沖縄県駐留軍用地跡地利用対策沖縄県本部>跡地対策の経緯

○駐留軍用地跡地対策に係る経緯


平成7年6月 「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」施行

 沖縄県における米軍基地は、沖縄戦終結後、米軍が農地、宅地等の多くの民有地を強制的に接収して構築された歴史的経緯があります。
 現在もなお民有地の占める割合が非常に高いことから、駐留軍用地の地主は、駐留軍用地の賃借料を主な収入源として生計を立てざるを得ないなど、特殊な事情が本県の基地問題を複雑なものにしています。
 しかも、駐留軍用地が返還される場合は、わずか30日前の返還通知、細切れ返還、返還後の利活用が配慮されていない等の理由のため、駐留軍用地跡地は、広範かつ長期間にわたって遊休化し、駐留軍用地の地主は、経済的に困難な状況に陥ることが多かったのです。

 米軍基地の整理縮小を図ることは、今後の本県の経済社会の発展を図る上で大きな課題です。また、駐留軍用地跡地の有効利用が円滑に推進されない現状を抜本的に解決するためには、米軍基地を返還するに当たっての返還のあり方や返還後の補償、跡地の利用促進に関する問題等を、国の責任において適切に対処し、解決していくことが重要です。
 このようなことを背景に県は、1978年以来、「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」(以下「軍転特措法」という)の早期立法化を国に要望しました。
 その結果、軍転特措法は、議員立法として1994年6月に4回目の国会提案がなされ、「国の負担又は補助の割合の特例等」を削除する等法案の一部を修正のうえ可決され、1995年(平成7年)6月20日に施行されました。



平成8年12月 SACO最終報告(普天間飛行場が移設条件付きで返還合意)



平成11年8月 県知事から国等へ「駐留軍用地跡地の利用の円滑な推進に関する要望書」提出

 県は、関係市町村や土地連等の意見等を踏まえ、平成11年8月「駐留軍用地跡地の利用の円滑な推進に関する要望書」について、関係省庁、県選出国会議員へ要望した。
1 軍転特措法の改正について
 (1)「返還実施計画」で定める事項の追加
 (2)「給付金支給」要件の改正
 (3)「調査・測量」の早期実施
 (4)「国有財産の活用」の措置
2 駐留軍用地跡地利用促進のための新たな制度の確立について
 (1)駐留軍用地跡地等の利用促進のための行財政上の措置
 (2)駐留軍用地跡地利用の実施体制の整備



平成11年12月 普天間飛行場の移設に係る政府方針(閣議決定)
(「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」)

 閣議決定の内容
1 跡地利用の促進及び円滑化のための措置
(1)調整機関の設置
(2)共通措置
 ・「調査・測量」の早期実施への対応
 ・「国有財産の活用」の措置
 ・「返還実施計画に定める事項」の明示
(3)大規模駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特例措置
 ・国の取組にかかる方針の策定
 ・事業執行主体にかかる特例措置
(4)給付金支給にかかる特例措置
2 法制の整備
3 駐留軍従業員の雇用の安定の確保



平成12年5月 跡地対策準備協議会発足
(沖縄担当大臣、沖縄県知事、宜野湾市長で構成)
        
 国は、閣議決定に基づき、跡地利用の促進及び円滑化等の確実な実施を図るため、平成12年5月内閣官房長官・沖縄開発庁長官(平成13年6月の第4回跡地対策準備協議会より内閣府沖縄担当大臣)、沖縄県知事及び宜野湾市長で構成する「跡地対策準備協議会」を設置し、@普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等、A跡地利用の計画の策定及びその具体化の促進に向けて総合調整機能を果たす調整機関のあり方、について協議することとした。
普天間飛行場跡地利用計画策定に向けた取組を支援するため、国は、大規模駐留軍用地跡地利用推進費を新たに創設し、平成13年度から県の広域的な観点からの中南部都市圏調査、宜野湾市の都市マスタープランや地権者意向に関する調査等が実施されることとなった。



平成13年12月 「普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る取組分野ごとの課題と対応の方針についての取りまとめ」
(第6回跡地対策準備協議会)

 第6回跡地対策準備協議会において、9分野106項目にわたる「普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る取組分野ごとの課題と対応方針」が取りまとめられた。
 その中で、宜野湾市及び県は、平成13年度から普天間飛行場の跡地利用計画の策定に向けた具体的取組に着手し、3〜4年後を目途に跡地利用計画の基礎となる跡地利用の基本方針を策定に取り組むこと、また、再開発事業を迅速かつ的確に推進するため、跡地利用計画策定の進捗を踏まえ、事業実施主体、事業手法、機能導入等についてのより具体的な措置について検討を進めること等が示された。
なお、同方針は、普天間飛行場跡地をモデルケースとして取りまとめたものであるが普天間飛行場以外の跡地についても参考になるものとなっている。



平成14年4月 沖縄振興特別措置法制定
(駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置)

 沖縄振興特別措置法において「駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置」が盛り込まれ、国、県、跡地関係市町村の密接な連携の下、跡地利用の促進に努めるとの跡地利用の基本原則、財政上の措置その他措置を国の責務として講ずること、大規模跡地における国の取組方針の策定、大規模跡地又は特定跡地における給付金支給に関する特例措置等が規定された。

※沖縄振興特別措置法(第7章)の概要

1 駐留軍用地跡地の利用に関する基本原則等(第95条〜第97条)

 (1) 国、県、跡地関係市町村の密接な連携の下、跡地の有効かつ適切な利用を促進するよう努めなければならない。(第95条:駐留軍用地跡地の利用に関する基本原則)
 (2) 国は、跡地の有効かつ適切な利用を促進するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。(第96条:国の責務)
 (3) 県、跡地関係市町村は、跡地の有効かつ適切な利用を促進するため、整備計画のその他の措置を講ずるよう努めなければならない。(第97条:地方公共団体の責務)

2 大規模跡地の指定等(第98条〜第102条)
 (1) 大規模跡地(市街地の計画的な開発整備を行うことが必要と認められ、かつ、原状回復及び開発整備に長期間を要し、沖縄の振興の拠点となると認められるもの)の指定(第98条)、国の取組方針の策定(第99条)、県総合整備計画の策定(第100条)を規定する。
 (2) 特定跡地(開発整備を行うに当たって原状回復に相当の期間を要し、計画的な開発整備が沖縄の振興に資すると認められるもの)の指定(第101条)、市町村総合整備計画の策定(第102条)を規定する。

3 大規模跡地給付金の支給等(第103条、第104条)
 (1) 大規模跡地の円滑な利用を促進し、市街地の計画的な開発整備に伴う所有者等の負担の軽減を図るため、返還日の翌日から引き続き3年を越えて、当該土地を使用収益していないときは、返還日の翌日から3年を経過した日から、当該所有者等の申請に基づき、大規模跡地給付金を支給することとし、支給の限度となる期間その他必要な事項は、政令で定める。(第103条)

 (2)  特定跡地の円滑な利用を促進し、原状回復に相当の期間を要することに伴う所有者等の負担の軽減を図るため、返還日の翌日から引き続き3年を越えて、当該土地を使用収益していないときは、返還日の翌日から3年を経過した日から、当該所有者等の申請に基づき、特定跡地給付金を支給することとし、支給の限度となる期間その他必要な事項は、政令で定める。(第104条)

 ※沖縄振興特別措置法施行令(駐留軍用地跡地関係)の概要

1 大規模跡地の要件(第34条)
  ア 政令で定める規模は、300ha以上とする。
  イ 政令で定める要件は、次に掲げるものとする。
 (@) その土地が一団の土地であること。
 (A) その土地が既成市街地に隣接する土地であること。

2 特定跡地の要件(第35条)
 政令で定める規模は5ha以上とする。

3 大規模跡地給付金の要件(第36条)
 大規模跡地給付金の支給の限度となる期間は、大規模跡地おける市街地の計画的な開発整備等の見通しを勘案して、別に政令で定める期間とする。

4 特定跡地給付金の要件(第37条)
 特定跡地給付金の支給の限度となる期間は、特定跡地における原状回復に要する期間を勘案して、別に政令で定める期間とする。



平成14年7月 沖縄振興計画決定
(駐留軍用地跡地の利用の促進)

 沖縄振興計画において調整機関(「跡地対策協議会」、「跡地関係市町村連絡・調整会議」)を設置すること、また、跡地利用の促進に関する取組として、SACO最終報告で示された返還予定地等の跡地利用を迅速かつ円滑に進めるため、早期の跡地利用計画の策定、返還後の速やかな事業着手、迅速な原状回復措置、公共公益施設整備のための用地の先行取得などに取り組むこと等が示された。



平成14年8月 跡地関係市町村連絡・調整会議発足
        (沖縄県副知事、那覇市長、宜野湾市長、沖縄市長、恩納村長、金武町長、読谷村長、北谷町長、北中城村長で構成)
 跡地利用の促進に関する県と跡地関係市町村との連携及び「跡地対策協議会」への跡地関係市町村の意見の反映に関する連絡・調整を図るため、県と跡地関係8市町村で構成する跡地関係市町村連絡・調整会議が設置され、駐留軍用地跡地利用の促進に関する今後の取組について協議がなされた。



平成14年9月 跡地対策協議会発足(跡地対策準備協議会が移行)
         (沖縄担当大臣、沖縄県知事、跡地関係市町村の代表(宜野湾市長、北谷町長)で構成)

 第7回跡地対策準備協議会における協議に基づき、準備協議会を発展解消するかたちで引き続き沖縄担当大臣、沖縄県知事、跡地関係市町村の代表(宜野湾市長、北谷町長)で構成する「跡地対策協議会」が設置された。
 国、沖縄県及び跡地関係市町村がより一層密接に連携し、跡地利用に係る課題解決に向けた取組を進めていくことが了承された。
 第7回跡地対策準備協議会において、国、沖縄県、関係市町村間の事務レベルでの総合調整は、内閣府と連携しつつ沖縄県が中心的役割を担うことが了承されたことを受け、平成14年9月、沖縄県庁内に「駐留軍用地跡地対策沖縄県本部」を設置し、地元における取組を積極的に進めることとした。
 平成14年10月、沖縄県内の国の関係機関(沖縄総合事務局、那覇防衛施設局、外務省沖縄事務所)及び沖縄県の担当課長等で構成する跡地利用支援関係機関連絡会議が発足し、沖縄県内の関係機関が相互に密接な連絡・調整を図ることにより、跡地関係市町村連絡・調整会議等の取組を支援することとした。



平成14年10月 「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」政令改正(返還実施計画で定める事項の追加)

 平成11年12月の閣議決定及び平成13年12月の跡地対策準備協議会における「普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る取組分野ごとの課題と対応方針についての取りまとめ」を踏まえ、「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律施行令の一部を改正する政令」が平成14年10月に公布・施行され、返還合意後、速やかに策定する「返還実施計画」において、国の行う原状回復措置に関する事項を明確に定めることとなった。



平成15年2月 「跡地関係市町村連絡・調整会議」(第2回)開催

 普天間飛行場跡地利用の促進に関する取組や平成15年3月返還のキャンプ桑江北側地区、平成17年5月までに返還が予定されている読谷補助飛行場など8市町村、14施設の跡地利用の促進に向けた取組や課題等について協議がなされた。



平成15年10月 「キャンプ桑江北側地区等」が特定跡地指定

 沖縄振興特別措置法の施行後初めての本格的な返還として、平成15年3月に「キャンプ桑江北側地区等」が返還された。
 また、国は、平成15年10月に、同法に規定された特定振興駐留軍用地跡地(特定跡地)として、初めて指定した。



平成15年11月 「跡地関係市町村連絡・調整会議」(第3回)開催

 「キャンプ桑江北側地区等」の特定跡地指定や平成15年度内閣府関連予算として、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費が2億2千万円が計上されたこと等が報告された。
 また、普天間飛行場跡地利用基本方針やその他跡地の取組状況が報告されるとともに、埋蔵文化財発掘に係る補助基準の策定、公共用地の先行取得等の課題について協議がなされた。



平成15年12月 「跡地対策協議会」(第2回)開催

 「キャンプ桑江北側地区等」の特定跡地指定や第3回「跡地関係市町村連絡・調整会議」の協議内容等が報告された。
 また、普天間飛行場跡地利用基本方針やその他跡地の取組状況が報告されるとともに、跡地利用の促進に向けた国の支援、原状回復措置等の今後の方針について協議がなされた。
 


平成16年2月 「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」設置 

 第1回審議調査会では、基本方針策定の役割やその手順と体制、基本方針策定に際しての視点・留意点等について審議を行った。



平成16年3月 「キャンプ桑江北側地区等」土地区画整理事業認可



平成16年9月 「キャンプ桑江北側地区等」地権者へ引き渡し



平成17年2月 「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」(第2回)開催

 第2回審議調査会では、跡地利用の基本方向に係る論点や課題について、検討委員会での意見、関連調査の成果、県民意向調査等における意見をもとに整理した資料について審議を行った。
 また、普天間飛行場の跡地利用に係る県民意向調査(H16.10.15からH16.11.15)、県民フォーラム(H16.11.1、約400名参加)の実施報告を行った。



平成17年11月 「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」(第3回)開催

 第3回審議調査会では、「基本方針策定に係る指針」の紹介、基本方針策定に向けたこれまでの取組として、県民意向調査(H17.8.1〜H17.8.31)、県民フォーラム(H17.8.9)等の報告を行った。
 また、これらの取組に基づく県民意向を踏まえて作成した基本方針(原案)について審議を行い、承認された。



平成18年1月 「キャンプ桑江北側地区等」の特定跡地給付金の支給の限度となる期間を定める政令制定



平成18年1月 「沖縄県軍用地跡地利用促進連絡協議会」開催



平成18年2月 「跡地関係市町村連絡・調整会議」(第4回)開催 

 跡地関係市町村連絡・調整会議の構成員として、新たにうるま市長を追加した。また、「跡地対策協議会」の構成員となる跡地関係市町村長の代表として、宜野湾市長と北谷町長を再任した。
 「キャンプ桑江北側地区等」の特定跡地給付金の支給の限度となる期間を定める政令の制定、平成18年度内閣府関連予算概算額として、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費が2億2千万円計上されたこと等が報告された。
 また、普天間飛行場跡地利用基本方針の策定に向けた取組状況やその他整備予定跡地の取組状況を報告するとともに、跡地対策に係る共通の課題と今後の取組方針について協議がなされた。



平成18年2月 普天間飛行場跡地利用基本方針策定



平成18年2月 「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」(第4回)開催

 第3回審議調査会以降の取り組みの経過、パブリックコメントの結果に関する報告を行うとともに、これらを踏まえ、宜野湾市、県のそれぞれの決裁を経て、「普天間飛行場跡地利用基本方針」を共同で策定した旨の報告を行った。
 また、跡地利用の実現に向けた今後の取組についての概略の手順を説明し、今後の継続的な取り組みの必要性を確認した。



平成18年4月 「キャンプ桑江北側地区等」の総合整備計画を策定

 平成15年10月に、沖縄振興特別措置法第101条第1項の規定に基づく特定振興駐留軍用地跡地(特定跡地)として、初めて指定された「キャンプ桑江北側地区等」について、北谷町長が同法第102条の規定に基づき総合整備計画を策定した。



平成18年5月 在日米軍再編協議に関する日米安全保障協議委員会(2+2)の最終合意



平成18年5月 在沖米軍再編に係る基本確認書を交わす  



平成18年5月 在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について(閣議決定)



平成19年5月 「沖縄県軍用地跡地利用促進連絡協議会」開催



平成19年5月 「普天間飛行場跡地利用計画の策定に向けた行動計画」を策定



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