、安全及び生活環境を守る立場から、県内での訓練・演習の激化と基地負担のさらなる増加につながる今回の日米共同統合演習に強く抗議する。
上記のとおり決議する。
平成22年12月22日

沖縄県議会

(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
内閣官房長官
駐日米国大使
在日米軍司令官
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事

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