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ホーム > 県政情報 > 広聴 > 行政オンブズマン > 沖縄県行政オンブズマン > 提言第15号(土地開発に関する工事検査証交付後における事業者に対する指導について)

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更新日:2012年5月7日

提言第15号(土地開発に関する工事検査証交付後における事業者に対する指導について)



平成17年09月27日

沖縄県行政オンブズマン長嶺信榮
沖縄県行政オンブズマン大城道子


土地開発に関する工事検査証交付後における事業者に
対する指導について


【提言】

県は、沖縄県県土保全条例に基づく開発行為に関し、同条例11条の検査済証交付後は、同条例14条による勧告助言等はできないとの解釈運用をしているが、その運用を再考願いたい。


【理由】

  1. 苦情の申立て(要旨)
    県土保全条例に基づく恩納村内の土地開発に関し、開発業者が、許可申請時、同村に贈与し公園として利用する予定だった土地の一部を工事検査済証交付後半年も経たないうちに分筆のうえ宅地として第三者に売却してしまった。
    公園予定地の隣接地主で上記利用条件のもとに開発行為に同意した者がその是正指導を求めて土地対策課に相談に行ったところ、同課において、「開発に関する工事の検査済証を発行した後は、県は一切関与できないので開発業者に対する事情確認、指導等は行わない。」との説明を受けた。
    それに対する不服として同人から苦情の申立てがなされた。その理由は、「検査済証を得てしまえば、申請時の土地利用計画を無視変更しても県から何らの指導もできないのでは、なんのための許可なのか制度の意味がない。少なくとも県は、開発許可申請時の土地利用計画に基づいた内容に戻すよう指導勧告をする責任がある。」というものである。

  2. 県の機関の意見(要旨)
    (1)県土保全条例は、その趣旨目的(1条)から、乱開発を防止し、適正な開発へ誘導することを主眼としている。
    (2)本条例は、1条の趣旨から、事業者の財産権の行使を公共の福祉のため受忍すべき限度で規制を行うものであり、
    ア開発許可を与えるか否かは、申請内容が許可基準に適合するか否かによって判断するものである。
    イ許可条件を付する場合にも、合理的範囲を超えて私権を制限する等の不当な義務を課することはできない。
    ウ事業執行にまつわる個々の権利関係については、当事者の契約等により担保するものとしている。
    (3)工事の完了検査についても、基本的には「物理的、技術的に許可の内容を充足しているかどうか」の検査である。
    (4)検査完了後に県の指導が可能か否かについては、条例14条にいう「条例の目的達成のため必要な限度において」に当たるかどうかということになるが、上述の理由からこれに当たらず、検査完了後は条例を根拠に事業者を指導することはできない。

  3. 行政オンブズマンの意見
    (1)申し立てられた苦情は、いささか行政指導に過度の期待をよせているきらいはあるが、傾聴に値するものがある。
    (2)県の機関の上記意見のうち、条例に関する(1)ないし(3)の見解は誠にそのとおりであり異存はない。しかし、それから導かれた(4)結論、すなわち、検査済証交付後は、「条例の目的達成のため必要な限度において」に当たらず、同条例を根拠に事業者を指導することはできないとの解釈及び取り扱いには納得できず、申立人を説得することもできない。
    (3)オンブズマンの判断
    ア行政指導
    県の機関が、その任務又は所掌事務の範囲において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものを言い、行政指導に携わる者は、任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと、内容はあくまでも相手方の任意の協力によって実現されるものであることに留意しなければならず、又、その相手方が指導に従わなかったことを理由として不利益な取り扱いをしてはならない。(沖縄県行政手続条例2条、30条)
    行政指導の意義要件効果は以上のとおりであり、法的拘束力はなく組織法規上の所掌事務の範囲内なら、特別な法規がなくとも、指導できるものである。もっとも、行政作用法規に制限規定があれば、それに従うことは当然である。
    イ県土保全条例14条(報告、勧告等)の時期的適用範囲について
    本条には、「知事は、事業主又は工事施工業者に対し、この条例の目的達成のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告若しくは助言をすることができる」旨記載されている。ここで言う勧告、助言も、相手方に勧めることで法律上の拘束力はない。まさしく、行政指導に関する行政作用法規である。
    そこで、この規定は、検査済証交付までに限って適用されるべきものか否かにつき検討する。
    まず、条文自体には、そのような制限の明記はない。
    それでは、趣旨等から、検査済証の交付後は県(知事)は関与できないと解すべきだろうか。たしかに、開発許可にかかる工事が完了したときは、当該許可の本来的効果は消滅するというべきであるが、はたして、検査済証の交付によって条例の目的は達し終えたとまでいうことができるだろうか。
    思うに、同条例の窮極の目的は「住民の生命、健康及び財産の保護」にあり、それは、検査済証交付後にも関わることがらである。例えば、区域内の道路、広場その他の施設の状態が基準に適合するものとして許可を与えたからには、その計画にそって工事がなされることは勿論、許可の内容に適合すると認め検査証の交付がなされた後においても、特段の事情がない限り、その状態が維持され当初計画にそって利用されることが望まれ、それらも条例の目的に含まれることがらである。
    そうすると、検査済証交付後は、本条にいう「条例の目的達成のため必要な限度において」に当たらず、事業者を指導することはできないという解釈は狭きに失し妥当でないと思われる。したがって、オンブズマンとしては、本条は、検査済証交付の後にも適用され、必要に応じて事業者を指導することができるものと考える。
    そのように解しても、事業者の権利を不当に制限することにはならないし、又、個々の権利関係については、契約等に基づき当事者間で解決すべきものであることや工事完了検査が、物理的、技術的に許可の内容を充足しているかどうかの検査であり、権利関係についての確認までは含まれないこと等と何ら矛盾するものではない。
    ウもっとも、具体的事案が指導相当か否かは、事案にかかわる諸般の事情を考慮して、行政機関がきめることであり、当職が介入すべきことがらではない。

  4. むすび
    検査済証交付後でも事業者に対する指導ができると考えることについては、3(3)で述べたとおりであるが、とりわけ「検査済証交付後は県は一切関与できない。」という言葉が独り歩きすることによる弊害について危惧するものである。
    行政法規の解釈については、事情に精通する所管庁の見解を尊重すべきではあるが、上の弊害を未然に防ぎ、危惧を払拭するためには、オンブズマンの意見を述べ、現在の運用につき再考をうながすのが相当と考え、ここに提言する。

お問い合わせ

知事公室広報課行政オンブズマン相談室

沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟1階(北側)

電話番号:098-866-2021

FAX番号:098-869-1263

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