浄化槽に関するQ&Aのページ
- Q1.浄化槽を設置しようとおもっていますが、どういう業者に頼めばよいのでしょうか。また、どのような手続きが必要でしょうか。
- Q2.浄化槽の維持管理は、なぜ必要なのでしょうか。
- Q3.「浄化槽法」とは、どのような法律ですか。
- Q4.浄化槽を「使う側」が知っているべき法的義務はどんなこと?
- Q5.保守点検とは何ですか。
- Q6.保守点検とは、いつ、どんなことをするのですか。
- Q7.保守点検を自分でやろうと思いますが
- Q8.管理を頼みたいのですが、どこへ連絡すればいいかわかりません。
- Q9.浄化槽の清掃について教えて下さい。
- Q10.清掃作業の業者はどこへ頼めば…。
- Q11.水質検査を受ける義務もあるようですが。
- Q12.検査の人は、だまっていても来てくれますか。
- Q13.水質検査では、どんなことを検査するのですか。
- Q14.保守点検業者と契約しているのに、水質検査も受けるのですか。
- Q15.指定検査機関について教えてください。
- Q16.指定検査機関と保健所の関係は。
- Q17.検査後、「不適正」の通知を受けました。どうしたらいいでしょうか。
- Q18.保守点検・清掃・検査の記録は3年間保管してください。
- Q19.浄化槽法に違反した場合の「罰則」とは、どの程度のものですか。
- Q20.全国浄化槽団体連合会の「保証制度」の保証期間と保証の範囲について教えて下さい。
- Q21.保証制度の期間が過ぎてしまいました。我が家の浄化槽は大丈夫でしょうか。
- Q22.家族で気をつけた方が良いことは何かありますか。
- Q23.風呂場の改造で浴槽が大きくなりました。合併処理浄化槽への影響が心配です。
- Q24.物置のスペースがないので、合併処理浄化槽の上を、一部利用できませんか。
- Q25.浄化槽からの臭いがひどいのですが。
- Q26.浄化槽からの音が気になります。
- Q27.2週間ほど海外旅行をします。浄化槽の電源は?
- Q28.使い古しの食用油の始末は、油処理剤を使えば、流しに流せると聞きましたが。
- Q29.洗濯には粉石鹸だとか、無リンがいいとか。どれを使えば良いのですか。
- Q30.風呂場のタイルに使うかび取り剤は大丈夫ですか。
- Q31.トイレの掃除に洗浄剤を使いたいのですが。
- Q32.入浴時によく入浴剤を使用しますが、大丈夫でしょうか。
- Q33.トイレの芳香剤は、大丈夫でしょうか。
- Q34.糖尿病の薬を常用していると、浄化槽に良くないと聞きましたが。
- Q35.浄化槽の技術管理者という人はどのような人ですか。
Q1.浄化槽を設置しようとおもっていますが、どういう業者に頼めばよいのでしょうか。また、どのような手続きが必要でしょうか。
浄化槽の工事は、都道府県知事に登録を受け又は届出をしている工事業者でなければ行うことができません。したがって、浄化槽を設置する場合は、都道府県知事に登録を受けた専門の浄化槽工事業者又は都道府県知事に届出を行っている工事業者に依頼をしてください。浄化槽工事業者がわからない場合は、各都道府県の担当部局または浄化槽協会などに問い合わせてください。また、浄化槽を設置するときの手続きとしては事前に都道府県知事(保健所を設置する市では市長)及び特定行政庁に届出をすることが必要です。
この届出を受理した場合、都道府県知事(保健所を設置する市では市長)はその浄化槽の設置が生活環境の保全及び公衆衛生上問題がないか審査し、問題がある場合は、その届出をした者に勧告をすることができます。また、特定行政庁では、その浄化槽の設置の計画が浄化槽の構造基準に適合していうか審査し、適合していない場合は、その届出をした者に浄化槽の設置または変更計画の変更や廃止を命ずることができます。なお、浄化槽の工事は、この設置届をしてから21日(建設大臣による型式認定を受けた浄化槽の場合は10日)を経過するか、都道府県知事(保健所を設置する市では市長)及び特定行政庁から工事を着手してよい旨の通知を受けなければ、着手することができません。
一方、住宅を新築する際など建築確認申請を行う場合には、建築確認申請書に浄化槽の仕様書などを添付して建築主事の確認を受けることになります。これらの手続きの詳しいことは都道府県の担当部局または浄化槽協会に問い合わせてください。
参考:浄化槽法第5条
Q2.浄化槽の維持管理は、なぜ必要なのでしょうか。
下水道と同等の汚水処理能力を持つ合併処理浄化槽の構造は建築基準法で定められており、正しい使い方と適正な維持管理を行えば、本来の機能を十分に発揮する事ができます。
しかし、使い方を誤ったり、維持管理が適正に行われていないと、放流水の水質が悪化したり、悪臭が発生してしまうことになります。
Q3.「浄化槽法」とは、どのような法律ですか。
「浄化槽法」は「浄化槽によるし尿等の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与すること」を目的に制定された法律です。
このため、「浄化槽法」では、おおよそ次のようなことを規定しています。
- 浄化槽の製造と販売について
- 浄化槽設置の届けについて
- 浄化槽の工事と浄化槽設備士制度について
- 浄化槽の使用開始報告について
- 浄化槽の使用について
- 浄化槽の保守点検と浄化槽管理士制度について
- 浄化槽の清掃について
- 浄化槽の定期検査制度について
- この法律に違反した場合の罰則について
昭和60年10月1日から全面施行されたため、この日を「浄化槽の日」と決めて、全国でいろいろな行事が催されます。
Q4.浄化槽を「使う側」が知っているべき法的義務はどんなこと?
「浄化槽法」とそれに基づく各省令等で詳細に規定されていることがらの内「使う側」の皆様に知っていてほしい義務は次のようになります。
- 下水道等による場合を除き、浄化槽で処理した後でなければ、し尿を公共用水域に放流してはなりません。
- 浄化槽を使用する人は「浄化槽の使用に関する準則」(下の一~九)を守らなければなりません。
- し尿を洗い流す水の量を適正にする。
- 殺虫剤、洗剤、防臭剤、油脂類、紙おむつ、衛生用品などで浄化槽の正常な機能を妨げる物は流入させない。
- 単独処理浄化槽では、雑排水を流入させない。
- 合併処理浄化槽では、工場廃水、雨水その他の特殊な排水を流入させない。
- 電気設備のある浄化槽の電源を切らない。
- 浄化槽の上部、周辺に保守点検や清掃の邪魔になる構造物を作らない
- 浄化槽の上に浄化槽の機能を妨げるような荷重をかけない。
- 通気口をふさがない。
- 浄化槽法では、浄化槽の所有者などを「浄化槽管理者」と定め、次のような義務を課しています。(戸建て住宅の場合、住民の方が「浄化槽管理者」になるのが普通です)
- 浄化槽の保守点検と清掃を、毎年、法律で定められた回数を行い、その記録を3年間保存しなければなりません。ただし、保守点検や清掃を資格のある業者に委託することができます。
- 指定検査期間の行う水質に関する検査を受けなければなりません。これには、浄化槽設置後一定期間に行う検査と毎年行う検査の2種類の検査があります。
なお、これら浄化槽法の規定に違反すると処罰されることがあります。
Q5.保守点検とは何ですか。
私たちが常日頃自分のからだの健康管理に気をつけていると同時に、浄化槽についても保守点検という健康管理が必要となります。
保守点検は浄化槽の各装置や機械類が正常に働いているかどうか、浄化槽全体の運動状況や放流水の状況はどうか、汚泥のたまり具合はどうか、配管やろ材が目詰まりしていないかなどを調べることで、浄化槽の正常な機能を維持し、異常や故障などを早期に発見し予防的な措置を講じます。
浄化槽は微生物の働きによって汚水を処理する施設ですから、まさに、「生き物」です。微生物が活躍しやすい状況を常に保つ必要があります。特に微生物に酸素を共給するばっ気装置などは休みなく連続運転されていますから、きめ細かな点検が必要となります。また、消毒剤等の消耗品は、定期的に補給、交換が必要となります。
さらに、各装置の点検を行うことにより、浄化槽の清掃を行うべき時期になっているか否かを判断し、必要ならば、浄化槽清掃業者に連絡することも保守点検の大切な役割です。このように保守点検の良し悪しは浄化槽の機能を正常に保つうえで極めて重要です。
参考:浄化槽法第2条
Q6.保守点検とは、いつ、どんなことをするのですか。
合併浄化槽のいろいろな機能が正しく働いているか点検し、装置や機械の調整、修理、スカムや汚泥の状況を確認、汚泥の引き抜きや清掃時期の判定、消毒剤の補充といったことを行います。当然定期的に行うべきものですから、家庭用の小型合併処理浄化槽では、4カ月に1回(処理対象人員が21人以上ものは3カ月に1回)以上行うことになっています。
Q7.保守点検を自分でやろうと思いますが
浄化槽管理者には定期的に保守点検を行う義務がありますが、これを知事(保健所を設置する市では市長)の登録を受けた保守点検の専門業者に委託することができます。
保守点検の作業には技術上の基準があり、この基準を守るには専門知識や技能、経験さらに専用の器具機材が必要です。このため一般の浄化槽管理者には困難なことが多いと思いますので、専門業者(浄化槽保守点検業者)に委託することをおすすめします。
Q8.管理を頼みたいのですが、どこへ連絡すればいいかわかりません。
維持管理を委託する業者は、浄化槽の保守点検を業とする「浄化槽保守点検業者」です。この業者の連絡先は、市町村・保健所の浄化槽担当課、(社)沖縄県環境整備協会、または建設会社や設備会社におたずね下さい。
浄化槽保守点検業者は知事(保健所を設置する市では市長)の登録を受けた業者に委託しましょう。
Q9.浄化槽の清掃について教えて下さい。
浄化槽に流れ込んだ汚水は、沈殿・浮上といった物理作用と微生物の働きによる生物作用によって処理されますが、この過程で必ず汚泥やスカムといったものが生じます。これらがたまりすぎると浄化槽の機能に支障をきたし、処理が不十分になったり、悪臭の原因になったりします。そこでスカムや汚泥を槽外へ引き抜き、付属装置や機械類を洗浄したり、掃除をすることが必要です。
清掃とはこのような作業のことをいいますが、浄化槽の維持管理の上で、とても重要な作業です。
Q10.清掃作業の業者はどこへ頼めば…。
清掃は、「浄化槽清掃業」の許可を市町村長から受けた業者に委託して下さい。
浄化槽清掃業の許可申請を受けて、市町村長は、業者の所有している器具機材、技術的能力等が十分にあるか等を審査します。また、清掃によって出される汚泥を収集して運搬するためには、さらに一般廃棄物処理業の許可も受けている必要があります。
浄化槽清掃業の許可を受けた業者についての問い合わせは、市町村・保健所の浄化槽担当課、または地元の生活環境事業協会へお願い致します。
Q11.水質検査を受ける義務もあるようですが。
浄化槽法では、浄化槽管理者は「水質に関する検査」を受けなければならないことになっています。
浄化槽が適正に維持管理され、本来の浄化機能が十分に発揮されているかどうか、この水質検査で確認できるわけで、大変重要な検査です。
水質検査には、浄化槽を使い始めて3カ月経過してから5カ月以内に行う「設置状況検査」(7条検査)と、その後、毎年1回定期的に行う「定期検査」(11条検査)があります。
Q12.検査の人は、だまっていても来てくれますか。
都道府県知事・政令市市長宛の通知によると「浄化槽の水質に関する検査は、当該浄化槽の管理者から検査の依頼があったときに速やかに行うものとすること」とあります。つまり、この検査の依頼は浄化槽管理者であるあなた自身がするものです。
なお、検査を依頼する検査機関は環境大臣か知事が指定した「指定検査機関」に申し込むことになります。
詳しくは、市町村・保健所の浄化槽担当課、または本県の指定検査機関である(社)沖縄県環境整備協会へ問い合わせてください。
Q13.水質検査では、どんなことを検査するのですか。
検査項目を表にすると下のようになります。
最初の「設置状況」 | 毎年1回の「定期検査」 | |
---|---|---|
外観検査 | 設置状況 設備の稼働状況 水の流れ方の状況 |
設置状況 設備の稼働状況 水の流れ方の状況 悪臭の発生 消毒の実施状況 蚊、はえの発生 |
水質検査 | 水素イオン濃度 汚泥沈殿率 溶存酸素量 亜硝酸性窒素 透視度 水素イオン濃度 生物化学的酸素要求量 |
水素イオン濃度 溶存酸素量 透視度 残留塩素濃度 |
書類検査 | 使用開始直前の保守点検の記録を参考に、適正に設置されているか検査する | 保守点検と清掃の記録、前回検査の記録などを参考に保守点検、清掃が適正に実施されているか検査する |
Q14.保守点検業者と契約しているのに、水質検査も受けるのですか。
保守点検や清掃を行っても、年に1回の検査を受けなければなりません。浄化槽法では、浄化槽管理者には浄化槽の保守点検や清掃とは別に、都道府県知事が指定する公益法人による年1回の定期検査(11条検査)を受けることが義務づけられています。浄化槽の保守点検は、浄化槽の機能が正常に保持されるよう浄化槽の点検、調整又はこれらに伴う修理をする作業で、また、清掃は槽内に生じた汚泥、スカム等の引出し、汚泥等の調整並びに各装置及び付属機器類の洗浄、清掃等を行う作業であり、いわば日常の健康管理にあたります。
一方、年1回の定期検査は、浄化槽管理者が、浄化槽を正常な状態に維持するための保守点検を基準どおりに行っているかを含め、清掃や使用の準則の遵守状況や浄化槽の外観、これまでの保守点検、清掃及び検査に関する書類、放流水質等の状況について第三者である公益法人が公正中立に検査するもので、いわば健康診断にあたります。
このように保守点検・清掃と年1回の定期検査は趣旨、内容も異なり、目的、作業内容も違い、全く別の観点から行われているものなのです。したがって、保守点検や清掃を行っていても、この検査は受けなければなりません。
Q15.指定検査機関について教えてください。
浄化槽管理者の義務として、浄化槽の水質に関する検査を受けなければならないことが法律で規定されています。
浄化槽法第7条に規定する水質に関する検査(7条検査)とは、使用開始後(新設の場合だけではなく構造若くしは規模の変更をされた場合も含みます。)6ヵ月から8ヵ月を経過した浄化槽を対象に、また浄化槽法第11条に規定する水質に関する検査(11条検査)とは、全ての浄化槽を対象に毎年(年1回)行われます。
この検査を行うのが、都道府県知事が浄化槽法に基づいて指定する指定検査機関です。なお、2つ以上の都道府県の区域において検査業務を行う機関については、厚生大臣が指定することになっていますが、現在、厚生大臣が指定した検査機関はありません。浄化槽が適正に設置され、かつ、適正な管理が行われているか否かのチェックを公平中立的な立場で行うこれらの検査の役割はきわめて重要ですので、それを行う検査機関の指定の基準については、厚生省令で厳格に定められています。まず、公益性が強い業務ですので、民法第34条の規定により設立された公益法人であることが条件となっています。また、適切な計画に基づき検査業務を適正かつ確実に実施できる経理的、技術的基礎(施設、器具等)を有していること、実際に検査を行う者として一定の資格を有する浄化槽検査員を置くことなどが定められています。また、検査料金についても適当であるかどうか審査されます。
指定検査機関は、原則として1都道府県1機関となっておりますが、複数の指定検査機関が指定されている場合は、各々の機関ごとに検査業務を行う区域が限定されています。
本県においては、浄化槽の設置の際に7条検査依頼書の提出を義務づけております。11条検査の申込は指定検査機関からの受検案内ハガキに必要事項を記入して送り返すことで手続が出来ます。
検査時期の確認や、検査日程の確認は本県の指定検査機関である公益社団法人沖縄県環境整備協会へお問い合わせ下さい。電話098-996-7170
Q16.指定検査機関と保健所の関係は。
指定検査機関は、検査の結果、必要と認められる場合には、検査結果書の写しを保健所を通じて都道府県の担当部局へ送付することになっており、この監査結果に基づき浄化槽管理者に対し行政指導等が行われます。特に、「不適正」と判定された浄化槽については、速やかに送付することになっており、この場合、保健所職員などが改善すべき点等について浄化槽管理者等の関係者に対し指導、助言、勧告等を行うことになります。
すなわち、検査は浄化槽が正しく設置、管理されていることを確認し、あるいはそれを改善するための第一歩であり、指定検査機関と保健所は連携を密にとり合いながら、不適正な浄化槽に対する措置を講じていく役割を果たすことになります。
Q17.検査後、「不適正」の通知を受けました。どうしたらいいでしょうか。
検査機関から浄化槽管理者へ提出される検査結果書には、イ(適正)、ロ(おおむね適正)、ハ(不適正)の3段階の判定が記載されます。
ここで「不適正」の場合には、検査結果書にしたがって工事業者や管理業者に相談し、適切な措置をしなければなりません。保健所や役所からの指導がありますから、まず、それに従って改善することになります。
Q18.保守点検・清掃・検査の記録は3年間保管してください。
法定検査は、浄化槽の定期健康診断です。診断の結果は次回の検査の際、大事な手がかりになるので大切に保管して下さい。保守点検・清掃の記録も法定検査の際に必要なものです。これらがないと書類検査ができなくなりますので、専用の書類入れをつくって、保存するとよいでしょう。すべて3年間保管してください。
Q19.浄化槽法に違反した場合の「罰則」とは、どの程度のものですか。
浄化槽管理者に関係する違反行為と、その罰則は次のようなものです。
- 保守点検や清掃が定められた基準に従っていないとして都道府県知事が、改善措置や使用停止を命じた場合、この命令に違反すると処罰されます。
罰則:6ケ月以下の懲役又は30万円以下の罰金 - 無届か嘘の届で浄化槽を設置した場合には処罰されます。
罰則:3ケ月以下の懲役又は20万円以下の罰金 - 届け出た浄化槽の設置計画が不適切であると認められ、出された変更命令又は廃止命令に違反すると処罰されます。
罰則:3ケ月以下の懲役又は20万円以下の罰金 - 行政庁から浄化槽の保守点検や清掃等に関して報告を求められたのに報告をしなかったり嘘の報告をすると処罰されます。
罰則:10万円以下の罰金 - 行政庁の立ち入り検査を拒んだり妨げたり、質問に答えなかったり又嘘の答えをした場合処罰されます。
罰則:10万円以下の罰金
Q20.全国浄化槽団体連合会の「保証制度」の保証期間と保証の範囲について教えて下さい。
【保証期間】
槽本体:使用開始後3年間
ブロワー:使用開始後3年間
【保証制度の対象となる機能異常】
法律に従って適正に設置された保証登録浄化槽が、法定検査で機能に異常があると判定された場合に、全浄連の審査委員会で審査しても原因者が特定できない場合があります。また、原因者が倒産した等の場合もあります。このような場合には、全浄連の保証基金により無償で修理いたします。
ただし次の場合は保証期間中でも有償とします。
- 適切な維持管理契約がされていないとき
- 改造したとき
- 故意や過失で故障したとき
- 消耗部品(薬剤、ブロワーのオイル、ダイアフラム等)
- 天災によるとき
- その他取り扱いが不適切だったとき
Q21.保証制度の期間が過ぎてしまいました。我が家の浄化槽は大丈夫でしょうか。
一般的に、浄化槽も何年か過ぎれば、経年劣化による自然故障が発生することがありますが、保証期間が過ぎている場合でも、有償による修理は可能です。
お宅に設置されている浄化槽のメーカーの営業所、販売・施工会社に相談して下さい。
Q22.家族で気をつけた方が良いことは何かありますか。
合併処理浄化槽は、し尿だけでなく台所や風呂、洗濯などの雑排水も一緒に処理する浄化槽です。それだけにさまざまな性質の汚水を処理する能力が要求されます。浄化槽が機能を十分に発揮できるように、家族のちょっとした心づかいが大切です。
台所で
使った油は、流しに流さず、ゴミと一緒に出す
なべや皿のひどい汚れは紙で拭いてから洗う
三角コーナーには細かいネットをかぶせる
洗濯で
無リン洗剤を使う
洗剤はかならず適量をはかって使う
漂白剤は適量を使う
トイレで
紙おむつ、衛生用品、たばこの吸い殻を流さない
トイレットペーパーを使う
塩酸などの薬品を使わない(普通のトイレ洗剤はOK)
浄化槽で
殺虫剤は使わない
ブロワーの電源を切らない
Q23.風呂場の改造で浴槽が大きくなりました。合併処理浄化槽への影響が心配です。
一般的に、その程度の水量の増加には対処できるよう設計されていますから安心してよいと思います。
しかし、同時に全自動洗濯機の排水を流すような場合には、時間をずらす等の注意をしましょう。
また、排水口に取り付けるだけで、水量を調整する器具もありますので利用してください。
Q24.物置のスペースがないので、合併処理浄化槽の上を、一部利用できませんか。
マンホールやブロワーの上には物を置かないでください。点検や清掃作業に支障がないよう十分留意してください。
Q25.浄化槽からの臭いがひどいのですが。
臭気の原因で考えられるのは
- ブロワーの異常による浄化槽の機能低下
- 排気設備の不良
- マンホールの蓋の密閉が不十分
等があります。専門の知識がなければ対処できないものもありますので、委託している保守点検業者に連絡して、適正な措置をとるようにしてください。
Q26.浄化槽からの音が気になります。
浄化槽からの「音」や「振動」について、原因を特定するのは、かなり難しいことです。過去の例では
- ブロワー自体が原因
- 家屋の土台などと接触している
- 聞こえる部屋と接近しすぎている
- 浄化槽本体が原因
いずれの場合でも、早めに保守点検業者(あるいは施工業者)に連絡してください。
Q27.2週間ほど海外旅行をします。浄化槽の電源は?
ブロワーの電源は切らないでください。浄化槽内の好気性微生物に送る大切な空気を止めてしまい、微生物の働きを弱めたり死滅させたりして、合併処理浄化槽の機能を停止させることにもなります。
また、何らかの理由で1年以上も無人にするような場合には、電源を切り、清掃をしてから水を張っておきます。この場合は保守点検業者に相談してください。
Q28.使い古しの食用油の始末は、油処理剤を使えば、流しに流せると聞きましたが。
廃油を液体のまま処理剤を混ぜて、流しに流す方式の油処理剤は、合併処理浄化槽の中で、また油と水に分離します。このため結果として大量の油を流し込んだのと同じになり、油は浄化槽内のろ材やパイプ類の目詰まりをおこして機能低下の原因になります。
やはり、台所での廃油処分は、牛乳パックの中に、古新聞などにしみこませて入れ、可燃ごみとして出すか、油を固めるタイプの凝固剤で固化させてから、可燃ごみとして出してください。
皿や鍋、フライパンなどについた油も、洗う前に新聞紙などで拭き取るようにこころがけましょう。
Q29.洗濯には粉石鹸だとか、無リンがいいとか。どれを使えば良いのですか。
環境にやさしいから粉石鹸を使うという人も、無リンタイプの洗剤が優れているという人もいます。浄化槽の立場から考えれば、できるだけ中性のものを、洗剤メーカーが指示する適量を必ず守って、使っていただきたい。大量に入れても汚れ落ちとは無関係です。無駄に水を汚すだけです。
なお、家庭でシーツやシャツなどに使う漂白剤は、適量を使用するかぎり大丈夫ですが、塩素系の漂白剤は避けたいものです。
Q30.風呂場のタイルに使うかび取り剤は大丈夫ですか。
市販のカビ取り剤のほとんどが、次亜塩素酸ナトリウムを主成分にしています。大量に使えば浄化槽内で働く微生物を殺してしまいます。
はじめにカビ取り剤を適正量使い、使用後は、いつもより多めの水で洗い流してください。その後は、1カ月に一度、薬用アルコールを霧吹きで、タイル面に吹き付けます。これで消毒とカビの発生を防ぐことができます。薬用アルコールは薬局で売っています。
Q31.トイレの掃除に洗浄剤を使いたいのですが。
トイレの洗剤として市販されているものにはおおよそ3つのタイプがあるようです。塩素系のもの、酸性タイプ、中性タイプで浄化槽向きであることを前面に表示しているものです。塩素系と酸性タイプの洗剤でも裏面に「通常の使用では浄化槽に影響はない」と表示しているものもあります。しかし、使用する量によって、浄化槽内の微生物の働きを弱め、ひいては浄化槽の著しい機能の低下を引き起こす危険があります。
できれば、トイレの清掃は水やぬるま湯を使い、便器の黄ばみ等を取るには、消毒用アルコールをトイレットペーパーに浸み込ませて拭き取ります。
洗剤を使う場合は、浄化槽に対応しているタイプのトイレ洗剤を選び、必ず適量で使ってください。
Q32.入浴時によく入浴剤を使用しますが、大丈夫でしょうか。
市販の入浴剤を適量で使っている限りでは、心配することはありません。ただし、多量に入れますと槽内の水に色が付き、維持管理の係員が視認しにくくなりますので、ご注意ください。なお、硫黄化合物の含まれている入浴剤はさけてください。
Q33.トイレの芳香剤は、大丈夫でしょうか。
入浴剤と同様に適量で使っている限りでは、浄化槽の機能に影響を及ぼすことはありませんが、芳香剤に含まれる色素によって着色され、点検のときに水質悪化と間違えたり、香料と槽内の臭気が混じって臭気の問題を起こすことがありますので、ご注意ください。
Q34.糖尿病の薬を常用していると、浄化槽に良くないと聞きましたが。
特に単独処理浄化槽では、糖尿病、高血圧症等の薬の常用が浄化槽の機能低下に関係すると、いわれていますが、小型合併処理浄化槽の場合、流入水量が多いので、薄められてほとんど影響はないと思われます。
Q35.浄化槽の技術管理者という人はどのような人ですか。
浄化槽は家庭用の小さな5人槽から、団地やマンションなどに設置される大規模なものまで様々な大きさのものがあります。
大規模な浄化槽は一般的に高度に機械化されており、その操作について相当高度な知識及び技能が要求されますので、処理対象人員が501人以上の浄化槽については、浄化槽管理者は、技術管理者を専従で置かなければならないことになっています。ただし、例外的に1日の作業時間内に施設を巡回できかつ実質的に施設の常時管理ができるような場合には必ずしも専従でなく、他の施設を兼任してもよいこととされています。また、地域的な事情から技術管理者を確保できないような場合には、浄化槽管理者が一定の指揮命令権限を確保した上で、保守点検を委託している保守点検業者等に属する有資格者の中から任命することもできることになっています。
技術管理者は浄化槽の維持管理について技術的に高い知見を有し、浄化槽管理者に代わって専門的判断に基づき業務を行う者です。技術管理者は保守点検及び清掃の直接の実施者というより、むしろ両業務を統括する者としての性格を有するもので、次のような能力を持つことが要求されます。
技術管理者は施設ごとの専従を原則として、浄化槽管理者により任命され、浄化槽管理者の果たすべき義務を代行する者ですから
- 技術管理者として従事する浄化槽について、ア.構造並びに流入する汚水の性質及び量を理解し、イ.運転状況及び処理状況を常時把握していること。
- 浄化槽法のみならず関係法令を熟知し、当該浄化槽の運転に支障が生じないよう、必要な手続き等を理解していること。
このため、技術管理者となるためには、浄化槽管理士であって、かつ、501人以上の浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務に関し二年以上実務に従事した経験を有する者又はこれと同等以上の知識及び技能を有すると認められる者であることとされています。(浄化槽法施行規則第8条)
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