ヒレジャコの種苗量産技術
- [要約]
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ヒレジャコの種苗生産はヒメジャコでの手法が概ね応用できることが判明した。更に採卵技術開発を行って大量に卵を得た。加えて新施設で超精密濾過海水を用い殻長1mm稚貝の種苗量産が49〜160万個体と安定して可能となった。
沖縄県水産試験場・八重山支場
[連絡先] 09808-8-2255
[専門] 種苗生産
[対象] ヒレジャコ
[分類] 研究
- [背景・ねらい]
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ヒレシャコはシャコガイ類の中で既に生産事業として県内各地に種苗配布を行っているヒメジャコに次ぐ対象種として要望が大きい。しかし、親貝養成や採卵技術に技術開発の余地を残していた。そこで平成7年度から使用可能となった新しい種苗生産施設を用いて主に採卵技術、飼育水の管理技術に検討を加え種苗量産技術開発を行った。
- [成果の内容・特徴]
- ヒレジャコの種苗生産は概ねヒメジャコ手法の応用が可能であることが判明した(表1)。
- 親貝の管理と採卵技術が技術開発の最重要課題である。採卵誘発手法に晴天日の急激な照度上昇刺激を加えると有効で、大量卵の確保が可能となった(表2)。
- 飼育水に超精密濾過海水を用いて飼育水中の夾雑物混入を防止したことで平成7年度〜9年度の殻長1mm稚貝生産数が49〜160万個体となった(図1)。
- [成果の活用面・留意点]
- 早期採卵(3月採卵)によって年内配布が可能となったので施設が有効に利用できる。
- 中間育成期の生残率を向上させる必要がある。
- [具体的データ]
- 表1 ヒレジャコの種苗生産手法
表2 ヒレジャコの種苗生産良好事例
図1 殻長1mm稚貝生産数の年度別推移
[その他]
研究課題名 :貝類の増養殖に関する試験研究
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成5〜9年度)
研究担当者 :玉城 信・呉屋秀夫
発表論文 :平成7年度沖縄県水産試験場事業報告書、1997
平成8年度沖縄県水産試験場事業報告書(予定)
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