平成24年第8回議会(11月定例会)で可決された意見書・決議

ページ番号1020887  更新日 2024年1月11日

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意見書3件

議決年月日

件名

議決の結果

備考

平成24年12月20日 B型・C型肝炎患者の救済に関する意見書 原案可決 全会一致
平成24年12月20日 沖縄戦遺族のDNA鑑定実施を求める意見書 原案可決 全会一致
平成24年12月20日 北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める意見書 原案可決 全会一致

B型・C型肝炎患者の救済に関する意見書

我が国にはB型肝炎150万人、C型肝炎200万人の感染者・患者がいると推定され、その大半は集団予防接種や治療時の注射器の使い回し、輸血、血液製剤の投与などの医療行為による感染が原因とされている。

このような中、平成22年1月に感染被害を招いたことに対する「国の責任」と、肝炎患者を救済する責務を明記した肝炎対策基本法が施行されたが、今なお多くの患者が肝炎の進行と高い医療費負担や差別などに苦しめられ、毎日約120人もの肝炎患者が亡くなっている。

一方、肝炎患者に対する支援として、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」及び「特定B型肝炎ウイルス感染者被害者給付金等の支給に関する特別措置法」を成立させ、裁判を通して補償・救済される仕組みができた。

しかし、カルテや明確な証明が必要なため、救済される患者はほんの一握りにすぎず、C型肝炎患者の9割以上を占める注射器の使い回しや輸血が原因の患者や、B型肝炎患者のうち、母子感染ではないとの証明ができない者に対する補償・救済の仕組みは確立されていない。

また、肝炎治療費そのものへの支援策がないため、医療費が払えずに治療を断念せざるを得ず、重症化し、命の危険にさらされる患者も少なくない。

このように現行法によって法的救済、補償を受けられる患者はごく一部であり、B型・C型肝炎患者に対して、国が感染被害を償い、安心して治療を続けられるよう、肝炎治療と生活を支える公的支援制度を確立することが求められている。
よって、国会及び政府におかれては、肝炎対策基本法に基づいて、医原病によるB型・C型肝炎患者を救済するため、下記の事項について速やかな措置を講ずるよう強く要請する。

1 肝炎対策基本法に基づき患者救済に必要な法整備、予算化を進め、B型・C型肝炎患者に対する適正な救済策を実施すること。
2 肝炎治療薬、検査費、入院費等の肝炎治療費への公的支援制度を確立するとともに、肝硬変、肝がん患者への障害手帳の交付基準を改善し、肝炎対策基本法が定めたB型・C型肝炎による肝硬変、肝がん患者への特別な支援策を講じること。
3 治療体制・治療環境の整備、治療薬・治療法の開発、治験の迅速化などを図ること。
4 肝炎ウイルスの未検査者、ウイルス陽性者の未治療者の実態を調査し、早期発見・早期治療につなげる施策を講ずるとともに、B型・C型肝炎への偏見差別の解消、薬害の根絶を図ること。
5 医原病であるB型・C型肝炎による死亡者には一時金を、感染者・患者には健康管理手帳・支援金を支給する法制度を確立し、持続的に治療を続けられる環境を整備すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年12月20日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
法務大臣
厚生労働大臣

沖縄戦遺族のDNA鑑定実施を求める意見書

平成23年7月7日、厚生労働省は沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の要請に対し、戦没者の遺骨の身元を特定して遺族のもとへ帰すため、沖縄戦戦没者の遺骨については、全てDNA鑑定を行うと回答した。

しかし、実際に遺族のもとへ帰すためには、沖縄戦全戦没者遺族側のDNA鑑定の作業を行う必要があり、遺骨と遺族の両方のDNA照合が必要となる。

このことは、日本において初めてのことではなく、シベリアで出土した遺骨に対しては全遺族にDNA鑑定への参加を呼びかけ、800体余の遺骨が遺族のもとに帰ることができた。

これまでに出土した戦没者の遺骨は、記名のある遺品を伴っていなければ身元の特定につながらず、しかも、兵隊ですら記名遺品を伴う出土は5%未満であり、住民に至っては皆無である。住民の戦死者の遺骨が遺族のもとへ帰るためには、DNA鑑定を行うしかない。

よって、戦没者の遺骨を遺族のもとへ帰すため、そして国家が国民を戦死させた責任を果たす意味でも、沖縄戦遺族のDNA鑑定を早急に実施するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年12月20日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣

北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める意見書

平成14年、北朝鮮は日本人の拉致を認め、我が国の拉致被害者5人とその家族の帰国が実現した。しかし、その後10年の歳月が経過したが、5人の帰還以外全く進展が見られない。拉致問題は重大な主権侵害であり、かつ許しがたい人権侵害である。

政府は、現在、この5人を含めた17人を北朝鮮による拉致被害者として認定しているが、認定された被害者以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない人たちが存在している。これらの方々を含む全ての拉致被害者の帰国を待ち望んでいる御家族の高齢化が進んでいることから、一刻も早い問題の解決が求められている。

平成18年以降、政府は首相を本部長とする対策本部をつくり、担当大臣を任命して被害者救出に取り組んでいるが、いまだ具体的成果を上げることができないでいる。

昨年末、拉致の責任者である金正日総書記が亡くなり、金正恩氏が後継者に選出された。この機会に日本人拉致を認める契機になった日朝平壌宣言の基本的姿勢に立ち、互恵と協力による信頼関係を構築しながら、拉致問題の解決を図らなければならない。

よって、国会並びに政府におかれては、北朝鮮をめぐる情勢が大きく変化しているこの機を捉え、全ての拉致被害者の方々の一刻も早い帰国の実現に向け、全力で取り組むよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年12月20日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
拉致問題担当大臣

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