更新日:2012年5月7日
意見表明第9号(環境美化推進について ……汚さなければ清掃も楽……)
平成12年07月10日
沖縄県行政オンブズマン 大城 光代
沖縄県行政オンブズマン 宮城 健蔵
環境美化推進について ……汚さなければ清掃も楽……
【意見表明】
「沖縄県行政システム改革大綱」が策定され、その具体的方策の一つに「美ら島づくりに向けて環境保全率先行動を実施すること」が挙げられた機会に、汚れた場所を清掃するだけでなく、汚さないための方策を検討されたい。
【理由】
県行政オンブズマンは、平成8年8月6日に「美ら島を守るために」との意見表明をしたが、その後もタバコの吸い殻、飲食物の空き容器などのポイ捨てに関する一般住民からの苦情は後を絶たない。サミット開催を機に、各種団体等によるクリーン作戦が行われ、その都度相応の成果を上げているものの、汚された場所を清掃するだけではなく、県民全体に「美ら島を汚さない」という意識を植え付けることが必要である。
県には、沖縄県観光振興条例(昭和54年沖縄県条例第39号)があり、環境美化の推進に関する規定が設けられているが、この条例は観光振興を目的とした多岐に亙るもので、一般人には興味関心を持ちにくいものである。
また、県教育庁は、学校内外の美化に取り組み、相応の成果を上げているが、生徒達の中には、社会に出ると、たちまち繁華街道路、公園、観光地等で飲食し、平気で食べがらを放置したり、車の窓から空き缶やタバコの吸い殻を投げ捨てるようになる者もいる。
県内では、那覇市外13市町村がポイ捨て禁止条例を制定し、うち11市町村では罰則を設けているが、罰則の適用例がないことが条例自体を空文化させる原因になっている。
これらの現状から見て、県内全域においてポイ捨てを禁止するものとし、罰則を設けることを検討する必要があるように思われる。ポイ捨て現場で声をかけ、改めさせ、悪質なものは罰則の対象とする地道な努力の積み上げが、必要ではなかろうか。そのためには、例えば「那覇市ゴミのポイ捨て防止による環境美化条例」などに定められたクリーン指導員の数と権限を強化し、啓蒙と活用を図ることも考えられる。
いずれにせよ、県が主導的立場で全県民に対する指針を示すべきで、条例制定も視野に入れるべきであろう。その場合、条例はできる限り単純明解なものとし、誰の目にも留まるよう配慮すべきであり、罰則は厳格に適用することが必要だと考える。