議会提案説明(平成31年第2回沖縄県議会定例会)(Ⅱ平成31年度の施策の概要)

ページ番号1001643  更新日 2024年1月11日

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知事提出議案説明要旨
(平成31年2月13日提出 沖縄県)

Ⅱ平成31年度の施策の概要について

次に、平成31年度における施策の概要について、御説明申し上げます。

第1は、「経済分野」に関して新時代沖縄の到来の視点であります。

「自立経済発展資源の創出」について申し上げます。

持続的な県経済の成長・発展に向け、アジアの活力を取り込み、インフラの整備や海外におけるビジネス・ネットワークの連携強化、貿易、観光などアジアとの経済交流に向けた取組を効果的、効率的に進めてまいります。

また、自然環境、文化資源、スポーツ、農林水産物などをはじめとする産業資源の高付加価値化を推進し、各産業分野において沖縄ブランドの確立を図ります。

先端IT技術を各産業へ導入し産業の高度化を推進する人材の育成等に取り組むとともに、企業の海外展開を牽引するグローバル人材、新たな産業の創出を牽引する起業家人材及び県内産業の新たな成長に資する人材の育成等を推進いたします。

「社会資本・産業基盤の整備」について申し上げます。

2019年度末の供用開始に向け那覇空港滑走路増設事業を促進し、同空港の機能強化を図ります。
さらに、県内経済界等とも連携して同空港に求められる将来の姿を描き、一層の機能強化及び拡充に取り組んでまいります。

那覇港については、総合物流センターにおける集貨・創貨の促進及び臨港道路の整備を推進します。
中城湾港については、航路の拡充や産業支援港湾整備を進め、クルーズ船の受入れについても、物流機能との共存を図り、持続可能な受入体制の構築に取り組みます。
本部港については、物流、人流機能の向上を図り、大型クルーズ船の寄港に対応する岸壁等の整備を推進します。

幹線道路網については、那覇空港自動車道及び沖縄西海岸道路の整備を引き続き促進するとともに、南部東道路等の整備、本島の南北軸と東西軸を結ぶ「ハシゴ道路ネットワーク」の早期構築に取り組みます。また、県道浦添西原線の整備を推進します。

沖縄都市モノレールの首里駅から沖縄自動車道西原入口までの延長整備を推進し、平成31年の開業を目指してまいります。

「沖縄らしい観光リゾート地の形成」について申し上げます。

沖縄のソフトパワーを活用した世界水準の観光リゾート地の形成に取り組むとともに、沖縄観光ブランド「Be.Okinawa(ビーオキナワ)」を推進し、2021年度までに観光収入1兆1,000億円、入域観光客数1,200万人の達成を目指します。
このため、観光戦略実行会議を活用し、観光の質向上、地元収益の創出・拡大による観光関連産業の所得向上を目指します。

また、人材育成と受入体制の強化を図るため、観光・環境協力税(仮称)の導入及び「観光基金」の設置に向けた検討を進めてまいります。

南西諸島周遊クルーズの誘致、フライアンドクルーズの促進、クルーズ展示会の誘致などを柱とした「東洋のカリブ構想」を強力に推進してまいります。

また、国内有数の国内航空路線網と拡大する国際航空路線網を活かし、経由便を活用した欧・米・豪からのトランジット客の誘致を強化するとともに、国内はもとより、台湾、香港等アジアの観光地と連携し、沖縄をアジア、日本を周遊する中継地の一つとすることを促進する「国際旅客ハブ」の形成を図ります。

宿泊業及び観光産業従事者の外国語対応力の強化、医療受入態勢の充実など外国人観光客が安心して沖縄観光を楽しむことができる環境整備を推進してまいります。

首里城をはじめとした「琉球王国のグスク及び関連遺産群」についての適切な観光活用を推進するとともに、文化芸能、生活文化、地域文化などの魅力を観光資源として活用してまいります。

農林水産業と連携したグリーン・ツーリズム、森林ツーリズムなどの体験交流型観光を推進します。

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、県出身選手の育成や聖火リレーの取組のほか、事前キャンプの誘致など、スポーツコンベンションを推進するとともに、Jリーグ規格スタジアムの整備やプロスポーツとの連携を図るなど、スポーツツーリズムの推進に取り組みます。

「産業の振興と雇用の創出・安定」について申し上げます。

沖縄と首都圏・アジアを直結する国際情報通信ネットワークなどのインフラを活用したビジネスの展開を支援してまいります。

また、観光とテクノロジーを組み合わせたResorTech(リゾテック)の提唱及び推進、先進的なITを活用した産業活性化施策の実施等により、県内情報産業の高度化を図るとともに、更なる企業集積のためアジアITビジネスセンターを整備するなど、アジア有数の国際情報通信拠点の形成を目指します。

また、賃貸工場の整備や国際航空物流の拡充等を進め、アジアをつなぐ国際競争力ある物流拠点としての機能を強化し、臨空・臨港型産業の集積を促進してまいります。

沖縄物産フェアの拡充や県内企業の販路開拓の支援等により、県産品の県外、アジア市場への販路拡大、販売促進を図ります。

さらに、海外ネットワークを活用し、観光誘客、県内企業の海外展開、投資促進等、戦略的に施策を展開してまいります。
沖縄からアジアへ展開するビジネスモデルを創出し、商流・物流機能の拡充を図ることで、全国特産品を迅速にアジアへ届ける流通プラットフォームの構築を推進します。また、国内最大級の個別マッチング型国際商談会「沖縄大交易会2019」を民間と共同で開催します。

再生医療等の研究を通じて先端医療技術の研究基盤を強化するとともに、産学共同による研究開発等を支援し、国際的な先端医療拠点の形成を推進してまいります。

また、沖縄の生物資源や地理的優位性等を活かした医薬品、医療機器、機能性食品等の研究開発及び事業化を推進します。

企業誘致については、国際物流拠点産業集積地域や情報通信産業振興地域、経済金融活性化特別地区等の特区や各種税制優遇措置などを活用し、半導体や電子部品製品関連などの高付加価値製品を製造する分野、航空関連産業分野及び医療機器製造関連産業をはじめとする先端医療・健康・バイオ分野を中心とした産業の集積を図ります。

沖縄振興特別措置法及び復帰特別措置法に基づく各種税制措置の延長及び拡充に向けて、経済界と連携して取り組んでまいります。

県内ものづくり産業の振興については、付加価値の高い製品開発、基盤技術の高度化及び県内発注の促進に取り組むとともに、先端技術導入を図るための県内外研究機関との連携や技術交流を推進してまいります。

泡盛製造業については、リーディング企業の育成や経営が厳しい酒造所に対する改善支援など、経営状況に応じた総合的な支援策を展開するとともに、国との連携による海外輸出を促進してまいります。

伝統工芸産業については、後継者育成や原材料の安定確保、市場ニーズに対応した製品開発等に取り組むとともに、「工芸の杜(仮称)」の2021年度供用開始を目指し、整備を進めてまいります。

中小企業・小規模事業者の支援については、各支援機関や市町村等と緊密に連携し、経営革新や創業の促進、経営基盤の強化、資金調達の円滑化などへ総合的に取り組みます。また、事業計画の策定支援、後継者への事業承継、生産性向上への取組など、近年新たな役割を求められている商工会・商工会議所等の支援体制強化に取り組むとともに、市町村と連携した商店街への支援等を実施し、県内商業の活性化を図ります。

クリーンエネルギーの推進については、沖縄の地域特性を活かした再生可能エネルギーの普及拡大を図るとともに、島しょ型エネルギー技術開発や、関連企業の海外展開を促進します。

雇用の安定については、若年者等の離職率の高さや求人と求職のミスマッチ等の課題に引き続き取り組んでまいります。

雇用の質の改善については、優れた人材育成の取組を行っている企業の認証制度の更なる活用を促進するとともに、ワーク・ライフ・バランスの推進、正規雇用の拡大、働きやすい環境づくりなどに取り組む企業に対し、各種支援施策を展開し、県民所得の向上、ひいては子どもの貧困の解消につながるよう取り組んでまいります。

また、人手不足については、処遇の改善など労働環境の整備を業界に促すとともに、外国人材の活用などについても、全庁的に各業界の取組を促進してまいります。

「農林水産業の振興」について申し上げます。

本県の農業産出額は、2年連続で1千億円台を達成するなど好調を維持しております。引き続き農林水産業の振興を図るため、戦略品目による拠点産地の形成、おきなわブランドの創出を目指した研究開発、生産基盤の整備、6次産業化、販路開拓などに積極的に取り組みます。

また、島しょ県における流通条件の不利性の負担を軽減するため、引き続き輸送コスト低減対策を推進するほか、中央卸売市場における機能の強化を図ります。

農地利用については、農地中間管理機構等を通じて、新規就農者や法人経営体などの担い手の農地利用拡大に取り組みます。

畜産業については、経営基盤の強化、飼料コスト低減対策及び牛乳の安定供給に向けた生産供給体制の強化を推進してまいります。

林業については、環境保全に配慮した森林施業を実施し、県産木材の安定供給や特用林産物の生産拡大を図ります。

水産業については、新規漁業就業者を対象とした漁具等の漁業経費の支援などを実施し、漁業就業者の確保及び育成に取り組んでまいります。

また、市場・流通機能の強化のため、糸満漁港への荷さばき施設、加工施設等の一体的整備を実施します。

漁船が自由かつ安全に操業できる漁場を確保するため、ホテル・ホテル訓練区域における使用制限の解除対象水域の拡大及び対象漁業の拡充や、日台漁業取決め及び日中漁業協定等の見直しを求めるとともに、日台漁業取決めの影響緩和のための基金を活用し、漁業者の安全操業の確保や水産経営の安定化など、水産業の振興に取り組みます。

国際貿易交渉については、TPP11(イレブン)及び日EU・EPAが発効したことから、TPP等対策予算を措置し、農林水産業の体質強化対策や経営安定対策に取り組んでまいります。

第2は、「平和分野」に関して誇りある豊かさの視点であります。

まず、「国際交流・協力の推進」について申し上げます。

昨年8月に開催された第1回グローバルグリーンアイランドサミットを踏まえ、島しょ地域が直面する環境に関する課題解決等に向け協力して取り組んでまいります。

10月30日の「世界のウチナーンチュの日」を中心に、県内外や世界各地で様々な活動が展開されるようウチナーネットワークの継承及び発展に向けた取組を推進してまいります。

また、県内の中学・高校で国際協力出前講座を実施するとともに、JICA沖縄と連携して、県内の高校生を開発途上国に派遣し、将来の国際協力を担う人材を育成します。

「基地問題の解決と駐留軍用地の跡地利用」について申し上げます。

米軍基地に起因する相次ぐ事件・事故は、県民に大きな不安を与えております。
これらの事件・事故の背景には、日米合同委員会の在り方を含めた日米地位協定が根幹にあることから、同協定の抜本的な見直しとともに、軍属に関する補足協定の実効性ある運用、環境補足協定に関連する調査の判断基準等の明確化などを国に求めてまいります。

県としては、引き続きオスプレイの配備撤回を求めるとともに、米軍機による事故等が発生した際の政府の対応に県の考えを反映させるため、政府、米軍及び沖縄県を構成員とする新たな協議会の設置などを国に求め、県民の懸念や不安の払拭を図ってまいります。

辺野古新基地建設問題については、法令に基づく権限のほか、辺野古新基地建設に反対する県民世論及びそれを踏まえた私の考えを広く国内外に伝え、理解と協力を促してまいります。

県は、政府が普天間飛行場の危険性を放置することのないよう、同飛行場の運用停止を強く求めてまいります。

また、沖縄の基地問題の解決に向け、米国側の理解と協力を求めることが重要であると考えております。引き続き、米国ワシントンD.C.に設置した駐在員を活用し、米国内での情報収集及び情報発信、国連との連携や有識者と連携した会議の開催及び連邦議会関係者の沖縄への招へいに取り組んでまいります。

牧港補給地区については、7年以内の全面返還に向けて、引き続き、政府と調整を進めてまいります。

普天間飛行場をはじめとした返還予定地について、関係市町村等と連携し、跡地利用計画の策定を促進します。

戦後処理問題については、不発弾処理の早期解決に取り組むとともに、沖縄戦の戦没者の遺骨収集の加速化を図ります。

所有者不明土地問題について、抜本的解決に向けた取組の加速化とともに、県民の貴重な財産として有効活用が図られるよう、国に求めてまいります。

「沖縄から世界へ、平和の発信」について申し上げます。

平和を希求する「沖縄のこころ」を世界に発信するため、沖縄平和賞の意義を国内外に広める取組を行うとともに、国際的な視点で平和構築について考える機会を提供するためのワークショップや、県内で平和活動の支援に取り組む団体等を表彰する事業を実施します。

また、平和の礎への刻銘や平和祈念資料館における戦争体験の記録等を通じて、戦争の歴史的教訓を次世代に継承するなど、恒久平和の実現に向けて取り組んでまいります。

第3は「生活分野」に関して沖縄らしい優しい社会の構築の視点であります。

「地域力の向上・くらしの向上」について申し上げます。

地域の課題解決に向けて、県民がボランティア、NPO活動などへ主体的に参加できる仕組みづくりや、県民や地域組織、企業等の多様な主体が連携した取組を促進します。

民生委員・児童委員の充足率向上と活動の活性化を図るとともに、適切な福祉サービスが利用できる体制の構築を推進します。

「世界に誇る沖縄の自然環境を守る」について申し上げます。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の確実な登録に向け、国等と連携を更に強化し、希少種の保護や外来種対策など、自然環境の保全に取り組みます。

沖縄県自然環境再生指針を踏まえた再生事業の市町村への普及・支援等や、サンゴ礁保全に向けた白化対策、オニヒトデ対策などに取り組み、自然環境の保全・再生・適正利用を図ります。

生物多様性の保全上重要な情報収集・調査研究・教育普及の拠点となる「国立自然史博物館」の誘致の取組を進めてまいります。

絶滅が危惧されるジュゴンの生息状況等の調査を継続し、保護施策の在り方など、希少生物の保全に向けた取組を推進します。

また、犬猫殺処分ゼロから廃止に向け、命が尊重される動物愛護の取組を進めてまいります。

亜熱帯の特性を活かした沖縄らしい花と緑の景観形成等を目指し、全島緑化を推進します。

公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の平成31年度供用開始を目指し、適正な廃棄物処理を推進してまいります。

赤土等流出防止対策については、農地等の各種発生源対策の強化など総合的な取組を推進します。

「歴史と誇りある伝統文化の継承と発展」について申し上げます。

各地域において大切に受け継がれてきた沖縄(ウチナー)文化の根底をなすチムグクルを育むため、「しまくとぅば普及センター」の取組を充実・強化するとともに、組踊、琉球舞踊、沖縄芝居などの伝統文化の後継者育成や基盤を強化し、これらのアーカイブスの活用を促進するなど、国内外への発信力の強化を図ります。

沖縄の伝統文化である空手を保存・継承・発展させるため、指導者・後継者の育成を図り、沖縄空手会館を拠点に「空手発祥の地・沖縄」を国内外に発信するとともに、空手に関わる方々の受入体制を強化し、交流人口の拡大を図ります。あわせて、ユネスコ無形文化遺産への登録や、沖縄空手国際大会の定期開催等の取組を通じ、沖縄空手振興ビジョンで
示す将来像の実現に向け取り組んでまいります。

「医療の充実・健康福祉社会の実現」について申し上げます。

2040年までに平均寿命日本一を取り戻すため、働き盛り世代の健康に対する意識の変革を促すとともに、健康づくりを担う人材の育成及びその活動支援を行うなど、引き続き健康長寿復活プロジェクトを推進します。

また、「沖縄県歯科口腔保健の推進に関する条例」を制定し、歯科口腔保健対策の強化に取り組みます。

こども医療費助成制度については、未就学児を対象とする現物給付の導入を着実に実施するとともに、通院の対象年齢拡大に向けて、市町村との協議を進めます。

地域医療の強化を図るため、北部、離島地域の医師不足及び県内全域における医師の診療科偏在の解消に取り組んでまいります。

西普天間住宅地区跡地においては、国際性・離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点の形成を促進します。

また、生活困窮者への支援として、相談体制の充実及び地域における関係機関とのネットワークの強化に取り組みます。

障害のある人に対する誤解や偏見等をなくす取組を推進するとともに、手話の普及啓発、発達障害に対する地域支援体制の整備など、障害者の地域生活支援に取り組んでまいります。

「子育て・高齢者施策の推進」について申し上げます。

子どもの貧困対策については、「沖縄県子どもの貧困対策推進基金」を活用した就学援助等の充実を図るとともに、国や市町村と連携して、子どもの居場所や貧困対策支援員の活動支援に引き続き取り組むほか、専門的な支援が必要な子どものための拠点設置や、離島地域における支援強化などに取り組みます。

待機児童の計画的な解消や、多様なニーズに対応した子育て支援、保育サービスなどの充実を図るとともに、幼児教育・保育の無償化に市町村と連携して取り組みます。

また、児童養護施設等退所者へのアフターケア事業を実施するなど要保護児童への支援を強化します。
介護サービスの充実など、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを深化・推進するとともに、介護人材の確保対策の強化に取り組みます。また、入所待機者の解消に向け、特別養護老人ホーム等の施設整備の支援に取り組みます。

「安心・安全で快適な社会づくり」について申し上げます。

人に優しい交通手段の確保に向けて、基幹バスの導入を推進します。

住環境の整備については、県営大謝名団地等の建替を推進するとともに、民間住宅の省エネ化やバリアフリー化を図るため、住宅リフォームを促進します。

高齢者等の住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居支援を促進します。

我が国においては、昨年、記録的な集中豪雨や台風、地震などの多くの自然災害に見舞われ、改めて、日頃からの防災・減災対策の重要性を痛感する年となりました。

近年相次いだ大規模災害の教訓を踏まえ、県民の防災意識の向上と迅速な避難行動の確保を図るため、国、市町村、民間事業者等と連携した防災訓練を充実・強化するとともに、消防防災ヘリコプターの導入を推進するほか、災害時要配慮者に対する福祉支援体制を構築します。

また、災害対策の実施に当たっては、沖縄県地域防災計画に定める対応を関係機関が的確に果たすことが重要であることから、引き続き、国、県、市町村及び関係機関と連携を図ってまいります。

災害に強い県土づくりのため、老朽化した道路施設や海岸堤防等の改修や民間住宅、ホテル、病院などの耐震診断及び改修等に対する支援に取り組みます。

市街地の雨水浸水対策を促進し、下水道施設の整備拡張や計画的な更新、耐震化に取り組みます。

治水・浸水対策、土砂災害対策、高潮対策に取り組むとともに、治山対策による森林の維持・造成を推進し、潮風害の防止、山地災害復旧・予防及び生活環境の保全を図ります。

安全な水道水を将来にわたって安定的に供給するため、水道施設の計画的な更新や耐震化を推進します。

犯罪の起きにくい安全で安心な沖縄県を実現するため、地域ボランティア団体や関係機関等と連携した「ちゅらさん運動」を推進するとともに、通学路の安全対策を含む子どもや女性の安全確保、少年の非行防止・保護対策に取り組みます。

飲酒運転根絶に向けた県民意識の高揚を図るなど、交通ルールの遵守とマナーの向上を図り、交通の安全を確保するための取組を推進します。

また、サイバー空間における脅威等、社会情勢の変化に伴って多様化する様々な事象への的確な対処、犯罪被害者に対する支援活動の充実に向けた取組を推進します。

DV・ストーカーや性犯罪等の被害未然防止対策を強化するとともに、病院拠点型の「沖縄県性暴力被害者ワンストップ支援センター」を開所し、性犯罪・性暴力被害者に対する支援の充実を図ります。

消費者被害の未然防止と早期救済を図るため、市町村相談体制の充実と消費者への啓発等に取り組みます。

「離島力の向上」について申し上げます。

離島診療所への医師派遣、専門医による巡回診療を実施し、医療提供体制を確保するとともに、離島患者の経済的負担の軽減、離島航路及び航空路の交通コストの低減、離島からの高校進学等の支援など、離島の定住条件の整備に取り組んでまいります。

離島におけるガソリン価格・水道料金などの生活コスト低減に取り組むとともに、離島航路に就航する船舶の建造支援の拡充など、交通基盤の整備を推進します。

情報通信分野については、都市部と同等の情報通信環境の実現に向け超高速ブロードバンド環境の整備を進めるとともに、大東地区における情報通信基盤の高度化のため北大東島への新たな海底光ケーブルの敷設に取り組みます。

離島の主要産業であるさとうきびや畜産などの農林水産業の生産性向上や、担い手の育成・確保対策、製糖業の経営安定対策、地域の農林水産物を活用した6次産業化などを推進してまいります。

肉用牛生産の活性化を図るため、新たな担い手などが畜産経営に取り組むための賃貸型畜舎の整備を推進してまいります。

また、離島の農業経営の安定を図るため、農業用水確保等の農業生産基盤整備に取り組みます。

離島地域の港湾・空港施設の更新整備・機能向上をはじめ道路・公園などの社会基盤整備を推進します。

離島の重要性や魅力に対する認識を深めるため、沖縄本島と離島との地域間交流の促進や離島ならではの観光産業の振興など、離島地域の活性化を図ってまいります。

「教育振興」について申し上げます。

学校教育については、教員の指導力向上、授業の改善等により、小中学校の学力向上を図ります。

教員の更なる指導力の向上を図るため、引き続き正規教員率の改善に取り組みます。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等により、いじめ、不登校、深夜はいかい等の未然防止、早期発見及び早期解決に取り組みます。

給付型奨学金の実施など、大学等への進学を支援して進学率の向上を図ります。

また、欧米やアジア諸国等の海外の短期研修及び海外留学に、高校生を派遣するなど、引き続きグローバル人材の育成に取り組みます。

那覇市内への新たな特別支援学校の設置については、2021年度開校に向けて取り組み、障害のある児童生徒の教育の充実を図ります。

就学援助を必要とする児童生徒に支援が届くよう、周知広報を実施する取組を推進してまいります。

水産高校の大型漁業実習船の代船建造については、2021年の就航に向けて計画を進めてまいります。

特色ある教育を実践し、個性豊かな人材育成に貢献している私立学校を支援し、私学教育の充実、多様な人材の育成を図ります。

大学や専門学校等に進学の意欲がある所得が低い世帯の学生に対し、国と連携して、支援に取り組んでまいります。

また、家庭教育の充実を図る「やーなれー」運動充実事業を推進するとともに、地域住民等の参画による学習補助や学校支援、子どもたちの放課後の安全・安心な居場所づくりに取り組みます。

昨年12月に開館した新県立図書館が、誰もが気軽に利用でき、県民に親しまれる「知の拠点」として成長・発展できるよう取り組んでまいります。また、離島等図書館未設置町村における移動図書館の実施等により読書環境の充実を図ります。

「平成31年度全国高等学校総合体育大会」において、本県では8競技10種目が実施されます。円滑な競技運営に向け、会場地となる市町村等と連携を強化するとともに、本県高校生が活躍できるよう競技力の向上に取り組みます。

Ⅲ提出議案について

次に、甲第1号議案から甲第40号議案までの予算議案について御説明申し上げます。
平成31年度は、「重点テーマ」を踏まえ、沖縄の持つ優位性と潜在力を活かす施策を戦略的に展開するとともに、「沖縄県PDCA」等の反映及び「沖縄県行政運営プログラム」の推進により、一つひとつの施策・事業の効率性と実効性の向上に取り組む方針の下、必要な予算を計上いたしました。
その結果、平成31年度当初予算は、
一般会計において、7,349億4,500万円
特別会計において、2,548億9,477万円
企業会計において、1,184億5,558万円
の規模となっております。

また、平成30年度補正予算につきましては、国の補正予算などへの対応や事業の執行状況に応じた所要の補正を行うこととしており、一般会計において83億3,106万2千円の増額、15の特別会計において3億2,844万8千円の減額等を計上しております。これらの補正予算につきましては、先議案件として御審議を賜りますようお願い申し上げます。

次に、乙第1号議案から乙第35号議案までの乙号議案につきましては、条例議案が「沖縄県知事等の給与及び旅費に関する条例及び沖縄県特別職の秘書の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例」など24件、議決議案が「工事請負契約についての議決内容の一部変更について」など9件、同意議案として「沖縄県教育委員会教育長の任命について」など2件を提案しております。
このうち、乙第30号議案「指定管理者の指定について」など2件につきましては、先議案件として御審議を賜りますようお願い申し上げます。

以上をもちまして、今回提案いたしました議案の説明といたします。
慎重なる御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。

ユタサルグトゥ、ウニゲーサビラ。イッペーニフェーデービル。
タンディガー、タンディ。
シカイトゥ、ミーファイユー。

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