更新日:2012年5月7日
意見表明第13号(父子世帯の県営住宅への優先入居について)
沖縄県行政オンブズマン 長嶺 信榮
沖縄県行政オンブズマン 大城 道子
父子世帯の県営住宅への優先入居について
【意見表明】
県営住宅の入居者選考の際の優先入居対象世帯に、父子世帯を加えることを検討されたい。
【理 由】
- 現在、県営住宅の入居者選考に際し、ひとり親世帯のうち、母子世帯が優先入居対象世帯として認められている。近年、父子世帯が若干増加傾向にある。また、父子世帯は母子世帯に比べて経済的に困窮しないとされてきたが、昨今の経済情勢は、父子世帯の家計も厳しい状況にあることを感じさせる。
そして、父子世帯からは「母子世帯に比べ、父子世帯に対する行政の支援が少なく不公平である。」などの不満も聞かれる状況である。
- 行政オンブズマン相談室にも、父子世帯の親から、収入の減少により民間アパート代の支払いが困難になり、低廉な県営住宅へ入居を希望するが、母子世帯が優先入居の対象となっているにもかかわらず、父子世帯がその対象となっていないことに対する苦情と、父子世帯も母子世帯同様に優先入居の対象としてほしいという強い要望が寄せられている。
これらのことを総合すると、父子世帯の生活が苦しくなっていること、それに伴い住宅困窮の度合いも高まっていることが窺われる。
以上の理由から、父子世帯も母子世帯同様に、県営住宅入居者選考の際の優先入居対象世帯に加えることが望ましいと考えるので検討されたい。
なお、全国では宮城県始め11県、九州では大分県が父子世帯にも優遇措置を認めている。県内では、昭和58年に那覇市が、平成10年に浦添市が寡夫世帯を優先選考の対象に加えている。