更新日：2015年3月27日

　

沖縄の雇用・労働環境の改善に向けた宣言

                            

 

　沖縄が将来にわたり、元気で活力あふれるものとなるよう、沖縄労働局、経営者協会、連合沖縄、沖縄県の四者で雇用・労働環境の改善に向け、強い決意をもって取り組むことを宣言しました。
　県民、企業、自治体、各団体等の皆様におかれましては、この宣言の趣旨をご理解いただき、積極的に雇用・労働環境の改善に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。

  

沖縄の雇用・労働環境の改善に向けた共同宣言

～「沖縄の人材力を活かした経済社会の持続的発展」のために～

 いま，沖縄の雇用をめぐる状況は，大きく変化しています。

平成26年の完全失業率は5.4％と20年ぶりの低い水準となり，有効求人倍率は0.69倍と過去最高値を記録しました。雇用情勢の改善に伴い，県内では人材不足感が広がっており，雇用の「ミスマッチ」の要因に的確に対応した取組が急務となっています。

 一方で，労働者を取り巻く状況は，依然として厳しいものがあります。

いわゆる正社員などの一般労働者の総労働時間は2,000時間を超える水準で推移していることに加え，常用雇用労働者の年次有給休暇の取得率は50％前後にとどまっています。また，職場の定期健診における有所見率は63.7％と3年連続で全国ワースト1の水準となっています。

こうした中，雇用の「質」の向上に向けた更なる取組が不可欠です。加えて，長時間労働を前提とした雇用慣行を根本から見直し，時間外労働の抑制や休暇の取得を推進するとともに，女性をはじめ全ての労働者が健康で安心して働き，また家庭での責任や地域への貢献を果たせるよう，柔軟かつ多様な「働き方」の実現に向けて取り組む必要があります。

 さらに，沖縄の将来を担う若者が安心して働ける環境の整備が重要です。

直近の統計では，15歳から29歳までの完全失業率は9.4％と高く，卒業後の無業率は高校卒で14.5％，大学卒で24.8％にのぼっています。また，35歳以下の雇用者の約2人に1人が非正規雇用であり，就職後3年以内の離職率も高校卒で61.7％，大学卒で48.6％と高止まりしています。

初期キャリア形成の段階で失業や無業の状態にあることは，本人のみならず経済社会にとっても大きな損失であり，正規雇用の拡大や企業内での人材育成，若者の職業意識の啓発などに引き続き取り組む必要があります。

 沖縄の将来人口は，とりわけ若者の人口についても，全国ほどの減少は予測されていません。このことは今後の沖縄にとって大きな強みであり，その人材力を最大限活かすため，いま，雇用・労働環境の改善に向けた取組を強力かつ総合的に進めなくてはなりません。企業にとっても，こうした取組により，人材の定着を通じた技術・技能の安定的な継承や，労働生産性の向上などの効果が期待できますし，また，取組が広がることで沖縄の経済社会の持続的発展にもつながると考えます。

 私たちは，本日の「沖縄県雇用対策推進協議会」において，以上の認識を共有するとともに，企業，自治体，各団体などとも連携しながら，県民・家庭・地域・企業が将来にわたり元気で活力あふれるものとなるよう，公労使それぞれの立場から，雇用・労働環境の改善に向け強い決意をもって取り組むことを，ここに宣言します。

 

平成27年3月24日　　

沖縄県雇用対策推進協議会 

　　　　　　　　　 沖縄県知事　　　　　　     翁長雄志 

　　　　　　　　　沖縄県経営者協会会長    安里昌利

 　　　　　　　　　日本労働組合総連合会沖縄県連合会会長       大城紀夫

 　　　　　　　　　沖縄労働局長　　　　         谷　直樹