首里城復興に向けた基本的な考え方(令和元年12月発表)

ページ番号1012890  更新日 2024年1月11日

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2019年10月31日未明に発生した火災により、琉球王国の象徴であり沖縄県民の誇りであった首里城正殿を含む建物8棟が焼損した。

首里城は創建から先の大戦まで4度焼失し、幾多の世替わりを経ながらも、人々の強い思いとともに、その都度、復元されてきた。

前回復元時においては、首里城復元期成会が結成され、多くの県民と復元を願う人々のたゆまぬ努力によって、復帰20周年を迎えた1992年に復元され、30年近くの年月を経て、首里城は県民の心の拠り所として、かけがえのない場所となっていった。

今般の火災により焼け落ちていく首里城の姿は、県民のみならず、多くの国民や世界各国の人々に大きな喪失感を与えた。しかしその直後から、首里城の焼失を我がことのように心を痛め、その復元に向けて何かできることはないかと多くの人々が立ち上がり、沖縄県には国内外より激励の声や復興に向けた支援が数多く寄せられている。

かつて琉球は小国でありながらも諸外国に橋をかけるように船を通わせ、近隣国と良好な関係を構築し繁栄を遂げた。首里城の歴史は琉球王国の歴史、まさしく万国津梁(世界の架け橋)として独自の文化を築いてきた歴史そのものである。沖縄県は、先人達が知恵を結集し、心を一つに復元してきた首里城を再び甦らせるため、政府の「首里城復元に向けた基本的な方針」等を踏まえ、国や那覇市等の関係機関と連携のもと、積極的な取組を進める。

そのため、以下の基本的な考え方に基づき、広く県民の声を取り入れながら、首里城の復元はもとより、首里城に象徴される琉球の歴史・文化の復興に取り組むこととする。

  1. 正殿の早期復元と段階的公開
    首里城のシンボルである正殿の早期復元に向け取り組むとともに、復元過程の段階的公開を行い、首里城の「過去(歴史)」を知り「現在」を感じ、新たな「未来」に思いを馳せることができる場を目指す。
  2. 火災の原因究明及び防火・施設管理体制の強化
    火災の原因究明及び防火体制の検証に基づく再発防止に向けた防火設備の強化等、最新技術を取り入れた復元手法の検討を行うとともに、専門家の意見を取り入れ、安全性の高い施設管理のあり方を確立する。
  3. 文化財等の復元及び収集
    今回の火災で焼失した貴重な文化財等の復元及び国内外へ散逸した文化財等の収集を行い、次世代へ継承する。
  4. 伝統技術の活用と継承
    建物復元に必要となる木材や瓦等の調達に向け取り組むとともに、琉球王国時代より脈々と受け継がれ、蓄積されてきた伝統技術の活用を支援し、その継承に向けての取組を支援する。
  5. 琉球文化のルネサンス
    首里城の焼失により、改めてその価値が認識された琉球文化のルネサンスを興し、将来にわたりその価値を高め、ウチナーンチュが誇れる琉球文化を国内外へ発信する。
  6. 世界遺産としての首里城を中心とした歴史的環境の創出
    首里城跡(遺構部分)を適正に保全し、世界遺産としての価値が悠久に評価されるよう取り組むとともに、首里城を中心に琉球文化を体現できる場として周辺地域の段階的な整備を検討し、風格ある歴史的環境を創出する。
  7. 歴史の継承と資産としての活用
    戦禍等により灰燼(かいじん)と帰しながらも、平和と繁栄の象徴として繰り返し復元されてきた首里城の歴史を、次の世代を担う子どもたちに語り継ぐとともに、首里城の復興を通して、多くの人々の思いや努力が結実していく姿を、文化、教育、観光の資産として活用する。

沖縄県としては、この度の首里城における火災について、多くの方々よりお見舞いの言葉、また、復興に向けての支援が寄せられていることについて改めて感謝するとともに、多くの県民が未来へ希望を持って歩んでいけるよう、一日も早い首里城の復興に向け、今後は有識者による議論や県民の声を踏まえて沖縄県の基本方針等を策定し、積極的な取組を進めていくこととする。

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 土木建築部 首里城復興課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟10階(北側)
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