第8回沖縄平和賞受賞者(2016年)(認定)特定非営利活動法人難民支援協会

ページ番号1008326  更新日 2024年1月11日

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写真:難民支援協会での相談の様子
相談の様子

贈賞理由

(認定)特定非営利活動法人難民支援協会(以下「難民支援協会」という。)は、日本で増加傾向にある難民申請者数に対して認定数が少ないという状況の中で、難民を総合的に支援する必要性を感じた国際人権NGOアムネスティ日本のメンバーが中心となり、1999年に設立されました。
難民支援協会は、国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)の事業実施契約パートナーとして、「難民のためによりよい支援を実現すること」、「難民とともによりよい社会を作っていくこと」を目指して、様々な活動に取り組んでいます。
日本での活動としては、「法的支援」として難民認定申請手続きをサポートすることや、「生活支援」として難民一人ひとりに寄り添う個別相談や医療支援を行っています。「定住支援」として子どもたちへの日本語学習支援をはじめ、雇用された難民に対して日本語学習のフォローアップを実施しています。
また、難民に対する直接的支援だけではなく、「難民アシスタント養成講座」を定期的に開催して、学生・会社員・主婦等の幅広い層の人々に対して、難民への理解・関心を深める機会を設けるなど、広報活動にも力を入れています。
海外においては、「アジア太平洋難民保護ネットワーク」の創設メンバーとして、アジア・太平洋地域で、各国政府や難民保護に取り組む現地NGOとの会合を積極的に行い、国際的な連携・協力を目指しています。また、難民保護・受け入れ制度の改善を目指して、日本政府だけでなく国連機関に対しても政策の働きかけを行っています。
さらに東日本大震災の復興支援として、情報弱者となった難民への情報や物資の提供を行っただけでなく、ボランティアを募り、200名以上の難民が炊き出しに参加しました。実施した事業の中には、地元NPO等が引き継いで今なお継続中のものもあります。
難民支援協会の15年以上にわたる地道で包括的な活動実績と、事業の継続性を確保するための広報活動は、国民の平和意識の浸透に大きく貢献するとともに、アジア・太平洋地域の平和をつくりだす基盤力になるものと期待できます。
難民支援協会の人道的活動の根底にある「多文化共生社会の実現」の相互扶助の精神は、沖縄戦をはじめとした過酷な経験を有し、多文化を受容してきた沖縄の歴史的、文化的特性等に根ざして、恒久平和の創造に貢献するものとして創設された沖縄平和賞の理念に合致するものです。
沖縄平和賞選考委員会は、国内外において「平和・非暴力の実現」「人間の安全保障」「内発的多様性を基礎とした平和実現」を促進してきた難民支援協会を、第8回沖縄平和賞に最も相応しいものと評価して受賞者とすることに決定しました。戦後の廃墟と混乱から立ち上がり発展してきた沖縄から、難民支援協会の今後の一層の活動を期待します。

沖縄平和賞選考委員会

  • 委員長 小宮山 宏(株式会社三菱総合研究所 理事長)
  • 副委員長 仲地 清(国立台湾大学 客員教授)
  •  大城 肇(琉球大学学長)
  •  浅野 加寿子(元NHK放送博物館館長)
  •  小林 良彰(慶應義塾大学法学部教授)
  •  初瀬 龍平(京都女子大学法学部客員教授)
  •  モンテ カセム(立命館大学国際平和ミュージアム館長)

※肩書は当時

イラスト:沖縄平和賞のロゴマーク

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