環境づくりと産業振興が融合した魅力あるまちづくりに向けて、フランスの事例 を視察してきました。“ソフィア・アンティポリス”、“ニース・エコバレー”、 では豊かな自然と都市機能を融合させたまちづくりが行われています。
自然あふれる緑のあるまち
人が集まる、楽しめるところ
道路や公共交通

ソフィア・アンティポリス
自然あふれる緑のあるまち
ソフィア・アンティポリスの面積約2,400haの9割が緑地(県指定 公園)となっており、法律で建物を整備する際は建物と同規模の緑地を 整備することが定められています。
ソフィア・アンティポリスの街並み
研究施設の様⼦
コート・ダジュール⼤学の様⼦
道路や公共交通
当初は車移動が中心でしたが、社会情勢の変化を踏まえ、シャトルバス(10分~30分/回程度の頻度で、ニース市内を結ぶ)が整備され、利便性が向上しています。
自然環境を優先したインフラ整備を進めた結果、道路は地形に沿うカーブの多い構造となっています。
公共交通(バス)の様⼦
地域内の道路の様⼦
豊かな自然環境と都市機構の融合
周囲が森林であることから、火災の心配がある製造業の立地は規制されており、通信分野や研究機関等の立地を誘導しています。
当初は、産業拠点として位置づけていたことから、住宅はありませんでした(近隣のまちに居住)が、入居企業等の要請により、現在は住宅 や生活利便施設等が整備されています。
入居企業は、当地域内の環境だけでなく、フランス南部の気候や集積 している観光資源やレジャー資源等を評価し、従業員満足度も高い。
ソフィア・アンティポリスの街並み
ソフィア・アンティポリスの街並み
緑に囲まれた研究所の様⼦
ニース・エコバレー
自然あふれる緑のあるまち
開発区域として位置づけられているエリア以外は開発が抑制されており、自然環境の保全が図られています。
新築の建物は環境認証が義務化されており、認証された建物は資産価値の向上、税制優遇等が実施されています。
保全区域の様⼦
保全区域の村落内の様⼦
新設建築物の様⼦
道路や公共交通
「15分で動けるまち」を目標に公共交通の充実を推進。
空港近接の立地性を活かしたマルチモーダルハブ(空港、自動車道 (高速道路、幹線道路)、鉄道、バス、LRT)を整備。
既存道路空間の再配分(車道を歩道や自転車道に転換)を推進。
MRT(マス・ラピッド・トランジット)
⾃転⾞通⾏帯の様⼦
まちなかのレンタサイクルの様⼦
豊かな自然環境と都市機構の融合
開発区域と保全区域とで明確に分けられ、自然環境を保全する取り組みが行われています。都市機能を集約して効率性の高い都市構造への転換を進めるとともに、市街地内で老朽化したコンベンション施設等を移転し、跡地を公園や緑地帯として整備することで、市街地の魅力向上を図っています。
また、商業機能や研究機能を誘致するとともに、廉価な住宅供給も計画されています。
建物を整備するにあたって、コンペが行われ地域性のあるデザイン等を評価し、整備が行われています。
洪水リスクがある箇所については、緑地面積を増やすことによる雨水浸透対策等が行われています。
ニース市街地の街並み
開発区域の集合住宅
河川上部に整備された緑地帯