捕食されにくいタイワンガザミの大きさ


[要約]
  オキナワフグ、ニセクロホシフエダイ、クサフグによる捕食試験の結果、捕食されにくいタイワンガザミの大きさは、全甲幅30mm以上であることが分かった。
沖縄県水産試験場・増殖室
[連絡先]  098-994-3593
[専門]    栽培漁業
[対象]    タイワンガザミ
[分類]    研究

[背景・ねらい]
  タイワンガザミの種苗放流時に、オキナワフグやクサフグによる種苗の捕食が観察されている。そこで、放流海域に多く生息する魚類による捕食試験を行い、タイワンガザミの大きさと捕食の関係を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 供試魚は、オキナワフグ、ニセクロホシフエダイ、クサフグの3種であった。特定サイズのタイワンガザミと供試魚を砂を敷いた水槽に各1尾収容し、4〜6日後の捕食状況を調べた。
  2. 全甲幅10〜20mmと20〜30mmの稚ガニでは、供試魚の捕食率が66.7〜92.9%と38.1〜80.0%で高かった(表1〜表3)。
  3. 全甲幅30mm以上の稚ガニでは、供試魚の捕食率が27.3%以下でかなり低くなった。捕食されにくい大きさは、全甲幅30mm以上であることが分かった(表1〜表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 狭い水槽での捕食試験であるため、天然海域より捕食率が高くなった可能性がある。
  2. 本試験結果は、特定サイズの魚による捕食されにくい大きさである。
[具体的データ]
表1 オキナワフグのタイワンガザミ捕食状況
表2 ニセクロホシフエダイのタイワンガザミ捕食状況
表3 クサフグのタイワンガザミ捕食状況

[その他]
研究課題名 :栽培漁業技術開発事業、地域特産種量産放流技術開発事業
予算区分  :国庫補助
研究期間  :平成8年度(平成6年、平成7〜9年)
研究担当者 :與那嶺盛次、佐多忠夫
発表論文  :平成6年度栽培漁業技術開発事業調査報告書(タイワンガザミ)  
           平成7年度地域特産種量産放流技術開発事業総合報告書(魚類・甲殻類グループ) 

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