認知症に関すること

ページ番号1007453  更新日 2024年12月9日

印刷大きな文字で印刷

認知症とは

「認知症」とは、さまざまな脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。

我が国では高齢化の進展とともに、認知症の人も増加しています。65歳以上の高齢者では、令和2年度時点で8人に1人程度とされ、年齢を重ねるほど発症する可能性が高まり、今後も認知症の人は増え続けると予想されています。なお、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(MCI)の人も加えると4人に1人の割合となりますが、MCIの方がすべて認知症になるわけではありません。

また、65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼んでいます。今日、認知症は、だれもがなりうる病気と考えられています。

認知症について詳しくは「知っておきたい認知症の基本」(外部サイト)をご参照ください。

「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」に基づく認知症施策推進計画

 認知症の人が、尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができる「共生社会」(認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会)の実現を推進するため、認知症施策について、基本理念、国・地方公共団体の責務、計画の策定、基本的施策等について定める共生社会の実現を推進するための認知症基本法(以下「法」という。)が、令和5年6月に成立し、令和6年1月から施行されています。

 沖縄県では、法で規定されている基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、地域の状況に応じた認知症施策を総合的かつ計画的に策定・実施することとしています。

 また、都道府県及び市町村の認知症施策推進計画については、当該都道府県及び市町村の実情に即した都道府県・市町村の認知症施策推進計画を策定するよう努めなければならないとされており、沖縄県では、老人福祉計画及び介護保険事業支援計画と調和が保たれるよう、「沖縄県高齢者保健福祉計画」とあわせて認知症施策推進計画を一体的に策定したところです。

要介護・要支援認定者に占める認知症のある人の人数

沖縄県では、認知症のある人の状況を把握するための基礎資料として、要介護・要支援認定者に占める認知症のある人の人数の調査(認知症高齢者の日常生活自立度調査)の結果を公表しています。

認知症予防

 認知症は誰もがなりうるものですが、運動不足の改善、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病予防、社会参加による社会孤立の解消や役割保持等により認知症の発症を遅らせることができる可能性が示唆されています。
 ランセット委員会の報告書やWHO「認知機能低下及び認知症リスク低減のためのガイドライン」においても、認知症発症のリスク低減について取り上げられています。
 まずはバランスの良い食事を心掛けたり、定期的な運動習慣を身に付けたりと、普段からの適切な生活管理に取り組むことから始めましょう。
 *ランセット委員会:認知症の国際的専門家24人からなる組織
 *WHO(世界保健機関):国連システムの中にあって保健について指示を与え、調整する機関

アルツハイマー病の新しい治療薬(抗アミロイドβ抗体薬)

 アルツハイマー病の原因に働きかけて病気の進行自体を抑制する薬として、国内では令和5年9月にレカネマブ、令和6年9月にドナネマブが承認されています。

 薬に関する詳しい情報は厚生労働省のホームページに掲載されていますので、ご参照ください。

認知症治療薬レカネマブ

 令和5年12月に認知症の治療薬レカネマブが発売されました。効果・効能は、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」となっています。
 使用方法は原則として、投薬実施医療機関において2週間に1回約1時間かけて点滴静注することとなり、投与期間は原則18か月までとされています。
 この薬の使用により、認知機能障害の悪化が有意に(18ヶ月で27.1%)抑制されたことが報告されています。
 一方で、アミロイド関連画像異常「ARIA」(Amyloid-Related Imaging Abnormalities)という副作用があらわれることがあると報告されています。
 またレカネマブは、厚生労働省から最適使用推進ガイドラインが示されており、使用に際しては、投与対象患者、使用できる医師・医療機関の要件等を全て満たす必要があります。
 沖縄県内でも令和6年4月から複数の医療機関でレカネマブを使用した治療が開始されています。
 一般的な治療までの流れは以下のとおりです。

レカネマブ使用までの流れ

 

投与実施医療機関(初回導入施設) 令和6年9月時点 ※随時更新予定
   医療機関名  所在地 電話番号 備考
1 医療法人おもと会大浜第一病院 沖縄県那覇市天久1000番地

(098)

866-5171

 

2 独立行政法人国立病院機構沖縄病院 沖縄県宜野湾市我如古3-20-14

(098)

898-2121

 

 

3 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 沖縄県南風原町字新川118-1

(098)

888-0123

 
4 沖縄県立中部病院 沖縄県うるま市字宮里281番地

(098)

973-4111

 
5 社会医療法人友愛会友愛医療センター 沖縄県豊見城市与根50番地5

(098)

850-3811

レカネマブ治療は友愛医療センター脳神経外科で行いますが、適応のご相談は豊見城中央病院脳神経内科・脳神経外科へご相談ください。

※原則としてレカネマブに関する受診の際には紹介状が必要です。また、予約状況等によっては受診まで期間を要する場合もありますのでご了承ください。

※承諾を得られた医療機関のみ掲載しています。

 

 レカネマブの投与対象者は、軽度認知障害及び軽度の認知症とされていることから、早期診断・早期発見が非常に重要です。

 認知症が気になる方は以下の「認知症の相談・診断・医療など」の項目をご確認いただき、早めの相談をご検討ください。

認知症の相談・診断・医療など

認知症は、早期発見、早期受診・診断、早期治療が重要です

早期に対応することにより、次のようなメリットがあります。

  • 認知症のような症状が出ても、治る病気や一時的な症状の場合は回復が可能
  • アルツハイマー病の場合は、薬で進行を遅らせることができる
  • 脳血管性認知症の場合は、原因となる病気の再発防止などにより進行を止める可能性が高くなる
  • 病気に対する理解を深め、本人や家族が対応を工夫することで、症状が軽くなることがある
  • 障害が軽いうちに障害が重くなった時に備え後見人を決めておくなど、認知症であっても自分らしく暮らし続ける準備ができる

地域包括支援センター

各市町村に設置されている地域包括支援センターは、地域住民の心身の健康保持と生活の安定のための必要な援助を行う機関です。認知症についても、それぞれの状況に応じ、適切な保健・医療・福祉サービス、機関、制度などの利用につなげる等の支援が受けられます。

認知症疾患医療センター

認知症疾患医療センターは、地域の認知症医療の拠点として県が指定した病院等です。

認知症疾患に関する鑑別診断、治療、専門医療相談等を実施しています。相談は無料となっています。

認知症サポート医

認知症サポート医とは、認知症患者の診療に習熟し、かかりつけ医への助言・支援を行い、専門医療機関や地域包括支援センター等との連携の推進役となる医師です。沖縄県では令和6年5月現在、163名の医師を登録しています。

※認知症サポート医の方で名簿に記載された情報に変更等のある方は、次の様式に必要事項を記載の上、提出をお願いします。

かかりつけ医認知症対応力向上研修を修了した医師

かかりつけ医認知症対応力向上研修(日頃、高齢者が受診する診療所等の主治医(かかりつけ医)に対し、適切な認知症診断の知識・技術や家族からの話や悩みを聞く姿勢を修得するための研修)を修了した医師のうち、同意をいただいた医師の情報を掲載しています。

※かかりつけ医認知症対応力向上研修を修了された方で名簿に記載された情報に変更等のある方は、次の様式に必要事項を記載の上、提出をお願いします。

若年性認知症支援コーディネーター

認知症は、一般的には高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症した場合は、「若年性認知症」とされます。若年性認知症は高齢期と異なる支援が必要であるため、県では、若年性認知症に特化した相談窓口を医療機関に委託して設置しています。

お問い合わせ先】

特定医療法人アガペ会 新オレンジサポート室
若年性認知症支援コーディネーター
〒901-2202 沖縄県宜野湾市普天間1-9-3 新オレンジサポート室
電話098-943-4085 ファクス098-943-4702

若年性認知症 コールセンター

若年性認知症に関する相談を受け付けています。

受付日時 月曜日~土曜日(年末年始・祝日除く) 10時00分~15時00分 ただし水曜日10時00分~19時00分
電話番号 0800-100-2707
※全国どこからでも無料で相談できます。
※メールでのご相談は、下記のホームページへアクセスしてください。(匿名での相談が可能です。)
 

認知症に関する研修など

認知症の人と家族の会の活動

認知症の本人や家族などが、認知症について情報交換を行ったり、交流するなどの活動を行っています。

認知症になっても暮らしやすい地域づくり

認知症の啓発

認知症サポーターの活動

認知症になっても、周囲の理解と気遣いがあれば、自分らしく地域で暮らし続けることは可能です。

そのため、認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人と家族への応援者となる「認知症サポーター」を全国で多数養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指す取組みが展開されています。

高齢者の見守り活動

県では、認知症高齢者等の見守り体制の強化と行方不明時の早期発見に向けて、認知症高齢者等の見守り・SOSネットワークの構築を推進しています。

身元不明の認知症高齢者等に関する情報

県内において、身元不明のまま保護されている方の情報を掲載しています。

市町村認知症施策の取組状況

令和4年度及び令和5年度当初認知症総合支援事業等実施状況調べ

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 保健医療介護部 地域包括ケア推進課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2行政棟3階(南側)
電話:098-894-2152 ファクス:098-862-6325
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。