更新日:2012年5月7日
意見表明第6号(植樹帯の見直し撤去について)
平成11年03月16日
沖縄県行政オンブズマン 大城 光代
沖縄県行政オンブズマン 宮城 健蔵
植樹帯の見直し撤去について
【意見表明】
既設の県道植樹帯のうちには雑草が繁茂し、歩行者等の通行に支障を来している箇所が各地に見受けられるので、改訂後の県道植樹帯設置基準に沿って抜本的な見直しを行い、交通の支障になっている低木等植栽の撤去等についての長期計画を策定・実施し、人と車が安全で快適な通行ができるよう検討されたい。
【説 明】
植樹帯設置による低木等植栽は、観光立県にふさわしい緑化環境を形成するため「沖縄県道路緑化基本計画」に基づいて進められ、その緑化面積は毎年増加し、現在では、約 334,700平方メートルに達している。しかしながら、増加する緑化面積に応じた予算が確保されず、十分な維持管理が行われていない状況である。
そのため、既設の植樹帯には低木等が伸びすぎたり、雑草が繁茂し、交差点やカーブ地点では車両の見通しが悪く、歩道は雑草に覆われ、歩行者は車道通行を余儀なくされるなど危険な個所が各地で見受けられる。このような状態は景観を損ねるだけでなく、道路本来の安全通行機能に障害を来している。
最近においては、地域住民から「危ない緑化より、安全な道路を」「高価な緑化より、安価なガードレールを」と低木等植栽の撤去等について、抜本的な見直しの苦情がある。
県はこのような現状をふまえ、今後道路新設改良等の新たな植栽工事については、従来の道路植樹帯設置基準を見直し、市街地の住宅地区と集落地区で歩道の広い場合を除いて植樹帯による低木植栽は行わないこととしているが、既設の道路植栽についても改訂後の道路植樹帯設置基準に沿って中高木を含めて抜本的な改善を行うなどの措置をする必要がある。
また、既設の植樹帯を植樹桝へ改善、低木等の撤去を行う場合、その約50パーセントの改善が必要と見込まれるので、緑化推進と歩行者等の安全確保との調和を図りつつ、関係自治体、地域住民とも協議しながら長期計画を策定し、順次撤去することが適切である。
今後は、引き続き十分な道路植栽の維持管理予算の確保に努めるとともに、地域住民やボランティアとの協力体制を強化し、安全で快適な道路植栽を維持するため一層努力をされたい。