カジノ・エンターテイメントとは

カジノ・エンターテイメント

現在120カ国以上で導入されているカジノは、かつてのヨーロッパにおいて王侯貴族、後に富裕層の社交場として認知され、その後は観光資源や観光振興策として、温泉やオペラなど既存の天然資源やエンターテイメントと絡めることにより、カジノ・コンプレックスなどの形態に発展してきました。

アメリカのネバダ州(ラスベガス)では、1929年に始まった世界恐慌の打開策として、税収確保のためカジノを合法化しました。エンターテイメントの要素を持つカジノ・ホテルが大成功を収めたことがきっかけで、様々な魅力要素が付加され、大規模集積型のメガリゾートに発展し、観光開発や失業対策、税収確保、経済復興などの手段として、国策として合法化される形で世界各国に広まっています。アジアにおいては、国際観光の発展が著しく、それに伴ってカジノ産業の成長もみられます。

様々な要素を持つ「統合・複合型リゾート」は、ホテル機能に加え、商業施設や文化施設、リゾート施設などの機能を持つ施設です。統合リゾート(Integrated Resort)を代表するラスベガスでは、1994年より相次いで建設されたコンベンション・エンターテイメントを備えたIRメガ・カジノにより、観光客数が大幅に増加しています。

(1)カジノとは?

ラスベガス ハラーズ

掲載写真:Harrahs
米国ラスベガス ハラーズ
http://www.pppppharrahslasvegas.com

Casino(カジノ)は、さいころ、トランプなどの道具や、ルーレット、スロットマシンなどの機材・機械を用いて、偶然の結果としてゲームに金銭などを賭する行為を提供する場所です。カジノは、かつてのヨーロッパにおいて王侯貴族の娯楽として始まり、富裕層の社交場として認知されてきました。その後は、観光資源や観光振興策として、温泉やオペラなど既存の天然資源やエンターテイメントと絡めることにより、カジノ・コンプレックスなどの形態に発展しています。

(2)海外カジノ・エンターテイメントの分類

シルク・ドゥ・ソレイユ

掲載写真:シルク・ドゥ・ソレイユ
米国ラスベガス ショー
http://www.cirquedusoleil.com

フラミンゴ

掲載写真:フラミンゴ
米国ラスベガス プール
http://www.flamingolasvegas.com

海外のカジノ・エンターテイメントは様々な地域で、それぞれの目的によって分類されます。

  • 観光促進を目的とした地域・・・モナコ、オーストラリア、ニュージーランドなど
  • 経済の活性化を目的とした地域
  • 観光施設の修復と再開発の中で導入した地域・・・ニュージャージー州(米国)
  • 地域経済の衰退から経済的復興を目的として導入した地域・・・ミシシッピ州(米国)、江原道(韓国)
  • 税収の確保を目的とした地域・・・ネバダ州(米国)、ドイツ、ニュージーランド
  • その他
  • 行政政策の一環とした外貨獲得を目的とした地域・・・ソウル(韓国)
  • 違法カジノを排除するために合法化した地域・・・イギリス

(3)統合リゾート(IR)とは?

ベネチアン

掲載写真:ベネチアン
米国ラスベガス 巨大コンベンション施設
http://www.venetian.com

マリーナ・ベイ・サンズ

掲載写真:マリーナ・ベイ・サンズ
シンガポール カジノ・リゾート概観
http://www.marinabaysands.com

統合リゾート(IR)とは、カジノだけをつくるものではなく、レジャー、ビジネス、エンターテイメントを包括的に含む施設をいい、一部施設にカジノも含みますが、民間による投融資を活性化し、民主導の地域再開発の実現を目的とする考え方です。現在のカジノは、IRが主流となりつつあり、これまでカジノを禁止していたシンガポールもIRの一部としてカジノ導入に踏み切っています。

IR例 : マリーナベイ・サンズ(シンガポール)

  • MICE施設:

    エキシビジョンホール 41,000㎡

    グランドボールルーム 9,200㎡

    会議室コンプレックス 48,000㎡

  • レジャー施設:

    2つの劇場(各2,000席)

    エンターテイメントゾーン(3,700㎡)

    屋外イベントプラザ(10,000人収容)

  • ホテル施設:

    2,500室(3つのタワーに設置・内スイート100室以上)など

(4)海外のカジノ 取組み事例の紹介

ラスベガス視察時

掲載写真:ラスベガス視察時

カンウォンランド ホテル近景

掲載写真:カンウォンランド ホテル近景

グラン・カジノ モナコ

掲載写真:グラン・カジノ モナコ
http://www.alan1.net/jp/europe/france

海外のカジノについては、平成20年度、21年度で視察したラスベガスと韓国を含む各国の取組み事例を紹介します。

  • ラスベガスでは、1930年代の世界恐慌を期に税収確保を目的としてカジノを建設したのが始まりです。ラスベガスのカジノは、時代のニーズや誘客戦略のため、様々なエンターテイメント、ショッピング、コンベンションなどを取り入れた複合型リゾートとなっています。
  • 韓国では、1970年代以降、外貨の獲得を目的に導入したのが始まりです。現在カジノは、韓国経済の中において、重要な位置を占めています。
  • その他世界各国には様々なカジノの事例があります。カジノの発祥地とされるヨーロッパでは、王侯貴族の娯楽として、文化の香り高いカジノが受け継がれています。また、オーストラリアやバハマのカジノは、リゾートタイプのカジノとして沖縄の参考とすべき魅力にあふれています。