「体験交流を通じた村おこし」
- 平成15年度まちと村の交流促進シンポジウム -

コーディネーター
 崎山 律子(フリージャーナリスト)
パネリスト
 神谷 美枝子(有限会社しらかわファーム代表)
 東浜 安伸(与那国町産業振興課主幹)
 新城 寛成(地域興しマイスター)
 河野 洋一(大分県安心院町 商工歓交課グリーン・ツーリズム推進係長)



旧正月で始まる村おこし

 皆様、(旧正月)明けましておめでとうございます。沖縄のお正月では年をとったのにお若くなりましたか、というのが方言で語られています。お正月に一番最初にいただく水を若水と呼んで、この若水を運んだのは昔、少年達だったそうでございますけれども、沖縄のお正月の思想で、お若くなりましたかというこの若水の発想っていうのは 新しい年を迎えると人は蛇のように脱皮して再生するのだという、新たに生まれ変わるのだという再生思想がそこに深く横たわっていると伺っています。 私は例年ですと、久高島か、浜比嘉かこの沖縄本島から行ける所で、旧正月を過ごすようにしています。といいますのも、沖縄の文化の一方を支えているのが旧暦で行われているさまざまな祭事であることから、それは農業とも深く関わっていると思いますけれども、沖縄を生きるためには旧暦を自分の中で多く取り入れながら生きていくと、沖縄らしさを感じながら自分に自信が持てるようになるような気がするんです。
 生活の色々な意味で改善運動も行われて、旧暦というのがなかなか私達のサイクルに合わなくなっている部分もありますけれども、沖縄の文化を知るうえでも沖縄の季節感を知るうえでも、必要ですね、でも、やはり旧正月の時には間違いなく寒いですよね。
 大分からさっきお見えになりました河野さん、素晴らしい講演をして頂きましたけども、大分より沖縄が寒いっておっしゃっているそうですよ。外は寒くても本土では室内は結構暖かいんですよね。でも沖縄は外も内も変わらない、というところがあってですね 結構家の中は寒いというふうに思いになっているのかもしれません。先程の「グリーン・ツーリズムは感動産業だ」という話がありました。改めて振り返ってみますと、もう500万人を越えた観光客を抱えている沖縄です。しかも40の有人島があってそれぞれの島々に観光のポテンシャルの違ったものを持っています。ある意味で、これだけ恵まれたた土地はないのではないかと河野さんは実感なさっているのではないかなぁと思います。沖縄への講演会は沖縄だから来たんですよとお話しをして下さいました。また後ほど河野さんにはこのパネルディスカションに加わって頂きたいと思います。

コーディネーター
 
さきやま りつこ
崎山 律子

フリージャーナリスト

 先程の第1部ではグリーン・ツーリズムを実施していらっしゃる安心院で町づくりの基本的な理念の中にグリーン・ツーリズムを含めていらっしゃるという貴重な話を伺うことが出来ました。
 第2部では「体験交流を通じた村おこし」ということで3人の地元の方々に、これからお話しをして頂くことに致します。
 まず最初に神谷美枝子さんを御紹介致します。こちらの担当者がですねカラーで写真を用意しておりますけれども、 あのプロフィールはこちらにもございます。神谷美枝子さんは東風平町の商工会の女性部の会長もお務めになって地域での中でもまちづくりに参画されています。それからご自分が農業の生産者でもあり、さとうきびを始め、野菜を作っています。先程伺いましたらジャガイモもやってらっしゃる。でも何よりも神谷さんを有名にしたのはランづくり、デンファーレの女王だと伺っていますのでこのデンファーレに関しましては沖縄では大変有名な一人だと伺っております。それからパートナーの方が、今マンゴーですとかドラゴンフルーツ等を栽培していらっしゃる。これをまた活かして、お嬢さんの方がお菓子作りをしっかりやってらっしゃるということで、農業の生産からその流通、販売、そしてご自分達自身で直接消費者と向き合いながら、このグリーン・ツーリズムを大変夢を抱いているというお話して下さいました。後ほど神谷さんには又、お話しをして頂きます。宜しくお願いします。神谷さん大丈夫ですよ緊張なさらなくても。生まれて初めての経験ですということですが、先程の河野さんのお話しでは、こういう初めてが女性を美しくするそうです。シンポジウムが終わった頃美枝子さんがもっと美しくなっていることにご注目下さい。
 そして2番手はですね 私達の沖縄、日本の最西端に位置し国境の島とも言われています与那国町から来て頂きました東浜安伸さんです。昨日は飛行機が飛ばなっかったそうです。風が強くて、まさに島チャビですよね。与那国は今、フジテレビ、沖縄テレビでこちらで放送しています「Dr.コトー」でおなじみのその舞台現場ともなっています。とても観光客が増えてるそうでございます。一面、役場の職員として大変だそうです。実際ロケが始まりますと役場職員は動員されるそうです。ちなみにバイト料は出ないことになっているそうです。東浜さんは与那国町の中で、小学校、中学校を生きている子供達に与那国という島をしっかりと学んでもらいたいということで、様々な取組みをしてらっしゃいます。与那国町はご存じのように小学校、中学校を終わりましたら、高校がありませんので子供達は島を出て行かなければいけません。これは離島を沢山抱えている沖縄の厳しい現実でもあるんですが、教育が過疎を生んでいくという一面がありますよね。後ほど実例も含めてお話を伺いたいと思いますけれども、次代の子供達のために緑の少年団も作ったそうです。子供達と一緒に様々な与那国の文化を勉強する、そんな地域づくりを行っています。
  それから 最後になりましたけれども新城寛成さんは、地域興しのマイスターでございます。モンスターじゃないですよ皆さん、マイスター。沖縄では3人のマイスターがいらっしゃるんですね。新城さんは2番手でこのマイスターについてらっしゃいます。現在は大宜味村の芭蕉布会館ですとか周辺のツアーコディネーターを行っていまして、多くに人達にこの大宜味村の御紹介をしてらっしゃいます。むしろ沖縄よりも近畿ツーリストの方々なんかにはとても有名な方でございます。今日はお話しして頂きますけど時間が短いのが心配だとおっしゃっていました。ちなみに新城さんは西表の御出身ですけれども、ゴーヤー節って聞いたこと有りますか。農業の方々聞いて下さいね。5月8日にゴーヤーの日にかけてゴーヤー節という曲をお作りになった作者でございます。今日は後で歌うかもしれませんけれども西表の歌をとても大切にしていらっしゃる方でございます。後ほどお話を伺いたいと思います。ということで御紹介をさせて頂きました。あの詳しい経歴はしっかりと目で見てみて、皆さん確認をして頂きたいと思います。それではまず神谷美枝子さんの方から、是非ご自分の実践例を通してお話を宜しくお願いします。



『多角経営で夢のある農業を実現』

崎山:最初にレディーファーストということで、東風平町のしらかわファームの神谷と申します。今日は宜しくお願いします。

パネリスト

かみや  みえこ
神谷 美枝子

(有)しらかわファーム代表

 これが平成14年の7月5日にオープンした直販所しらかわファームですね。次が農家の生産者がこの看板では目立たないということで生産者が私に任せてということで、しらかわファームの看板を4個作ってもらいました。それが4ヵ所の十字路に取り付けてあります。入り口の場面ですね。ここで私の次男の商品が7割ほど、そして施設の子供達のも預かって販売しています。これが中の方ですね、さっきのが入り口の方、今回は中の一列をこういうふうに洋ランを陳列しています。これも7割が息子、次男の方ですね。後は南部の洋ラン愛好家の仲間達の物と、その他の生産者が持ち合っています。これは私が管理を得意としているものですから、中の方は季節ごとに変えています。これは体験学習の方ですね。野菜も生産農家の物も預かって、7月から11月まで自家生産物のマンゴーとドラゴンフルーツが3分1占を利用しています。他は生産農家さんの預かって常時入替えしています。
 ここがお客さんがたまにトイレを利用しますのでトイレの入り口周辺に、手前に見えるのがハーブのレモングラスですね、その次に、今はやりのノニの木が2本植えてあります。今、一番興味があるみたいですね。そして左手がですね、沖縄の野菜、ハンダマーや苦菜、ニラ、ねぎ、というものを植えています。そこへ来た方達がですね、陳列された農家の持ってこられた野菜じゃなくして、ここから自分で取らしてくれないか、ということでですね希望の値段、自分の必要なだけ取ってもらって300円置く方もいれば500円置く方もいるし、そういうふうにここは楽しみ半分の場所です。
 次はグリーン・ツーリズムの体験モニターの場面ですね。これは南部普及センターで、実践して私のとこでの農場の場面です。後で説明してモニターツアーの体験受け入れの見積もり具体的な計画を作成して発表しているところですね。体験学習がより分かり易いようにこういうパネルを作ってあります。デザインは嫁が講師で私の農場でこれから積みに行きますけど、こちらのドアの方ではさとうきびを作っています。何度か黒糖作りはしましたけどもやはり体験学習の方はちょっと危険などがあって、お客さんを招いての学習体験はやっていないです。農園で黒糖作りは何度か体験されています。
 こちらが私の農場で構造改善事業で57年に頂いたハウスです。その中に今はですね、私は60歳になったら切り花を主体にのんびり過ごす予定だったのですけども、グリーン・ツーリズムの勉強をしてからはまたその直販所ノウハウを学んで、グリーン・ツーリズムの今すごく燃えて年甲斐もなく頑張っているところなんですが、今咲いているエビデンドラムは冬の2月から6月ぐらいまでこの花とオンシジュームの花がいっぱいあります。そしてその他の農場には「きりば」というそれに添える葉っぱ類、枝ものそういうものも作ってます。 その花を摘んでもらって又しらかわファームに戻って、これが体験学習の現場ですね。
 これが初めて南部の受講生のモニターの場面です。ここが実践しているところですね。グリーン・ツーリズムの一期目を終わった時点2回目の実践講座の場面です。これを全部農場からここまでの距離は5分間ありますけど、やはり時間的には2時間ぐらい待たないと余裕は無いようでやはりおしゃべりも好きですし、花を見るだけでも時間がかかりますし、とにかく時間内に修めようということで必死でした。これは皆さんで最後に作成した商品、自分で生けたものを前にしての記念撮影ですね。ここに糸満の男性の方がいますけどワイン工場の方々ですね。向こうもやはりそういう体験をしたいということで男性が二人混じっています。でも最初は嫌々ながらのお花のお稽古、結構最後は楽しんでいました。ここがサトウキビ刈りですね。これは私、沢山の農場がありますのでぜひ体験学習は沢山募集したいところです。今機械で何とかやりかけてはいますけども、手軽で出来る範囲以内は十分にありますので、是非これは参加して下さい。以上です。
崎山:あの神谷さんのこの白川ファームはどの辺にあるんですか、東風平は、この中にいらっしゃる方が見に行きたいなと思ったらだいたいどこら辺にあるんでしょ。
神谷:東風平の上田原 という地点で白川小学校の下の信号を300メートル東側の方向の左手にあります。
崎山:探していって下さい、皆さん。ちゃんと地図もですね白川さんの、ここにあるそうですので。いきなり室内から入りましたので、東風平のどこにあるのかなと思いながら話を聞いる方もいらっしゃったと思います。今はあの白川さんはやる気満々でですね、また新たにグリーン・ツーリズムと出会ってよかったという意気込みを感じていらっしゃるということです。



『与那国島の魅力(資源)を求めて!』

崎山:じゃあ、続けて今度は与那国の東浜さんお願い致します。

パネリスト

ありはま やすのぶ
東浜 安伸

与那国町
産業振興課課長補佐

  私からは、埼玉県の私立の自由の森学園が、平成9年7月に与那国に修学旅行にみえました。その時の様子と体験活動を通して、改めて自分の島の良さと体験活動のすばらしさを実感したことを述べたいと思います。特にそのことをきっかけにしまして、やがては島を離れていく子ども達に、島の伝統文化や自然のすばらしさを伝えていこうと思い、それらを映像にまとめてみましたので宜しくお願いします。
 ご存じのように沖縄本島から与那国は南西50キロ、東京から1,900キロの位置にありまして、となりの台湾までは110キロの距離になります。島は28平方キロメートル東西に14km、南北4キロ現在人口は1,773名で804世帯の小さな島です。晴れた日にはこうして台湾の山並みを見ることが出来ます。
  平成9年7月に埼玉県私立自由の森学園が修学旅行で訪れたのですが、そのとき島は大パニックの状態でした。例えばですね、茶髪、金髪の子どもですとか、たくさんピアスをしたりですとか、元気な若者がいましてですね、大変でした。5泊6日だったのですが、その中の、プログラムが地元の伝統料理や民具作り、釣り体験、文化財巡り、サバニを漕いだりとかですね、あと、日本で最後の夕日がみたいと、あと、伝統芸能を体験したいと…。与那国馬に乗ったり、ダイビングをしたり、カツオの三枚おろしをしたりなど、5泊6日でそのような体験を行いました。
 この施設は平成7年に完成しまして、自由の森学園を受け入れた施設です。宿泊人員は60名でして、10畳の和室で6部屋ございます。食事は自炊で、用具が完備されています。料金が1泊350円とシーツ代が450円という風になっています。施設面積は950uありまして、敷地面積は10,000uあります。これが夕食風景なんですが…。そしてこれが民具作り体験の様子です。これは与那国伝統のクバの葉を使ったひしゃくですね、それを生徒達に作ってもらっています。初心者でも一時間ほどあれば出来るのですが、この、講師の池間苗さんは、平成14年度ですかね、全国森の名手・名人100人に認定されています。
 次は釣り体験の風景ですが、海のない所から来た生徒はこんなに小さな魚でもすごい感動していまして、その感動に感激したというか…。そして一番大変だったのがこのサバ二漕ぎ体験なんですが、沖縄本島もそうなのですが、与那国には北・中・南という3つの組がありまして、それぞれ組長に掛け合ってですね、(サバ二漕ぎを)体験させてくださいとお願いしたらですね、「あっちの組には負けるなよ」ということでですね、ウミンチュが燃えてですね、練習船ではなくて、本船までだしてくれて、生徒達がものすごい感動してくれていました。この日は天気が悪くてですね、見えなかったのですが、与那国では水平線に太陽が沈むのではなくて、台湾の山並みに太陽が沈んで行くというところですね。そして、伝統芸能をただ体験するだけではなくてですね、それぞれマスターした、与那国の「マヤー小」をやったのですが、3日間でマスターしてもらって踊り10人、三線6人と、歌29人、この人数の割当は子ども達がくじ引きで決めたそうです。一番人気が高かったのは三線を習いたいという生徒がたくさんいまして、そのときは三線(が)6丁しかなくて、6人となっています。そして最後に「風のどなん」を歌ってもらいました。地元の人も新鮮さを感じ、ようやく子ども達が地元に受け入れられたのかな、という風に思っています。
 その、平成9年の体験プログラムが良かったのか、平成11年には恐れ多くも47名が来てですね、平成9年に訪れた生徒ですが、篠満里江さん、この方が卒業してすぐ与那国で暮らし始めてとてもびっくりしたのですが、今まで援農隊として3回来ているらしいです。現在は熊本で農業の修行を行っているということです。彼女に色々聞いてみますと、与那国の魅力は自然の雄大さと人の温かさ、優しさ・・・。本当かどうかはわかりませんが。彼女が一番感動したのは「私が修学旅行に来ていたのを地元の人が覚えていてくれたということが一番うれしかった」といっていました。それで、出来ることなら毎年援農隊として来島したいと語っていました。
 そのことをきっかけにしまして、島の子ども達に島の文化や自然のすばらしさを教えようということで文化財愛護少年団を平成12年の3月に18人で立ち上げました。その団長に先程の講師の池間苗さんを持ってきまして、色々な活動を行っています。特に野外活動が中心なのですが、例えば空き缶でもご飯が炊けますよ、とか、ひっくり返せば目玉焼きが焼けますよとかですね、田舎は田舎の材料を使った方が一番いいのかと。これは竹で箸をつくったりコップをつくったり、自分の道具は自分で作って食べると。子ども達にロープワークやブルーシートでテントを張ったりとか、既製品を使わないキャンプですね。それを行っています。後は、与那国は色んな動植物がありまして、それを見ながらハイキングをしたり、沢下り体験をしたりとかですね。こういった体験を行っています。
 これからは与那国島の珍しい動植物たちを紹介したいと思っています。いずれこれが貴重な資源になるかな、と思っています。ご存じのようにヨナグニサンのメスですね。ヨナグニイソノギクは与那国島の固有種です。ヨナクニトキホコリ、これも与那国島の固有種です。最近新聞、テレビ等で出ていますが、タイワンヒメシジミですね。世界最小の蝶なのですが、与那国では見られるということですね。新聞等で報道されたとき、地元の人はなぁんだ、あのチョウチョウだと全部知っていました。アオナガイトトンボなんですが、国内では唯一与那国島で生息していますが、沖縄では、似た形がルリノイトトンボが似ているかな。ヨナグニヒシバッタとかヨナグニアリヅカコオロギとか画像がなくて申し訳ないと思っていますが、日本在来馬の与那国馬がいたり、これは、最近から話題になりました、ヘニキア文字ではないかと。これも最近テレビ等ででました人面岩。これは正面から見ると全然人の顔には見えなくて、斜めから見るとそうかなと言われる岩で、今注目されている岩です。
 与那国の祭事と芸能は昭和60年国指定の重要無形文化財に指定されています。
 平成14年3月に緑の少年団を立ち上げまして、文化財愛護少年団、緑の少年団、そして総合学習のなかでの支援ボランティアとして、子どもたちの活動を支援しています。これは総合学習の中の森林教室の一つです。低学年はリース作り、中学年はニオウシメジの植え付け、ネイチャーゲームをしたりとか。高学年はドラム缶による炭焼きを体験したり、本釜からの炭だし等活動しています。
 これは最近友達になりました、那覇にある居酒屋「弘」という店ですが、ここの店長が西表島出身ですが、飲み友達になりまして、いろいろ与那国のことをインターネットではなくて、口コミで宣伝してもらっている店です。どこにもある店内の様子ですが、「Dr.コトー」のポスターを貼ってもらって与那国をPRをしてもらったりとか、小さい一角に与那国の図書をおいてもらったり、パンフレットをおいてもらったり与那国の情報を発信してもらっています。奥さんと店長ですが、店長の話ではなかなか好評であるそうです。やがて兄さんが横浜に居酒屋を出すとのことで口コミ情報店2号店が横浜に近々できますので、出張の際は是非立ち寄ってみてください。
 これからの課題ですが、観光マップではなく、資源別(文化財・動植物等)のマップ作りをしたいなと思っています。あとは人材作り、地域の連携、3集落ありまして、例えば林業、農業、漁業のネットワークを是非作りたいと思っています。文化財愛護少年団は一期生が今度卒業していくもんですか、10年後には人材となって帰ってくることを望んでいるのですが、子どもたちはいやだと言っています。教えた4年間はなんだったのかと言いたいが・・・。口コミ情報発信指定店は個人的に行っているため、できれば町の指定にできないかなあと、そこで看板の提示や口コミ情報店を教える情報を伝える情報が必要かと思ってます。
 与那国はグリーン・ツーリズムがまだまだ環境整備や受け入れ体制や農家の意識の改革とか課題や問題まだまだ多い、地域連携システム整備事業が導入されまして、受け入れ体制、協議会づくりをこれから与那国は整備されていきたいと思います。あとは北部や南部とかの市町村のいいところを受け入れて、与那国らしさが出せるグリーン・ツーリズムができればいいかなと思います。
 これはある中学生が言った言葉ですが、「世界から与那国島は、見えないが、与那国島から、世界が見える」という言葉に感動したんですが、島の大先輩の言葉で「小さき島を憂うなかれ、広き太平洋の広きを見よ」といった大先輩がいるんですね。「こんな小さな島で満足するな早く出て行きなさい。」と一方であります。子どもたちにどれを教えていいか悩みの種ですが・・・。やっぱり島の小さいところにいるのではなくて、広いところを見て、また、大きくなって知識を蓄えて、与那国の発展に尽くしてくれればいいかなと思います。
 これが第1期生で小学校6年生のときです。この写真を見せると子どもたちはかわいいねと笑っていますが、3月には卒業して島を出て行くので、結構なつかしいなあと思っています。これで以上終わりたいと思います。「アラーグ・フガラッサー(ありがとうございました)」

崎山:与那国町の産業振興課、東浜さんの報告でした。ちょっと照れ屋の東浜さんですが、普通はマイクを持ってカラオケ等の活躍をする人物だと聞いています。口コミの与那国を紹介する拠点を作りたいということですけれども、東浜さん、与那国出身の方で沖縄で随分活躍されている方やお店を持っていらっしゃる方随分いらっしゃいますよね。例えば、日本一の民謡歌手になった「宮良康正」さんも与那国の出身で、お店へ行くと’与那国ションカネー’を歌ってくれますよね。あそこも又いいんじゃないですか、拠点の …  
東浜:今、口コミ情報というのがあんまり知られていないからいいかなぁとは思うんですけど、それが公になると苦情が殺到するかな、と… 思います。
崎山:東浜さんから先程紹介にあったように実は与那国には本当に色々特異的なものがあるんですよ。民族芸能の中でも、「与那国の棒」というのは沖縄の民族芸能の中でもすごいんですよ、迫力が。東浜さんもやった方ですか、子供の頃から結構…
東浜:そうですね、小学校の頃からやっています。
崎山:すごい真剣勝負で、結構すごい魅せるものですよね。
東浜:ええ、失敗して怪我をしたりとか、やっぱり相手が攻撃するとこっちもやるじゃないですか。5できたら、10で返したりとか(笑)。
崎山:本当に「与那国の棒」は、沖縄の民俗芸能の中でもポイントの高い、魅力の多い、迫力のある、棒なんですね。是非機会があったら観て頂きたいと思いますし、沖縄本島にいらっしゃった方で「与那国の棒を保存する会」の活動もしてらっしゃいます。
 今、ちょっとでておりましたけれども、今度又フジテレビで再開する「Dr.コトー診療所」の番組、これは10年がかりでこれから与那国を拠点にドラマが作られるといいますけれど、やはり、観光客の動きというのは、このドラマと併せて大きな影響があるのでしょうか、東浜さん。
東浜:ええ、迷惑するくらい沢山来ていますね。(笑)  
崎山:町長に言ったら怒られますよ、職員として。まさに、さきほどの河野さんの報告じゃありませんけれど、与那国の財政厳しき中でですね、これだけ広告を打とうと言っても何十億かけても出来ない事なんですよ。ありがたいと思ってですね、それをどう活かすかを職員として考えてみて下さい。宜しくお願いします。って、私が叱ってもしょうがないんですが(笑)。東浜さんは、こういうものを実践していらっしゃる方です。



『在来作物栽培で地域興し』

崎山:続いて、3番手になりました、新城寛成さんに登場して頂きます。地域興しのマイスターという、今日、皆さん「マイスター」という言葉を是非覚えてお帰り頂きたいと思います。本当は2時間必要だとおっしゃっております。時間をオーバーしたら私に合図をするようにと言われてますけれども、新城さんの方から是非、宜しくお願い致します。

パネリスト
あらしろ かんせい
新城 寛成
地域興しマイスター
(営農マイスター)

 旧正おめでとうございます。お2人さんには、写真を含めて説明がありましたけれども、私は無手勝流で本当のボランティアです。一銭も補助が無いもんですから、ああいう写真が撮れないのです。どうか私の声で、脳裏にインプットして下さい。
 県職員退職後は、歩くことが好きなのでハルアッチャーしております。ハルアッチャーは誰でも出来るわけですが、せっかく歩いて行くんだのに、そこで何かやらんといかんじゃないの、と思いついたのが「パッチワーク農芸」。何で農芸なのかと、みんな、退職しておかしくなったのかなーという風に感じる所が沢山あると思います。今日のレジメに書いていない部分だけを話ししながら、そして笑って下さい。このパッチワークというのは、女性の方はすぐパッとくるでしょうが、男の方は「パッチワーク?ヌーガー」と思うでしょう。男の方には「モザイク模様」と言った方がいいでしょう。そういう表現でですね、あちこちに自分の好きなものを植えて、自分で食べて、余った分をお店に出す。皆さんは作って出して、余った分をお店に出しているようですけれども…。どうすれば人間が健康に育つか、どうすればとてもおもしろいものができるんじゃないのだろうかと考えています。
 一例に申し上げますと原種・在来を育てることです。原種のノビルというのはどこにも生えているんですよ。何でノビルかなぁ、と思ったらですね、時期になったら、さっと伸びてくるんですよね。雑草として伸びているんですけど、草を取ると、私の所ではちゃんと11月25日には芽を出します。ノビルはですね、水晶玉の大きさになるんですね。あれを商品化すると、高値で売れるかもしれないですよ私の原種・在来のこだわりが、どういうところから来たのかをいいましょう。
 今盛んに消費者の皆さんは、無農薬が1番いいとおっしゃっているんですよ。退職と同時にですね、改良種の野菜を23品目作ってみました。農薬を撒かないで、どれ位獲れるのかなぁと思っていたら、みんな穴だらけの野菜ばかりできてしまいました。これを買う人は全然いないですよ。消費者は嘘つきです。無農薬の野菜なら本当に買ってくれるものと信じていた。でも、前職が農業改良普及員という立場にいて、本当に農薬を使わないで作れるのか、まずはやらないとものは言えないから、作って出してみる、そしたら買わない。そうすると無農薬栽培をするためにはどうするかというと、原種・在来か、こういう強いもの、ウチナーンチュみたいに、太陽に出ても白くならなくて黒くなってゆく、胴金のようにに強い野菜じゃないとダメ。この経験から発想しました。
 たとえば大根、東京にも沢山あるんですけど、昔は青首なんて大根無かったんですよ。今青首が人気があるということで首が青ければいいのかなと思っています。昔私が県職員になった頃に東京に練馬大根というのがありました。これも今はなくなったそうです。首はみんな青首、首の無いやつはみんな切りとばされるわけですよ。沖縄の島の大根は、「ワインチャ」といいます。ワインチャというのは、昔は小禄に農業試験場があった時に育成された品種なんですよ。 だから「小禄大根」とも「カガンジー大根」とも言います。そういう小禄のカガンジーで育成された品種はないのかなぁと、あっちこっち回って 原種の種を探していきました。これも植えると虫にやられました。これも農薬使わないとダメなのか、やっぱり無農薬では無能かなぁという風にも考えています。
 そういう風にパッチワークのように色んなものを作っています。で、たまたまその地域でお年寄りの方が「もう作られない、私は畑が出来ないからあんたやれ」と集まってきて、パッチワークのように畑のふろしきが出来ました。今、約300坪位の所にですね、自分の好きなものを作っております。
 「椿の会」というサークルをやっておりますが、たまたま大宜味村でですね、椿の群落を発見してですね、色々調査してみると、まだ品種名も付けていないんですが、5種類発見しました。となりますとやはり、椿というものについて宣伝しないといけんだろう、と言う風に話しが出てきて会が立ち上がった。その椿の会で、まず最初に大宜味村がその原産地であるという証明出来るヒメサザンカを植樹しようという事となり、大宜味村字大宜味の農地に植樹しました。その写真がレジメの方に映っておりますけれども、このヒメサザンカ、大変香りがいいんですよ。匂いがとってもいい、香りが何とも言えないです。もう、昔の香水の匂いっていうんですか、そういう素晴らしい匂いがする。これはやはり、景観を作りながらその地域にシークワーサーと椿をもってですね、公園化できたらいいなと思っています。今は原生林もありますので、そこに遊歩道を造りまして、山登りもさせております。
 たまには東京から「ブナガヤーツアー」と言ってですね、ブナガヤーというのは、各地域ではキジムナーと言っているんですが、そういう妖精を見たいっていう人達がいて毎年1回来るんですよ。その日は雨が降ろうが風が吹こうが必ず山に登る。で弁当はブナガヤー弁当。地域にあるレストランに注文して、ブナガヤー弁当を引っ提げて山に登ります。天気の良いときには水が欲しいんですよ。でも私は、「水持ちなさい」なんて言わない。あの山は水が無いので自分だけリュックにボトルに詰めて、先に行き、皆さんが上がって来るのを待ちます。「水欲しい人〜」と言ったらみんな水欲しがるんですよ。だからそっと側に行って、月桃の葉っぱをクッとひねって薫りを出して、その薫りと匂いで、癒しをしてもらおうと。「は〜良い匂いだな2杯飲みたいな。」「いや一杯です。」と一杯限りにしてですね、この水の尊さを感じてもらう。山原の水はいいねぇ、旨いし薫りもいいなぁ。やはり月桃の薫りもいいもんだなぁと。そういう癒しできたらいいなぁと、山に登りながら考えるのです。
 それから、皆さんご存じだと思いますがインドの「アーユルベーター」。この間たまたま、私はインドに行ったこと無いもんだから、地球儀をこう回してみたら同じ緯度にインドがありますね。そのインドの「アーユルベーダ」は東洋医学の基本とも言われているもので、どういう物を食べているんだろうということでちょっと調べてみたら、結構面白い事が分かりました。お互いの地域にある在来種、シブイ、ナーベラ、こういうウリ類はインドでも使われているそうです。そしてインドの歴史の中で、食べ物で病気を追い出すとか、食べ物が健康と繋がりがあると書かれていました。私は自信を持ちました。現職であった頃、あちこちで「シブイができすぎて困る」「これ何とかならんのか」といわれた時、「これ簡単だよ〜、水をミキサーに入れてシブイから水を抜いて、カスを実として売れ」とよく言いました。それを売るためにはやはり加工しなければならない。今生活改善の中でも色々やっておられると思うんですが、これは梨よりも旨いですよ。そういう事をやりながら、いわゆる農業は加工までもっていけますね。
 なぜ私がシークワーサーかということも詳しく説明したかったんですが、ある日、岐阜県の高校の生活科の皆さん80名が、シークワーサー苅りを体験したいとみえました。、じゃあシークワーサー苅りだけでは寂しいんじゃないか、シークワーサーを採ってきて何かできないのかと思いました。アカバナは沢山咲き誇るが、沖縄の方はアカバナを使おうとしない。シークワーサーにもフラボノイド成分が含まれているし、そのアカバナーの花弁にも含まれている。これでいわゆるダブル効果が出てこないかなと思い、ジュースの加工体験させました。アカバナの汁を搾ってシークワーサーを交ぜると、みるみるうちに色が変化していった。「芸術性を帯びているなぁと。」といいながら又飲んでみると、「うまいなー」ってことになりました。様には人間の五感を動かすようなものが沢山あります。そしてそれをどうお互いが活かしていくかというのも、先程お2人の方からもありましたし、基調講演の先生の話にも沢山ありましたが、いかにすれば人を動かせるか、人を向かわせるか、どう惹きつけるとかというところの要領、それはよそに学んでも人真似はしないと。こういう事でいけば必ずや成功するんではないかなと思っています。
 もう1つ、山の話はしましたが、海。沖縄の海は山から観ると1番綺麗です。泳ぐだけでは海の美しさは観えません。山に登れば素晴らしいです。グリーンから青までの変化がザーッと沖まである。それを一望出来るのは山の頂上でしかない。そういう山もあるわけです。 そして観光客の皆さんには、「皆さんが今日お見えになるという事で、私は夕べバスクリーンを流しておきました。」こう言ったら拍手が出ました。(笑)そういうことで、あぁ、ジョークでも素晴らしいんだなぁ。観るだけでも健康になれる、その癒しを沢山積み重ねていくと、面白いのが沢山あります。
 野菜にもこんなのが沢山あります。植物にもこんなのが沢山あります。いつも見ているけれども、やはりこれは糖尿病に効くよと、最近の生活習慣病、「あぁそうですかー、これもらっていいんですか」っていう人も沢山出てきます。 こういう沖縄ならではの物が沢山あるんで、どういう方法でグリーン・ツーリズムに活かしていけるのか、これからも私なりに研究していきたいなぁと思います。時間になりましたので、これで一応終わらせて頂きたいなと思います。皆さんどうもお粗末様でした。

崎山:今のお話伺ってますと、やっぱり元気にお年寄りが活き活きとしているのは、何よりも多くの人達に感動を与えるんじゃないかなぁと思います。
 それぞれ神谷さんには「多角化経営で夢のある農業を求めて」ということでお話しして頂きました。そして、東浜さんには「与那国島の魅力、資源を求めて」というかたちで、特に子供達に与那国の文化財愛護少年団の模様を中心に、次世代をどうバトンタッチするかというお話だったと思います。そして3番手の新城さんは、はなしたい事が沢山あったんですけれども、是非、在来の作物をもう1回見直すべきだというお話でした。今考えたら、私達の通りを埋めている木もそうですよね。だんだんブラジル辺りの観葉植物も植えられてますけれども、改めて在来の食べ物や植物も含めてもう1度、地域興しの中に活かしていこうというお話を、大宜味村のツアーを通してお話して頂きました。
崎山:三者三様の報告を聞いて頂いたのですが、お隣の河野さん、皆さんの講演を聞いて、沖縄のグリーン・ツーリズムを聞いて、もし感じたことなどありましたらお話を伺えると有り難いと思います。

まず、動くこと

河野:それぞれ頑張っている事に対してどうこう言えるような立場ではありませんが、やっぱ神谷さんの所は凄いと思いますよね。神谷さんのように自分で作った物を売り、それから家族を巻き込んでみんながこの経営に携わってるというのが「理想」じゃないかと思う訳です。しかも、お話ちょっと聞いたんですが、自分で全部自己資金で直売所も作ってるようですが、大分とかだとですと、結構行政の補助金で直売所作るとか、農協が作ってやってるとかそういうのが多いんですね。うちの町にもありますけども、個人が自分でそういう直売所を作ってるというのはあんまり無いんですよ。まあそこが沖縄の方の素晴らしさかなとも思ってます。
 それから、与那国にしても、在来作物の栽培の地域興しにしても、まだまだ大きな事じゃないかも知れないけど、そうやって動くということがやっぱ非常に必要なことだなと思ってます。それに非常に大きな効果が見えたかというとそうでもないようですが、このように動きを起こすという事が、まちづくりとかグリーン・ツーリズムのきっかけになっていけば、町が元気になるんじゃなかろうかと、そういう印象を持ちました。有難うございます。
崎山:ありがとうございます。河野さんの事例にもありましたけども私達、人の顔を見ても私達は自分の顔だけは見えませんよね。鏡を通して、あるいは第三者の何かを通してしか自分の顔って見えないようになってるんですね、同じ様に自分が生きてる生活の土壌っていうのも第三者を通して、自分たちが触発される事ってよくあるのではないかなと思います。あの、安心院の場合によそから来た人達がありのままの自分達の暮らしを通して改めて、人の暮らしの原形に触れて感動するとか、例えば与那国で迎え入れたあの修学旅行の高校生達を通して、逆に自分達の島の素晴らしさに触れる、実感するって事があるのではないかと思います。神谷さんのように自己資金でやる、行政に頼らずにやるというのは沖縄では少数派ですね。沖縄の私達、何かやる時につい補助金は何処にあるかとかですね、そこのほうにやはりウエイトがいってしまっているところが今なきにしもあらずですよね。それは決して間違っているとは思いませんけども、そういうとこにもっと自分達で出来る事をしっかりやっていくっていう事というのは、農業を問わず沖縄の全体の中で言えるのではないかなと思うんです。
  でも神谷さん、素敵な事をやってらっしゃって、もっと多くの人に見てもらいたいですね。これから神谷さんがお仕事をするにあたって、是非今日とても良い機会でありますので、行政の方々とか、是非ここの方こんな風にして欲しいとか要望がありましたらお願いいたします。

役場の人もいっしょに

神谷:実はですね、南部普及センターの中で「南部の味起業講座」、そのセミナーを受けて特産品のノウハウをまなびました。私達受講した者達にはその感動は大きかったんですけども、役場の方が殆ど知らないんです。今日は東風平の方見えてますか、こういう状態でですね。
崎山:いえ、東風平の方いらしてますよ、いらしゃってたら叱ったりしませんから、手を挙げていただいて…来てます、神谷さん、そこに)要するに私達が学んだものを、直接話を相談する窓口が役場にありませんので、ぜひ私達と一緒に実践講座に参加してほしいのが希望ですね。もう一つは、グリーン・ツーリズムに私は今、挑戦してますけども、私の他に5名の受講者がいます。ですからこの6名でですね、力を合わせれば大分のこの安心院の町にも劣らない位のパワーが出来ると思うんです。ですからまず今日1人見えていますから、その方、町長さんと役場の方に、ぜひ一緒の勉強して欲しいということをお願いしたいと思います。
崎山:神谷さん10分間ここで学習していきますから是非、町長室行かれてぜひさっきのパワーポイントを町長に見て頂いて下さい、安心院の方でもそうですけども、やっぱりしっかりと私達夢を持ったら、その希望・目標に向かって行動していくことが、もっともっと次のステップに進めますのでぜひ神谷さん説得力ありますのでね、是非仲間でもっと広げてもらいたいなと思います。
神谷:そうですね、頑張っていきたいと思います。
崎山:もうこれからは行政を私達が引っ張る時代です。神谷さん、そうしましょう。やっぱりこれから変えていけるなと思います。
 続いて東浜さん、与那国のファンが随分と増えたと思いますよ、居酒屋に行かなくても、こういうシンポジウムでもね。やっぱり東浜さんの中には子供達、次世代の子供達にしっかり島の文化をしっかりと継承したいという心がお有りになるんでしょうか、そこら辺を含めて。どうぞ。

取り柄を一つ

東浜:そうですね、教育委員会に5年間いたこともあり、高校を離れたときに、河野さんが言うみたいに自分達の島を誇れる子供達になって石垣や沖縄本島に行ってもらいたいなと思います。勉強は二の次でも人間取り柄が一つあればいいかなと思っています。例えば総合学習では手旗信号とか、ロープワーク。釣り針の作り方とかですね、色々教えたんです。釣り針っていうのはもう店に行けば買えるじゃないですか。それを買うんじゃなくて、釣り針が作れるよというだけでも、那覇に行けばもてるよとおだてて教えたんですけど・・・。そういう風に島にいる15年のうちに何かを一つ出来ればいいのかなと思いで今でも子供達の面倒を見ています。
崎山:あの、先程映像にも出ていましたけども、池間苗さんは私放送局時代に与那国で与那国の文化を色々と教えてもらった女性なんですよね。やっぱりこういう人材がいるって事は大きいですよね、苗さんは花織という織物も含めてやってらっしゃいますし、民具の収集だとかですね、しっかりおやりにやって、与那国島に渡ってきた方々に与那国の文化を見える形で、聞こえる形で伝達する人でもあるんですね。そういう人材がやっぱりしっかりと育って繋がっていくことが重要ですね。東浜さんはまたそれやれそうですね。心配しないでそんな不安そうな顔をしないで下さい。
東浜:池間苗さんからいつも怒られているのは、行政による博物館がないことなんです。池間苗さんが頑張って集めた資料が与那国の文化を、色々伝えてるんですけど、どうしても文化面では与那国町は疎い面がございまして、なかなか池間苗さんに頭が上がらないのが現状なんです。
崎山:現在の「サンアイ・イソバ」ですね、まさに池間苗さんが。昔、女酋長がいたんです、与那国の人をですね、非常に飢饉や干ばつから守った。私は沖縄に生きる女性の一人としてこのサンアイ・イソバの物語がとても大好きなんですけども、ぜひ与那国からもっと広がっていければなと思ってます。
 あの新城さん、今日はもう時間が無くて私をみながら、大変遠慮しながらお話していただいたかなと思いますけども、今日皆さんの事例を聞きながら今ご自分がやってらっしゃるグリーン・ツーリズムですね、これあのやっぱり可能性が大きいと思いになりますか、沖縄の例えば長寿食あるとか、それから沖縄にしかない自然であるとか、それからさっき山から見た海がとっても美しいとおっしゃってましけれども、沖縄の海がこれだけ珊瑚礁が豊かなのは山原の森があるからなんですね。森が魚を育んでいるというほんとに命の巡り、循環がある訳なんです。こういうことを実践で伝えながら観光客の皆さんにご案内をしてらっしゃると思うんですけども、とりわけこちらにいらっしゃる皆さんに、もし最後にお伝えしたいことがございましたら、是非先輩としてお願いします。

異業種との交流を

新城:先輩というよりも、やんばるから来た男の声という事で、異業種の話をちょっとしてみたいんですが、カールルイス、短距離100mのこの世界的な有名な選手。その選手のスパイクを作った人は須藤さんという日本人だそうですね。カールルイスの記録を0.01秒を縮めるために日本人が関わっていたというのを書物で見たときに、「世界一は日本人だ」という風に誇りたかったです。世界一の記録更新をする為に、あのスパイクはタオル一枚の重さだそうです。未来という事を考えていく上で、直接関係するとすれば、私達農業サイドでもやりたい、やってみたい、実現したいという農家がいるとすれば、裏で誰かが手助けしてあげないとだめかも知れない。お互いは農業に関わるものが大きいと思いますが。
 将来のタンパク源は昆虫パウダーだという事を聞きました。だから無農薬栽培で作った野菜の中に虫がいたらこれを食べても別に毒にはならんのじゃないかと、まあそういう事で可能性として蚕を養殖・増殖してパウダーにするっていうことが、一番未来のタンパク源の研究をされてるようですけども、そういう事を考えたときに牛肉のタンパク15%、豚が22%、鶏が23%、蚕が56%というんですからこの可能性は絶対にあるかも知れないという事を含めて、お互い農業に関わる皆さんと共に私は現場からバックアップしていきたいなと思います。
 そういう事で時間がある限り、この役割マイスターをやっていきたいなと思っております。大変お粗末でした、今日はありがとうございました。
崎山:マイスターの新城さんに来ていただきたいときは、直に申し込めば大丈夫なんですね新城さん。マネージャーなど通す必要はないんですね。
新城:はい、私一人です。
崎山:県の中に3人のマイスターがいらっしゃるということですけども、各地域でぜひ新城さんのお話をゆっくり今度聞いていただければと思います。
 さて、最後に河野さん、沖縄の私達にとって、あの「安心院方式」というのを生み出して、これまでの国や県が定めたものを安心院方式に変えていく、下から地方から変えていったということがお話の中でもとても印象に残りました。そして何よりもやっていく人の気力、そこに立ち会う人達のいわゆる他人任せではなく、自分がやるんだっていう気合いと勢いが、あの感動を作りグリーン・ツーリズムに繋がるんだなと思ったんですけども、沖縄の私達にもし良かったら最後に一言お話をお願いします。

お金儲けに走らない

河野:もう全て言っていただいてそれで何も無いんですが、グリーン・ツーリズムとか都市農村交流とかをしても、非常に儲かるとかそういうものではないんですよね。しかし、ボランティアではだめなんです。都市と交流する時にボランティアでするというんじゃこれは二、三回しか続かんのですね。そこには何か経済的収入が入るとか仕組みを作っておかなきゃならない。しかしながら儲けようとか、他の人から銭もらおうとかそういう事でグリーン・ツーリズムに取り組むとお客さんから見透かされる所が結構あるんですね。ですからやっぱり収入も入るけれどもそれ以上に自分達の生活が楽しくなるとか、自分がやってきた事が評価されるとかそういう精神的な面での潤いもあるんだっていう所に心して取りかからないと、やった割には儲からんわっていう話で止めたってなります。お金だけじゃない人の付き合いとかそういう色んな儲けが、自分の体の中に、心に、入ってくると思ってやる事が大事じゃないかなと思います。
 それからその農村の良さっていうのを都市の人からお金をもらうんだっていう商業主義に走りすぎるのはお客さんからも、行きたくないなと思われたりとかするわけですから、やはり安心院らしい農村らしいその人の心とか、沖縄らしい人の持ってる優しさや心というのを見て頂いて感じていただいて、その結果ありがたい事に色んな物を買ってくれたり、お泊まり頂いて経済の方は後から付いてくるんだという気持ちでやっていく事が、成功の秘訣じゃないかなと思ってます。うちの町なんかそうですよ、資源が凄いかっていったらそうでもない、ほんと何処にでもあるような農村なんですけども、何処に差があるのかというとやっぱり「歓んで交わる」という歓交という名前の様に来た方を大切にしたい、そしてまたそういう人が、もし安心院が良ければ口コミで広げてくれっていうこうインターネットとか早く正確に伝わる時代だからこそですね、人の繋がりとか出会いを大切にしていく様な交流に心がければ、少しずつかも知れないですけども、お客さんが増えていくのではなかろうかなという気がしております。ほんと沖縄の方の心に感謝いたします、有難うございました。
崎山:どうも、河野さん有難うございます。そう言っていただけたら県民の一人としてうれしいです。海に囲まれてる沖縄では、海を渡ってくる人達は昔から「希なる人」といって、希なる人は必ず幸福とそして豊穣を携えて渡って来ると言われてるんですね。河野さんのお話は私達にやはりその豊穣を与えてくれたんじゃないかなと思います。
 今日は三名の方に沖縄側から事例の紹介を含めて、その現場からの報告をしていただきました。グリーン・ツーリズムという名前が出てもう久しくなりますが、沖縄でこれでとても成功したという話はまだ無いわけです。しかし、グリーン・ツーリズムを契機にしてその地域がどんな風に生きていくかっていうデザインを自分達で描いてみることが大事ですね。それから沖縄の中でもさっき言ったサポーターや理解者をどんどん増やしていくことが必要ですよね、そのためにも自分たちの足下をしっかり学習しながら、目標を持つということはとても大きいことだと思います。まず、目標を持ってそこにどう歩いて行くというときに、今日の事例は参考になるのではと思います。それぞれの地域には地域にしかない、固有の本当に尊い財産がたくさんあると思います。それは目に見えるものであったり、見えないものも含めて、改めてグリーン・ツーリズムということを契機として通じて自分たちの地域の自己表現だとか、私たちはどうやってそれを次の世代につたえていくかを含めてお互いに高めあっていくことができれば、とてもうれしいなあと思います。
 私は農業の現場にいらっしゃるみなさんが、元気であることが絶対大事だと思います。今、食の安全も含めて、いろんなものが、あっというまに危険になってたりですね、非常に安心して暮らせない時代になっています。だからこそ自分たちの地域をしっかりとデザインして、自分たちの目標をしっかり見つめながら、その地域地域が豊かになっていくことで沖縄全体が豊かになっていくことに繋がればいいなあと思っています。
  遠くからお越しいただいた河野さん、是非みんなで安心院に行ってみたいと思います。それから、しらかわファームにも足を運んでください。与那国もおすすめ致します。みるところがたくさんあります。酒、強くなくてもOKですよ。大宜味では私もいただきましたが「長寿弁当」というのがあります、是非試食してください。どうもありがとうございました。まとまりにならなかったかもしれませんが、是非「体験交流を通じたむらおこし」。このことを通して、沖縄のある意味での観光にも広がりをもてればいいなあと思います。今年も一年ともにがんばりましょう。よろしくお願いします。大きな拍手を皆さんによろしくお願いします。ありがとうございました。





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