第4次沖縄振興計画(抜粋)

ページ番号1017359  更新日 2024年1月11日

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第2章 振興の基本方向

1 基本的課題
(3) 基本的課題
第7に、沖縄の過重な基地負担の軽減や沖縄の振興を図る観点から、今後とも米軍施設・区域の整理・縮小に積極的に取り組む必要がある。そのためには、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告に基づき、在沖米軍の部隊・装備等の移転を含む米軍施設・区域のさらなる整理・縮小を計画的、段階的に進めていくとともに、国際情勢の変化に対応して、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくことが重要である。また、駐留軍用地跡地の有効利用については、円滑かつ迅速な対応が求められており、広域的な視点に立って、県土構造の再編も視野に入れた幅広い検討が求められる。米軍施設・区域内の環境保全対策の充実については、米国政府と引き続き協議していく必要がある。さらに、戦後処理問題についても、引き続きその解決に向けて取り組む必要がある。
3 基本方向
(6) 県土の均衡ある発展と基地問題への対応
沖縄に存在する米軍施設・区域の面積規模は、沖縄島において約19%を占めており、その返還跡地は、これからの沖縄振興を図る上で貴重な空間である。このため、SACO最終報告等で返還が合意された施設・区域については、計画的、段階的な返還及び跡地利用計画を策定することにより、良好な生活環境の確保、健全な都市形成、新たな産業の振興、交通体系の整備、自然環境の保全・再生等、21世紀のまちづくり、田園づくり等のモデルとなるよう整備を進める。
特に、普天間飛行場跡地については、中南部都市圏の枢要な位置にあることから、整備に当たっては、その役割・機能を明確にした跡地利用計画を策定し、今後の地域開発のモデルとなるよう取り組んでいく。

4 県土利用の基本方向
(3) 駐留軍用地跡地の有効利用
米軍施設・区域については、大規模かつ高密度に形成され、しかも沖縄の振興を図る上で重要な位置に所在し、県民の良好な生活環境の確保、都市の形成、体系的な道路網の整備等、社会経済の面で大きな影響を及ぼし、県土利用上の制約となっている。
このため、都市的利用が想定される駐留軍用地跡地については、周辺の土地利用との調整を図りながら、都市機能の計画的な再配置・高度化及び諸産業基盤の整備を進める。農林業的利用が想定される地域については、農林業基盤の整備を計画的に推進し、公共施設整備や集落整備を含めた総合的な整備を促進する。その他の駐留軍用地跡地については、自然環境保全を図るとともに、周辺の土地利用との調整を図りつつその有効利用を進める。

第3章 振興施策の展開
4 環境共生型社会と高度情報通信社会の形成
(4) 都市・農山漁村の総合的整備
ア 市街地の効率的な整備
地域や街を活性化するため、既成市街地における都市機能の更新、空洞化しつつある中心市街地の再構築、市街地内低・未利用地の活用を図る。また、駐留軍用地跡地と市街地との一体的な再開発を促進する。
6 多様な人材の育成と文化の振興
(6) 豊かな感性を育む文化の振興
イ 文化財の保護と活用
公共・民間の開発事業や駐留軍用地跡地の利用に伴う埋蔵文化財に関する調査、戦災等によって失われた文化財の復元・整備、海外に流出した文化財の調査及び返還等を推進する。
7 持続的発展を支える基盤づくり
(1) 交通体系の整備
ウ 陸上交通
その他の地域においては、地域間の連携をより強化するための県道、生活に密着した市町村道等の整備の促進や、生活交通バス路線の維持・確保を図るとともに、米軍施設・区域の返還に対応した交通ネットワークの整備を図る。
9 駐留軍用地跡地の利用の促進
駐留軍用地跡地は、良好な生活環境の確保、産業の振興、健全な都市形成、交通体系の整備、自然環境の保全・再生など、沖縄振興のための貴重な空間として、県土構造の再編を視野に入れた総合的かつ効率的な有効利用を図る。
また、県土の均衡ある発展を目指し、それぞれの地域特性を踏まえた跡地利用を促進する。
駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用は、沖縄の将来発展にとって、極めて重要な課題であることから、国、県及び跡地関係市町村の密接な連携の下、駐留軍用地跡地の利用の促進に向けて取り組む。

(1) 調整機関の設置
駐留軍用地跡地利用に関する基本原則に基づく具体的な枠組みとして、調整機関(「跡地対策協議会」(仮称)、以下「協議会」という。)を新たに設置し、駐留軍用地跡地利用の推進体制を整備・強化する。
協議会は、沖縄担当大臣、沖縄県知事及び跡地関係市町村長の代表で構成し、個々の跡地の課題に応じて、跡地利用計画の策定・具体化の促進に向けた国、県及び跡地関係市町村間の所要の協議、調整を行い、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用を促進する。
あわせて、県及び跡地関係市町村で構成する「跡地関係市町村連絡・調整会議」(仮称)を新たに設置し、跡地利用の促進に関し県と跡地関係市町村との連携を図るとともに、協議会への跡地関係市町村の意見の反映に関し連絡調整を図る。
(2) 駐留軍用地跡地の利用の促進に関する取組
SACO最終報告等で示された返還が予定されている駐留軍用地の跡地利用を迅速かつ円滑に進めるため、早期の跡地利用計画の策定、速やかな計画関連手続きの着手、返還後の速やかな事業着手、迅速な原状回復措置、公共公益施設の整備のための用地取得などに取り組む。
跡地利用の促進に当たっては、返還前から文化財や自然環境に配慮した取組を進めるとともに、跡地利用計画や事業計画等に対する地権者や地域住民との合意形成を図る。
また、駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染の除去や建物等の撤去などの原状回復措置を返還後迅速に実施するため、国は、日米合同委員会の返還合意後の早い段階から取組を進める。
特に、普天間飛行場の跡地利用については、大規模性や地理的位置などから、沖縄全体の振興に影響が及ぶものと考えられることから、国、県、宜野湾市が連携して、跡地利用の基本方針及び跡地利用計画の策定に向けて取り組む。また、跡地利用計画を踏まえ、再開発を迅速かつ的確に推進するため、事業実施主体、事業手法、機能導入等についてのより具体的な措置について、検討を進める。

第4章 圏域別振興の方向
1 北部圏域
(5) 駐留軍用地跡地利用の促進
SACO最終報告に示された返還予定施設である北部訓練場や、安波訓練場の跡地については、自然環境の適切な保全及び森林地域の保全・整備を進めるとともに、その資源を生かした活用を図る。
また、ギンバル訓練場の跡地については、その自然・地域特性を生かした整備を図る。
2 中部圏域
【現状と課題】
本地域は全域が都市計画区域に指定されているが、中央部の比較的平坦な土地を嘉手納飛行場や普天間飛行場等の広大な米軍施設・区域が占め、土地利用上大きな制約となっている。
【振興の基本方向】
本地域においては、普天間飛行場等駐留軍用地跡地の再開発を契機として、都市機能の再編・整備を行い、那覇市から石川市間において、活力と潤いのある連たんした都市圏形成を推進する。
広大な米軍施設・区域については、引き続き整理・縮小に取り組むとともに、それぞれの地域特性を生かした駐留軍用地跡地の有効利用を促進する。

(2) 普天間飛行場等駐留軍用地跡地の利用促進
SACO最終報告等に示された返還予定施設である普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧、キャンプ桑江、読谷補助飛行場等の跡地利用を促進する。
普天間飛行場については、約480haという広大な面積を有し、人口の集中する中南部の中央に位置するとともに、周辺都市地域と近接していることから、その開発が沖縄の振興に与える影響は大きい。
このため、跡地利用に当たっては、中南部都市圏における位置づけや、周辺市街地整備などに留意し、沖縄の振興をリードする高次都市機能の導入や基幹道路の整備等、総合的かつ計画的に進める。
また、都市的利用が想定されるキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧等の駐留軍用地跡地については、良好な住宅地や生活関連施設、行政サービス施設等の整備を進め、併せて地域商業の活性化を図り、職住近接のまちづくりを進める。
さらに、読谷補助飛行場、楚辺通信所及び瀬名波通信施設の駐留軍用地跡地については、公共施設整備や集落整備を含めた総合的な整備を促進し、個性豊かな田園空間の形成を図る。
3 南部圏域
(1) 都市機能の再編・再整備
那覇港湾施設の駐留軍用地跡地については、那覇空港、那覇港と隣接した特性を生かし、国際交流拠点にふさわしい交流空間の形成を目指す。

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