平成17年第4回議会(9月定例会)で可決された意見書・決議

ページ番号1020955  更新日 2024年1月11日

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意見書2件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成17年9月16日 さとうきび及び甘蔗糖の価格政策並びに平成18年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書 原案可決 全会一致
平成17年10月13日 義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書 原案可決 全会一致

決議2件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成17年10月13日 沖縄県における年金・健康保険福祉施設の役割と機能等の継続に関する決議 原案可決 全会一致
平成17年10月13日 県立浦添看護学校の存続等に関する決議 原案可決 全会一致

さとうきび及び甘蔗糖の価格政策並びに平成18年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書

さとうきびは、本県における農業の基幹作物であり、製糖を通して地域経済を支えるとともに、我が国の甘味資源の安定供給を図る観点から極めて重要な作物である。
本県においては、さとうきびの安定生産と甘蔗糖企業の経営安定を図るため、「さとうきび・糖業安定生産促進緊急計画」に基づき、関係機関及び団体が一体となって、品質取引の円滑な推進と機械化の促進、さとうきびの担い手の育成、優良品種の育成・普及等によりさとうきびの生産性・品質向上対策を積極的に推進するとともに、甘蔗糖企業の合理化に取り組んでいるところである。
しかしながら、常襲的な干ばつや台風による被害、病害虫の周年発生、農業従事者の高齢化の進行など生産環境の厳しさに加え、土地基盤整備を初めとする生産条件の整備のおくれなどにより生産性は伸び悩んでいる。また、一部の甘蔗糖企業の経営は危機的状況にある。
よって、国におかれては、地域の実情を考慮され、生産者及び甘蔗糖企業が意欲を持って生産に取り組み、農業所得の維持、確保と経営の安定が図られるよう、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要請する。

1さとうきび及び甘蔗糖の価格政策の見直しに当たっては、離島という厳しい生産環境の中、代替作物への転換が困難でさとうきび生産の大宗を小規模の農家が担っているという地域の実情を踏まえるとともに、さとうきび及び甘蔗糖の生産が地域農業、地域経済の発展や食料自給率の維持向上に果たしている役割の重要性を考慮し、長期的な経営の見通しが立ち、農家及び甘蔗糖企業が意欲を持って生産に取り組める制度・枠組みとなるよう十分配慮すること。
特に、生産者価格の制度見直しに当たっては、生産農家の不安感が大きく、生産意欲の減退につながることが懸念されることから、農家が安心して生産に取り組めるよう、適正な農業所得が確保され、再生産可能な水準に設定すること。
2平成18年産さとうきび生産者価格の決定に当たっては、生産条件や経済事情等を考慮し、適正な農業所得が確保され、再生産が可能な水準に設定すること。
基準糖度及び価格体系の設定については、今後とも、生産農家が意欲を持って生産に取り組めるよう配慮すること。特に、地理的条件等のため、他の地域に比べ品質の向上を図ることが困難な地域については、特段の配慮をすること。
また、平成17年産国内産糖交付金については、平成16年度の厳しい操業実績を十分考慮し、甘蔗糖企業の経営安定が図られる水準を確保すること。
3平成17年度で終期を迎えるさとうきび・糖業安定生産促進緊急対策事業は、地域の関係者が一体となってさとうきび生産振興対策を推進し、さとうきびの担い手の育成や安定生産、生産性の向上に一定の成果を上げつつあるが、なお一層の後継者育成や生産拡大、生産コストの低減に向けた取り組みを強化する必要があることから、これらを推進するための新たな対策を講ずること。
4国内の甘味資源作物及び糖業が、現行の糖価調整制度のもとで安定的に維持・発展できるよう、現在進められているWTO農業交渉やFTA交渉においては、適切な国境措置の存続など特段の対応をすること。
5さとうきびの生産性向上と安定的生産の確保を図るため、水資源の確保及びかんがい排水施設・圃場・農道等の土地基盤整備や防風・防潮林の整備を引き続き推進するために必要な事業費枠を確保すること。
6さとうきびの生産性及び品質の向上を図るため、さとうきび副産物等を利用した土づくりの推進、優良種苗の増殖・普及、機械化の促進等に必要な強い農業づくり交付金を確保すること。
7さとうきび生産の安定とコスト低減を図るため、植えつけから収穫までの機械化一貫体系の早期確立・普及に必要な高性能機械及びトラッシュ除去装置の開発・導入を推進すること。
8さとうきびの安定的生産を確保するため、ハリガネムシやメイチュウ類等の病害虫防除対策について引き続き助成措置を講ずること。
9さとうきびの生産振興には、生産性及び品質の向上による生産量の安定的な確保が重要であることから、地域に適した優良品種の育成、種苗の大量増殖技術、高品質栽培技術及び病害虫防除技術の確立等試験研究の充実・強化を図るとともに、さとうきびやさとうきび加工品の持つ機能性の研究開発を推進すること。
また、さとうきび育種の基礎となる交配種子が安定的に確保できるよう、国内での採種量の増量及び海外からの導入ルートを確立すること。
10さとうきび及び製糖副産物の付加価値を高め、新たな製品開発・産業への展開を通じて地域経済の振興を図るため、さとうきびの総合利用の実用化を推進すること。
11さとうきび及び甘蔗糖の生産コスト低減に向けた関係者の協同した取り組みや品質取引の円滑な実施を促進するため、砂糖生産振興資金の活用による助成事業の事業費枠を確保すること。
12甘蔗糖企業は、地域経済において重要な地位を占めることから、経営の安定・維持に必要な糖業振興臨時助成金及び沖縄産含みつ糖対策費について予算枠を継続確保すること。
13将来に向けてのさとうきび・糖業の健全な発展を図る観点から、砂糖に対する正しい知識の普及を図るとともに、全国、地域段階における砂糖の需要増進に向けた消費拡大対策の充実・強化を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年9月16日

沖縄県議会

財務大臣
農林水産大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

沖縄県における年金・健康保険福祉施設の役割と機能等の継続に関する決議

国民年金福祉施設及び政府管掌健康保険の保険・福祉施設は、国民年金法、厚生年金保険法等に基づき、被保険者、被保険者であった者及び受給権者並びにその家族の福祉増進を目的に、全国各地に相次いで建設された。
沖縄県においても、地域からの積極的な勧誘並びに県、市町村及び社会保険・年金関係団体からの出捐金の拠出等、関係機関が一体となって誘致に努めた結果、サンセット美浜(沖縄国民年金健康センター)、ウエルサンピア沖縄(沖縄厚生年金休暇センター)、ウエル沖縄うらそえ荘(厚生年金沖縄うらそえ荘)、おきなわ社会保険センター及びペアーレ沖縄(沖縄社会保険健康センター)の5施設が県内各地に建設された。
これらの施設は、沖縄県特有の自然と融合したロケーションのすばらしさなど、地理的特性に恵まれたこともあって、地域住民のみならず沖縄県を訪れる多くの観光客にも利用され親しまれているところである。
また、職員の採用に当たっては、可能な限り地元出身者を雇用するとともに、地産地消への取り組みとして地元の農水産物を食材として活用するなど、地域経済の振興にも貢献した結果、地域活性化の中核施設として、あるいは地域の生涯学習拠点施設として、地域の融和と発展に果たしてきた役割は非常に大きなものがある。
このような中、政府は、近年の年金制度を取り巻く厳しい財政状況、施設を取り巻く社会環境及び国民ニーズの変化等を踏まえ、年金制度改革のもと、全国318の施設の整理合理化を進めるため、「年金・健康保険福祉施設に係る整理合理化計画」に基づき、譲渡または廃止することとしている。
その一環として、沖縄県においても、国民年金健康センターや厚生年金保養施設等を、5年以内をめどに廃止または民間等へ譲渡することとしているが、国会において、「機構は、各種施設の売却に当たっては、地元地方自治体とも事前に相談すること」との附帯決議が付されているように、各施設に従事して
いる者の雇用を確保するとともに、施設の役割と機能を継続した状態で売却や譲渡を行うことが何よりも必要である。
よって、貴職におかれては、このような地域事情を御理解の上、今後とも各施設が果たしている役割と機能が継続できるよう特段の配慮を要請する。
上記のとおり決議する。
平成17年10月13日

沖縄県議会

厚生労働大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
社会保険庁長官
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構理事長 あて

県立浦添看護学校の存続等に関する決議

去る7月14日、本県議会は、急速な高齢化社会を迎え、さらに医療の高度化及び多様化の進展等新たなニーズに的確に対応できる看護職員を養成するとともに、慢性的な看護職員の供給不足を早急に解消するためには、県立浦添看護学校の存続が必要不可欠であるとの考えから、全会一致で「県立浦添看護学校の存続等に関する決議」を議決し、知事に対して県立浦添看護学校の存続を強く要請した。
また、沖縄県医師会や沖縄県看護協会も同様に県立浦添看護学校の存続を強く要請した経緯がある。
ところで、県は、去る10月6日に開かれた文教厚生委員会の陳情審査において、「平成18年4月から当面は県直営で運営するが、その後は移管先を選定し、民間移管を進めることとしている」との方針を新たに示した。
このようなことは、単に本県議会を初めとする関係団体からの要請をないがしろにするだけではなく、これまで県が要請に対して示してきた対応と異なる方針の表明であることから、到底容認できるものではない。
また、今回の陳情審査で県の処理方針として示した「平成15年に実施した看護職員の需給見通しで、看護職員の供給不足が見込まれる」という認識や「県営で運営する」という必要性に対する認識と矛盾する行為である。
よって、本県議会は、県立浦添看護学校を存続させるとともに、平成16年12月議会において可決し知事に要請した「県立浦添看護学校での看護師、助産師の養成に関する意見書」の要望事項に早急に取り組まれるよう強く要請する。
上記のとおり決議する。
平成17年10月13日

沖縄県議会

沖縄県知事 あて

義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書

義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等とその水準の維持向上を図る制度として完全に定着しており、現行教育制度の重要な根幹をなしている。
しかしながら、政府は、昭和60年度以降、義務教育費国庫負担制度の見直しを行い、これまで旅費、教材費、恩給費、共済費、公務災害補償基金、退職手当及び児童手当等義務教育に係る経費を相次いで一般財源化してきた。さらに、平成15年6月27日に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」により、平成18年度末までに義務教育費国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行うこととしている。
そのような中、平成16年4月26日に開催された経済財政諮問会議で、義務教育費国庫負担金の一般財源化の検討の中で、学校の基幹職員である学校事務職員等の人件費を適用除外にする方針を打ち出すなど、これまでより一層厳しい姿勢で臨んでいる。
仮に義務教育費国庫負担制度が廃止され、それに見合う税源移譲が実現したとしても、島嶼県である本県においては、小規模校が多いことから、都市部に比べ、より多くの教員を配置せざるを得ない状況にあるが、このような地域及び特殊事情が全く配慮されない事態が危惧される。そのような場合、単に地方財政を圧迫するだけでなく、教育予算の削減につながり、ひいては教育水準の低下や地域間の不均衡を生じさせるおそれがある。
よって、国におかれては、教育の機会均等と教育水準の維持向上のため、地方に新たな負担転嫁を行うことなく、地方の財政力を高めるとともに、義務教育費国庫負担制度が引き続き堅持されるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年10月13日

沖縄県議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

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