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更新日:2012年10月12日
地域住民と農家が一体となって農業用施設の維持管理と農村環境の向上を行う「農地・水・環境保全向上対策」が平成19年度から本格的にスタートしました。
農村集落における豊かな土壌や農業用水は、食料の生産手段のみならず、その醸し出す雰囲気で多くの人々の心を和ませるなど、多面的な機能を持つ大切な資源です。
このような農村集落における資源を守っていくため、国、県、市(町)においては平成18年度より新たな取り組みがスタートしました。
農地、排水路、農道などの農業用施設に対し、農家と住民が協同して実施する維持管理作業、または花の植栽などの環境向上活動について、国、県、市(町)が活動資金を交付する制度です。
実施範囲に含まれる農用地面積で活動資金(支援交付金)の額が決定します。
10aあたり単価
例:畑60ha、草地40haの範囲を設定した場合の支援交付金額(600a×2,800円+400a×400円=1,840,000円)
農地や畦畔の草刈
排水路の泥上げ
農道の砂利補充
グリーンベルトの設置(赤土流出防止対策)
農地や農道への花の植栽など
草刈機等、機械の購入費用、またはリース料
砂利やセメント等の材料費
専門技術等の外注費用
花の苗などの購入費
構成員の研修費用
お茶菓子代
役員報酬、事務費など
この地域では、公民館が主体となって毎月第4日曜日は「農休日」として住民総出で草刈や清掃などの作業を行っており、共同作業が活発な地域である。これに加えて、集落内に花園をつくるなど、景観や生活環境に配慮した取り組みもなされている。
その一方で、防風林の管理など、農地に面している施設は各農家に任されており、高齢化などからその負担が大きくなっていることから、今回の事業を導入することで、共同で取り組む活動に含めていく。
なお、この地区では農業基盤整備が完了しており、パイプラインや沈砂池などの施設は土地改良区が主体として管理しており、今後も地域の受益者とともに維持保全活動を行っていく。
このように、現在行っている活動をさらに拡充することによって農村の持つ魅力を一層高めるとともに、住民同士の連携強化につなげていく方針である。
(資源量)
畑=60ha、草地=54ha、支援交付金=1,896千円
排水路=19,624m、パイプライン=37,788m、農道=13,020m、防風林=2,250m、沈砂池=4箇所
この地域は、公民館が主体となり農道や排水路の清掃などを住民総出で行っており、共同活動が活発な地域である。
しかし、活動に伴う必要機材のレンタル費用や運搬費用などが大きな負担となっている。この負担は、現在一部が市から助成されているが、厳しい財政状況の中それがいつまで享受できるのかは不透明な状況である。
また、土地改良などの事業によりきちんと整備された施設が少ないため、効率的な維持管理が難しいという面も抱えている。
このような状況であるが、住民による地域活動への意識は高く、今回の事業を実施することにより地域のことを地域で解決する力を一層強化していく方針である。
(資源量)畑=70ha、草地=36ha、支援交付金=2,104千円
排水路=700m、ため池1箇所、農道=8,720m、沈砂池=2箇所
石垣市における参加地区の位置図平成18年度のモデル事業の結果を受けて、平成19年度からは本事業が本格的に導入されました。
八重山管内においても、これまで2地区2団体だったものが9地区5団体に増加する予定です。
石垣市では、7地区を網羅した3団体が本事業に参加し、八重山の他町に先駆けて平成19年4月23日に各団地との協定を行いました。
参考→石垣市で農地・水・環境保全向上対策がスタートしました(平成19年4月23日)
5月には、与那国町でも同事業がスタートしました。
参考→与那国町でも農地・水・環境保全向上対策がスタートしました(平成19年5月10日)
波照間地域資源保全の会の位置図6月13日には竹富町においても協定式が行われ、八重山全体において本事業がスタートすることになりました。
参考→竹富町においても農地・水・環境保全向上対策がスタートしました(平成19年6月13日)
地域によっては既に活動がはじまっている団体もあり、本事業を有効に活用して農道の草刈やファームポンドの浚渫などを行いました。
本事業をとおして農業用施設の維持管理だけでなく、農家、非農家を問わず住民の皆さんのつながりを深めるきっかけとなることを期待しております。
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