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更新日:2021年2月18日
気持ちが沈む、笑顔がつくれない、気分が憂うつ、悲しい、落ち着かない、興味・関心がもてない
やる気がでない、死にたくなる
体がだるい、疲れやすい、食欲がない、体重が減った、眠れない、熟睡感がない
上記のような症状が、特に原因がわからないのに、2週間以上続いていたら「うつ病」の可能性があります。
うつ病は、だれでもなる可能性があり、決して珍しい病気ではありません。
厚生労働省が行った最近の研究では、日本人におけるうつ病の有病率は6.5%と報告されており、日本人の15人に1人はうつ病にかかる可能性があると考えられます。
気分(感情)、意欲、活動性の変化をきたす疾患です。
原因は不明ですが、遺伝的な素質やおかれている状況など、多くの要因が複合して起こると考えられています。
また、最近脳内神経伝達物質が、うまく働かなくなると、上記のような症状があらわれるようになることが、わかっています。
環境の変化 : 就職、転勤、転職、昇進、入学、結婚、出産など
失うことへの不安 : 失業、受験失敗、離婚、退職、子の独立など
喪失体験 : 家族や友人との死別、失恋など
身体へのダメージ : 病気、ケガ、交通事故など
うつ病はこころとからだの両方に症状があらわれます。
気分と情動 : 悲哀、絶望、劣等感、不安、心気的など
思路と思考内容 : 思考制止、貧困妄想、心気妄想、罪業妄想、自殺企慮など
行動異常 : 抑うつ性昏迷、動作緩慢、自殺企図など
睡眠障害、食欲不振、体重減少、自律神経失調など
※ 気分の日内変動、朝に気分が悪く、夕方から良くなることがある。
※ うつ病患者の気分や意欲の低下は、外見よりはるかに深刻です。
※ 小さいときから弱音を吐かない人。自分の問題は自分で解決するようしつけられた人。
※ 人によっては、努めて明るく振る舞おうとして笑顔さえ見せる。
※ 働き者で、働く事だけが楽しみというような人が、働く気力を失い苦しむ
十分な休養と薬物療法が必要です。
家族や上司に「気にしすぎ」「気の持ちよう」などと言われることが、あるかもしれませんが、うつ病は単なる気持ちの問題ではなく、脳内神経物質の働きが低下して起こる病気ですので、適切な治療が必要となります。
うつ病の治療は、抗うつ薬などの薬を服用することでよくなります。さらに、発症のきっかけとなった原因を取り除く必要があります。よって、服薬しながらさらに心身両面で十分な休養が必要となります。
うつ病かな?と感じたら、早めに医療機関に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
認知行動療法(CBT)
認知行動療法(CognitiveBehavioralTherapy,CBT)の基礎になる理論は、社会学習理論です。
<CBTの基本的な考え方>
人は今までの経験から学び取った「パターン」で考え、行動し、感じている。
考え(認知)、行動、気分の3つはお互いに影響しあっている。
認知や行動がどのように気分に影響しているかを知り、考えや行動を修正することで気分を回復することができる。
<うつ病CBTの目的>
気分を把握し否定的な思考と行動を
肯定的方向に修正していく
↓
うつ症状の改善
回復後も再発を防ぐ
新たな前向きの行動パターンを確立
<うつ病を改善するCBTの4つのポイント>
今の自分の気分について把握できる
マイナス思考を前向きに修正できる
楽しい体験のできる人間関係を増やせる
自己主張ができ、自分の長所がわかる
病気であることを認め、共感的態度で傾聴する。
休養することが大切であると伝える。怠けているなどプレッシャーを与えない。
必ずよくなることを伝える
叱咤激励したり、無理に気分転換を図らせるようなことは避ける。
自殺念慮の有無を直接質問する。自殺企図に注意する。
こころの症状はそれほど目立ちませんが、からだの症状が主に見られることがあります。そのため、うつ病とわかりにくくなります。
高齢者は、物忘れなどの不安や身体の衰えに加え喪失体験などのストレスが加わり、うつ病になりやすいと言われています。
気持ちが高揚して自信に満ちあふれている躁状態と憂うつが続くうつ状態が交互に繰り返します。
女性は男性よりもうつ病になりやすいと言われています。それは、月経(女性ホルモン)と深い関係があるようです。
月経の10日前からイライラする、落ち着かないなどの症状がでます
産後2~3週間以降にイライラするなどの精神症状があらわれます。また、倦怠感などからだの症状が 強くあらわれたりもします。
閉経後、女性ホルモン低下により自律神経失調症状があらわれます。憂うつ状態が続いたりもします。
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