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更新日:2018年10月15日
酸性雨とは、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質が硫酸や硝酸などに変化し、雲を作っている水滴に溶け込んで雨や雪などの形で地上に沈着する現象(湿性沈着)を指します。広い意味では湿性沈着だけでなく、ガスや微粒子の状態で直接地上に沈着する現象(乾性沈着)を含めて定義されます。
図 酸性雨のしくみ
欧米では、酸性雨の影響で湖沼が酸性化して魚が棲めなくなったり、森の木が枯れるなどの被害が報告されています。酸性雨は国境を超えた地球規模の環境問題です。日本でも全国平均pH4.8付近が観測されています。特に、冬季の日本海側地域において、硫酸イオンと硝酸イオンの濃度および沈着量の高い傾向がみられており、急速な経済発展に伴い大気汚染物質の排出量が増加している東アジア諸国からの影響が示唆されています。今後も継続して調査する必要があります。沖縄県衛生環境研究所では辺戸岬局(国頭村)とうるま局(うるま市:当所屋上)の2地点で酸性雨調査をしています。
辺戸岬局は環境省による『越境大気汚染・酸性雨対策調査(外部サイトへリンク)』および『東アジア酸性雨モニリングネットワーク(EANET)(外部サイトへリンク)』の調査地点の1つです。
EANETは日本のイニシアチブにより組織され、現在13ヶ国が参加しています。酸性雨問題の解決には、世界各国が共通の認識のもと協力していく必要があります。EANETでは、東アジアにおける酸性雨問題の共通理解と、問題解決に向けた情報の共有、活動協力を推進することを目的としています。当研究所でも辺戸岬局の管理運営を通して、EANETの活動に協力しています。
図 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)のモニタリングサイト[EANETホームページより引用]
うるま局は、全国の環境研究所による全国環境研協議会 全国酸性雨調査(外部サイトへリンク)の調査地点の1つです。
これらの調査を通して、沖縄県のみならず東アジア全域の大気環境の保全につとめています。
日本本土と比較して
などの特徴がみられ、比較的汚染の少ない雨だと考えられます。
しかしながら、年々汚染レベルが増加している可能性が懸念されており、今後も調査を継続していくことが重要です。
国立環境研究所 地球環境研究センター 全国酸性雨データベース (外部サイトへリンク)
国立環境研究所 地球環境研究センター 全国酸性雨データベース (外部サイトへリンク)
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