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更新日:2022年11月24日
平成15年、国の「世界自然遺産候補地に関する検討会」において琉球諸島が、候補地のひとつに選定されました。大陸との分離結合を繰り返しながら島々が成り立った地史があり、それを反映した多様で固有性の高い生態系を有することと絶滅危惧種の生息地として重要な場所であることが評価されたのです。
さらに平成25年の「奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会」において奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の4地域が推薦候補地として選定されました。これら4地域が一体となってはじめて世界自然遺産としての価値を有します。
亜熱帯照葉樹林の森は世界的にも数少なく、やんばる特有の生態系の基盤となっています。そしてやんばるの森には多くの希少な動植物が生息・生育しており「奇跡の森」と呼ばれています。
マングローブ林が広がる汽水域、そして海岸や河川沿いの湿地帯、さらに山地へ上がればそこは太古の昔から続く原生林が広がっており、人がほとんど足を踏み入れたことがない、まだ知られていない秘境が広がっています。
世界自然遺産への登録には、以下の3つの条件を満たすことが求められます。これらの条件を満たすことで「顕著な普遍的価値」を有する地域、即ち世界で唯一の価値を有する重要な地域として世界遺産への登録が認められます。
1以下の4つの「世界遺産の評価基準〈自然遺産〉(クライテリア)」の一つ以上を満たすこと。
2「完全性の条件(顕著な普遍的価値を示すための要素がそろい、適切な面積を有し、開発等の影響を受けず、自然の本来の姿が維持されていること)」を満たすこと。
3顕著な普遍的価値を長期的に維持できるように、十分な「保護管理」の体制が整っていること。
島という閉鎖的な環境で形成されてきた琉球諸島の生態系は、非常にもろく弱いものです。
その自然をわたしたちが保護・管理することで、次の世代にも同じ感動を伝えることができます。
マングースなどの海外や他の地域から持ち込まれた外来生物が、もともとその地域にいた生物に悪影響を及ぼさないよう、捕獲するなどの対策をとっています。
マング生物のロードキル(交通事故)発生防止のため、発生確認や情報交換を行いロードキル防止キャンペーンなど、県民へ注意を呼びかけています。
自然に触れることで、生物やその生態系について多くのことを学ぶことができます。自然を学ぶ時には生態系を壊したり乱してしまうようなものの持ち込み、持ち出しは避けましょう。自然を守るための様々な保全活動やボランティア活動があります。各団体へ問い合わせてみましょう。
訪れた後に残すものは足跡だけ、
持ち帰るものは思い出と写真だけにしましょう。
世界自然遺産に登録される為には、その資質を損なわないよう、法律等に基づいた保護措置が必要となります。国立公園やその他の保護区として適切に保全されることが求められています。
近年では特に、外来生物であるマングースやノネコなどによる捕食、ロードキル(交通事故)問題や密猟、盗掘、生息環境の悪化などが、固有種や希少種に影響を及ぼしています。これらの対策を引き続き効果的に行っていく必要があります。
国内外からこれまで以上に自然環境の保全に対する意識が高まるとともに、観光産業をはじめとした地域の活性化が期待できます。その一方、オーバーユース(過剰利用)により環境負荷が高まり、かけがえのない自然環境が劣化してしまうおそれもあります。登録後は地域社会の変化に対応し、観光利用の適正な管理、利用者のマナー向上、保全活動の活発化など、一人ひとりの意識や関わり方が重要となってきます。
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