森林病害虫の被害と防除対策について

ページ番号1034617  更新日 2025年8月18日

印刷大きな文字で印刷

松くい虫の被害について

 本県は、温暖な気候条件から多種・多様な昆虫が生息し、森林病害虫が発生しやすい環境にあります。主な森林病害虫としては、リュウキュウマツに重大な被害を与えている松くい虫や、イヌマキの葉を食害し枯死させるキオビエダシャクなどがあげられます。このうち、松くい虫被害については、昭和48年に沖縄本島東村平良から名護市久志に渡る範囲において、枯れた松からマツノザイセンチュウが発見されたのが最初といわれています。

 昭和55年には干ばつや台風の影響もあって松くい虫の被害は沖縄本島全域に広がり、昭和57年には約17千立方メートルの被害を記録しました。このため、特別防除(薬剤空中散布)、薬剤地上散布、特別伐倒駆除(焼却及び破砕処理)や伐倒駆除(くん蒸処理)の防除措置を徹底的に実施し、被害は一旦沈静化しましたが、平成2年から被害は再び増加し、平成5年には沖縄本島北部を中心に約42千立方メートルと激増しました。このような中、県では国道58号東側の重点地域を中心に徹底した防除対策を実施した結果、平成6年から被害は減少に転じました。

 しかしながら、平成12年から再び被害拡大の兆候がみられたことから、県では被害のまん延防止を図るため、松くい虫防除に関する必要な措置及び松林所有者等の責務等を定めた「沖縄県松くい虫の防除に関する条例」を平成14年に制定しました。また、同条例に基づき、松くい虫の防除に関する総合的な施策として「松くい虫ゼロ大作戦(平成14~18年度)」を展開し、国や市町村等の関係機関と連携して防除対策に取り組みました。

 「松くい虫ゼロ大作戦」では、当初、広域・全量駆除を目指し防除対策を展開しましたが、平成15年の被害量は高温少雨の異常気象の影響を受けて、約44千立方メートルとピークに達しました。このため、平成16年からはより効果的な防除対策を図るため、公益的機能の高い松林を中心に重点的な防除対策を実施した結果、国頭村、東村及び大宜味村においては被害が沈静化するなど一定の防除効果が現れました。その結果、被害量は増減を繰り返しながらも減少し、令和2年には647立方メートルまで減少していました。

 その後、令和3年に久米島町で松くい虫被害が確認されたこともあって被害量は再び増加傾向になっており、令和3年は1,945立方メートル、令和4年は3,947立方メートル、令和5年は13,890立方メートル、令和6年は14,538立方メートルとなっています。引き続き、関係機関等と連携して「選択」と「集中」による戦略的な防除対策を実施していく必要があります。

松くい虫被害の対策について

 今後の松くい虫防除対策については、保全すべき松林を中心とした重点的な防除対策を実施するとともに、防除効果の評価・検証を行い、その成果を反映させた総合的な松くい虫防除対策に取り組んでいきます。また、令和3年度に初めて松くい虫被害が確認された久米島町においては、島内の守るべき松を保全するため、県・町・有識者等で構成する対策会議において策定した防除戦略に基づき、効果的・効率的な防除対策に取り組んでいきます。

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 農林水産部 森林管理課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟9階(南側)
電話:098-866-2295 ファクス:098-868-0700
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。