ここから本文です。
更新日:2022年9月15日
沖縄県では、魚類食中毒シガテラが毎年発生しています。
県民の皆様にシガテラを正しく知っていただくために、シガテラが発生する理由や食中毒事例を紹介する啓発資材(パンフレット、リーフレット)を作成しています。
どうぞ、ダウンロードしてご覧下さい。
パンフレット(PDF:2,179KB) リーフレット(PDF:1,059KB)
A4サイズ8ページ綴り版 A4サイズ両面、巻三つ折り版
シガテラとは、熱帯・亜熱帯のサンゴ礁の周辺に生息する魚によって起こる食中毒の総称として用いられます。
中毒の原因はシガトキシンなどの天然毒です。シガトキシンは、海草などに付着する渦鞭毛藻(うずべんもうそう)と呼ばれる微細藻の一種によって生産され、その微細藻を魚介類が食べ、食物連鎖によって魚の毒化が起こります。
海草表面に付着した渦鞭毛藻(掲載許可:安元健 博士) シガトキシンの構造式
シガテラの症状は、主に消化器系、神経系、循環器系の症状が見られます。
ドライアイスセンセーションとは、冷たいものに触れるとビリビリと痛みを感じる温度感覚異常のことを言い、
シガテラに特徴的な症状です。
死亡率は低く、日本国内で死亡者はいませんが、回復は一般的に遅く、完全回復まで半年~1年ほどかかることもあります。
現在のところ、シガテラの効果的な治療法は確立されていません。
食品衛生法では、食中毒(疑いを含む)を診察した医師は、管轄保健所に届けることとなっています。
管轄保健所が食中毒調査を行い、患者さんらの食べ残し等があった場合は、原因物質の検査を行います。
シガテラの場合、衛生環境研究所でシガトキシンの有無を検査します。
過去シガテラ事例から、原因となった主な魚は、バラフエダイ、イッテンフエダイ、バラハタなどが主なものです。
衛生環境研究所では、これらの魚を収集し、シガトキシン含量などを調査しています。
シガテラに関する言い伝えの検証では、すべてにおいて否定的な結果が得られました。
結論:冷凍保存でシガトキシンは減少しない。
調査方法:冷凍保存した3検体(アカマダラハタ、イッテンフエダイ、イシガキダイ)について、一定期間後の毒量を比較しました。
冷凍保存前と保存後の毒量比較(1MU=20gの雄マウスを24時間で死亡させる毒量)
魚種 | 冷凍保存期間 | 保存前と保存後の毒量変化 |
---|---|---|
アカマダラハタ |
5ヶ月 |
13MU/g(保存前)→13MU/g(保存後) |
イッテンフエダイ |
1年 |
5MU/g(保存前)→6.7MU/g(保存後) |
イシガキダイ |
4年5ヶ月 |
16.5MU/g(保存前)→19MU/g(保存後) |
毒量が若干高くなっているのは保存期間中に検体の水分が失われたためと考えられます。
結論:太った魚と痩せた魚の間に、差はない。
調査方法:収集したバラフエダイの体長と体重を比較しました。
結論:明確な差は見られない。
調査方法:収集した魚すべてについて胸びれの長さを測り、それを口から胸びれまでの長さで除して有毒魚と無毒魚とを比較しました、。
B/A値の比較
|
バラフエダイ |
イッテンフエダイ |
バラハタ |
---|---|---|---|
有毒魚 |
0.65~1.05(平均0.84) |
0.62~0.96(平均0.74) |
0.59~0.64(平均0.62) |
無毒魚 |
0.69~1.00(平均0.83) |
0.63~1.00(平均0.62) |
0.47~0.75(平均0.64) |
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください