更新日:2013年8月7日
レンタルビデオの高額な延滞料請求
【事例】
高校生の息子が、二カ月前に借りたレンタルビデオ二本が返却されていない、と債権回収代行業者より、息子あてに学校へ請求書のはがきが届いた。学校から連絡を受けて初めて知り驚いたが、延滞金を含め三万六千円の請求となっており、このままだとさらに別の業者へ取り立てが移るとある。息子に事情を聴くと、二本三百円のビデオを借り、二日遅れで返却に行ったが、延滞料四百円の持ち合わせがなかったので、ビデオを受け取ってもらえなかったという。
ビデオだけでも受け取ってもらい、延滞料は後から払うことにしてもらえば、このようなトラブルは起こらなかったのではないかと思う。
遅れたことは申し訳なく、延滞料の支払いは当然と考えるが、あまりにも高額ではないか。(40歳代・女性)
【処理結果】
センターからレンタルビデオ店に対し、今回の高校生の会員に対する請求書が、債権回収代行業者から学校へ送付されていることについて、問題があるのではないか問い合わせたところ、店の対応として延滞料を持たないで返却に来た場合、ビデオを先に受け取ってしまうと延滞料を持ってこないケースが多いため、苦肉の策として延滞料とビデオの同時返却を原則としている。
ただし、延滞料はその時点までしか請求せず、今回の相談者の場合も二日間の延滞料とビデオを早めに返してもらえば問題はなかった。
だが、その後連絡がなく、店から再三電話を入れても連絡がつかず、請求のはがきも数回送付したが返事がなかったので、やむを得ず代行業者へ依頼することになったとのこと。
しかし、高額な延滞料の請求が目的ではないとし、今回の場合、二本二千円の延滞料とビデオを返却してもらえばよい、との和解案に相談者が同意し、早急に返却することになった。
【アドバイス】
センターに寄せられるレンタルビデオ等の未返却による延滞料の相談については、ビデオ店から直接高額な延滞料の請求を受けたとの相談は多くはありません。
一定期間の経過後に債権回収代行業者より、書面やはがき等で十万円から三十万円などの高額な請求書が届く、あるいは、債権回収代行業者より電話で延滞料の請求を受けたが、言葉遣いが高圧的で乱暴であったなどの相談のほうが多く寄せられています。
このような請求を受け、延滞が事実であれば債権回収代行業者ではなく、ビデオ店と話し合うことですが、消費者がレンタルビデオ等を返却予定日までに返却しない場合、レンタルビデオ店では返却義務の不履行により、消費者に損害の賠償を請求することができます。
しかし、無制限に損害を認めるのではなく、専門家によると商品の再取得価格を上限とするとの考え方もあるようです。
また、日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合など業界団体は、モデル会員規約を制定し、延長・延滞の取り扱いについて上限額の自粛を定めています。
いずれにしても、借りたものは返すのが原則です。このようなトラブルを起こさないよう、返却予定日にきちんと返却するようにしましょう。
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