宮古農業改良普及課の業務
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組織体制図
所在地
農業改良普及指導活動の方針(令和6年度)
普及現場のニーズが多様化する中で、当農業改良普及課では、宮古地域の農業・農村の実状を踏まえ、
「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」、「新・沖縄21世紀農林水産業振興計画」及び「沖縄県協同農業普及事業の実施に関する方針」に基づき、普及指導課題と対象の重点化を図り、
直接農業者に接して、栽培技術や経営能力の向上、産地の強化と併せ、これらを担う優れた農業者の育成・確保に取り組む。
そのためには、さとうきび・肉用牛の生産振興を図りつつ、とうがん・ゴーヤー・かぼちゃ・オクラ・さやいんげん・マンゴー等園芸品目の単収向上と品質向上に努め、定時・定量・定品質な「宮古ブランド」の確立に取り組む。
特にさとうきびについては、株出栽培の増加により収穫面積が大幅に増加した一方、単収の低下が懸念されていることから、単収向上に向けた取り組みを強化し、安定した生産体制の構築を目指す。
また、農業者の高齢化や担い手の減少に対応するため、関係機関や地域リーダーとの連携を強化しながら、新規就農者や青年農業者等、担い手の育成・確保に重点的に取り組み、当地域の農業振興に向けた活動を展開する。
なお、普及指導活動の基本課題として、下記の4課題を設定する。
[基本的課題]
1 担い手の育成・確保と経営力の強化
普及指導活動においては、農業の担い手育成・確保を最重要課題として位置づけ、優れた農業の担い手育成を核としながら、生産性の高い特色ある地域農業の確立を目指す。
そのために、関係機関や指導農業士等地域リーダーとの連携を図りながら、新規就農者の育成と早期の就農定着を目指し、技術指導の強化や農家間交流・連携促進を図る。
また、農業を担う人材の確保や農業・農村への理解を醸成するために、農業教育に対する支援を行い、技術・経営指導を実施する。
(1)農業担い手及び組織の育成
ア 新規就農者・青年農業者の育成
将来における農業の担い手育成・確保を目指し、意欲ある青年農業者、新規就農者及び就農志向者を対象に、就農相談の実施、新規就農サポート講座の開催や農家研修への誘導を図る。
また、新規就農支援関係事業実施者等を対象に、品目毎に就農ステップアップ講座を開催し、早期の就農定着を図る。
併せて、経営改善計画書作成やプロジェクト活動を通した実践活動等により、経営感覚に優れた青年農業者の育成に努める。
イ 地域を担う農業青年組織の育成
宮古地区就農青年クラブ連絡協議会を核に、組織への新規加入促進とプロジェクト活動や交流会、リーダー研修会等計画的な活動を支援し、組織活動の活性化に繋げる。
また、次代の農業を担う人材を育成するため、関係機関・団体と連携し、経営及び生産技術の習得等を支援する。
ウ 農業士等組織の育成
農業・農村の持続的発展と地域農業の活性化を図るため、農村における男女共同参画社会の形成、高齢化に対応した農村生活及び営農環境の改善、都市と農村の交流など、課題に対応した地域農業・農村のリーダーとなる人材育成と農業士会の活動推進に取り組む。
また、農業後継者や新規就農者の育成及び就農志向者の研修受け入れ等、地域農業の先導的経営者として、青年農業者・新規就農者等の実践的指導者として、その役割が発揮できるよう、青年農業士・指導農業士・女性農業士の育成と組織活動の強化を図る。
(2)農業経営体の育成
ア 経営力強化
効率的かつ安定的な農業経営体を育成するため、経営改善に意欲的な農業者及び先進的経営体に対して、経営改善計画書の作成支援及び技術革新に向けた支援を行い、認定農業者の育成・確保に努める。
また、農業制度資金借受者、補助事業導入者等に対し、経営分析及び診断に基づく計画策定や経営管理能力の向上等、安定的な経営体の育成を支援する。
さらに、経営感覚に優れた農業経営体を育成するため、経営改善に取り組もうとする経営体や産地に対し、カウンセリング活動やコンサルテーション活動を推進する。
併せて、女性や後継者の経営参画に向けて、家族経営協定締結を推進する。
2 宮古ブランドの産地育成と生産体制への支援
宮古地域は、温暖な気候と地下ダムの水を利用した農業が営まれ、さとうきびを中心に肉用牛や園芸作物等が生産されている。
さとうきびは、台風や干ばつ等の自然災害に比較的強く、地域経済に大きく寄与する基幹作物であるため、引き続き生産振興を図る。
園芸品目や肉用牛については、宮古地域の優位性を活かして生産振興を推進し、高品質で安全・安心な農産物を消費者や市場に定時・定量・定品質で供給することにより、産地としての信頼を確保し、宮古ブランドの確立を図る。
(1)野菜産地の育成
ゴーヤー・とうがん・かぼちゃ・オクラ・さやいんげんの拠点産地育成のため、産地協議会や各専門部会等を対象に、講習会や現地検討会、技術実証展示ほ等の設置、巡回指導の強化を図る。
特に、新規就農者や栽培経験の浅い農家への指導を強化し、単収と品質の向上に繋げると同時に、産地全体として栽培技術の高位平準化に取り組み、消費者や市場から信頼される産地を形成する。
(2)果樹産地の育成
マンゴーの拠点産地を育成するため、宮古島市マンゴー産地協議会と連携して栽培技術の高位平準化に向けた取り組みを強化し、品質及び単収の向上を図る。
また、効率的な作業計画及び経営技術、収穫期拡大対策等を支援するとともに、若手農家で構成された宮古島マンゴー研究クラブの活動を支援する。
さらに、消費者や市場から信頼される安定した産地を形成するため、関係機関と連携して、出荷規格の統一や品質向上に取り組み、宮古島産マンゴーのブランド化に繋げる。
その他、パッションフルーツ、パインアップル等については、栽培農家の要請に応じて関係機関と連携して支援する。
(3)さとうきび生産体制の強化
関係機関と連携し、さとうきび生産組合等を対象に栽培講習会や現地検討会等を実施し、肥培管理や病害虫防除、優良種苗の利用、緑肥や堆肥等有機質投入による土づくりの意義を再周知すると共に、緩効性肥料等の施用を推進し、単収と品質の向上を図る。
近年は、株出栽培が増加傾向にあるものの、生産農家の高齢化や担い手不足に伴い、ほ場の管理不足や病害虫被害などによる単収の低下が懸念されているため、実演会や講習会等を通して収穫後の早期株出管理等肥培管理の徹底、優良種苗を用いた更新を推進し、単収向上に繋げる。
また、ほ場の耕作放棄化が懸念されており、農作業受委託や農用地の流動化等、生産体制を構築する必要がある。
そのため、生産法人を核とした 生産組織の育成を強化するとともに、農業機械オペレーターの新規参入誘導や技能向上研修会等を実施し、オペレーターの育成・確保に努める。
併せて、農業機械士協議会の活動を支援し、さとうきび管理組合やハーベスタ運営協議会と連携して、農作業受委託体制を強化する。
(4)畜産生産体制の強化
高品質素牛の拠点産地を育成するため、宮古和牛改良組合や肉用牛研究クラブ等を対象に講習会や現地検討会・研修会等を開催して、自給粗飼料の安定生産と高品質化、斉一性の高い子牛育成及び繁殖成績の向上対策に取り組み、安定した経営体の育成を図る。
また、畜産農家の高齢化や担い手不足等により、肉用牛の飼養農家数が減少傾向にあるが、近年は繁殖牛経営を志向する若手生産農家も増えつつあるため、関係機関と連携し、経営感覚に優れた青年農業者の育成及び優良繁殖素牛の確保対策を支援する。
3 環境に配慮した持続可能な農業生産
宮古地域においては、飲料用水及び農業用水を地下水に依存していることから、環境負荷の低減を目指した農業生産の展開が求められている。
そのため、資源循環による土づくり、化学肥料や農薬の低減、農業生産資材の適正処理等による環境への負荷低減に配慮した持続的な農業の展開を推進する。
また、消費者は、安全・安心・新鮮な食品を求めていることから、有機物施用による土づくりや減農薬栽培など、食品の安全に配慮した生産環境整備に取り組み、低コスト生産と高品質農畜産物の安定生産を図りながら、GAPやエコファーマー等の環境保全型農業を実践する農家の育成に努める。
特に、多良間村においては、さとうきび栽培全農家がエコファーマーに認定されており、引き続き関係機関と連携して、認定農家の支援に取り組む。
(1)病害虫防除と鳥獣害対策
施設園芸作物への天敵等の活用により、化学農薬使用量の低減化を図り、環境と調和した総合的病害虫管理(IPM)の普及を推進する。
鳥獣害対策については、インドクジャク対策技術の実証展示ほ設置や宮古島市有害鳥獣害対策協議会と連携した取組により被害軽減に努める。
(2)資源循環型農業の推進
土壌・作物栄養診断等に基づく適切な施肥管理等を行い、化学肥料低減技術の普及を図る。
また、緑肥作物の利用や有機質資材の有効活用を図り、有機質資源の循環利用を推進する。さらに、エコファーマー、特別栽培農産物等の環境保全型農業の取り組みを推進する。
(3)県産農産物の安全と信頼確保
農産物の安全に対する信頼の確保及び農作業の安全を確保するため、農薬等の生産資材の適正使用の徹底を図り、GAPの推進、農産物の栽培履歴、飼養管理記帳を推進する。
また、安全な農作物の生産及び被害防止対策に取り組むため、農薬の適正使用や飛散防止等について、農家への周知徹底を図るとともに、使用済み容器等の処理対策についても指導を強化する。
特に、露地野菜や葉たばこ、草地等への農薬飛散防止については、注意喚起を強化する。
4 魅力と活力ある農村の振興
地域の農業資源を活用した豊かな地域づくりのため、自主的な活動を促進しつつ、関係機関や生産農家のリーダーと連携しながら、農業生産の振興や農村生活の改善に取り組む。
また、農林漁業者等による地域資源を活用した新事業の創出や高付加価値化により、地域の農林水産物の活用促進を支援する。
(1)農業地域活性化への支援
当地域におけるさとうきびの生産量は、県全体の約4割を占めているが、近年、生産農家の高齢化や担い手不足の影響もあり、機械収穫率は年々増加している。
一方、株出栽培面積の増加に伴い、さとうきび全体の収穫面積は拡大しているが、生産量は減少傾向にあり、単収の低下が懸念されている。
要因として、自然災害(台風や干ばつ等)や病害虫の発生、労働力不足に加え、耕起・整地・植え付け・肥培管理・収穫・株出管理等、効率的な農作業受委託体制が確立していないこと等が考えられる。
このような状況を踏まえ、関係機関や農業機械関係組織等との連携を図りながら、地域農業振興総合指導事業の課題として位置づけ、夏植の推進や有機物の畑地還元、適正なほ場管理、農作業受委託体制の整備等、さとうきびの単収向上に向けて総合的に取り組む。
(2)地域資源を活用した加工・販売機能の強化
農業者の経営多角化等に対する支援として、地域資源を活用した特産品の開発や販売促進活動等、6次産業化の動きが注目を集めている。
特に「みゃーくの味加工推進協議会」をはじめ、起業活動に取り組む農家を対象に、地域資源を活用した特産品の開発、販売活動の促進など、多様な起業経営活動を支援し、農家の所得向上に繋げる。
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沖縄県 農林水産部 宮古農林水産振興センター農業改良普及課
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