平成7年沖縄県産業連関表

3.用語説明


産業


産業連関表でいう「産業」とは、約3,600に分類した財貨・サービス個々の生産活動を意味しており、同一事業所で2つ以上の商品を生産している場合、産業連関表では、それぞれを区分して該当する各産業部門に分類する。
したがって、企業あるいは事業所をベースとして分類される通常の「産業」とはその概念を異にする。

中間投入額 (率)


各産業部門の生産活動に必要な原材料・燃料等の財貨・サービスの購入費用をいう。
中間投入額をその産業部門の県内生産額で除した割合が中間投入率である。
なお、生産設備等の購入費用は、総固定資本形成であり中間投入には含まれない。

粗付加価値


生産活動によって新たに付加された価値をいい、前記の中間投入に粗付加価値を加えたものが県内生産額である。
粗付加価値は、家計外消費支出、雇用者所得、営業余剰、資本減耗引当、間接税及び補助金(控除)から構成される。

最終需要


家計外消費支出、民間消費支出、一般政府消費支出、県内総固定資本形成、在庫純増及び移輸出からなる。
また、次のような関係が成立している。

   最終需要の合計−移輸入の合計=粗付加価値の合計

総供給


県内生産額に移輸入を加えたものをいう。また、次の式が成立している。   

   総供給=総需要

総需要


総供給(県内生産額+移輸入)に対応するもので、県内需要と移輸出の計である。
県内需要は、各産業部門の生産に投入された中間需要と民間消費支出等の最終需要とからなる。

移輸入率


県内需要に占める移輸入額

県内自給率


「1−移輸入率」で定義されており、生産ベースでいえば、(県内生産額−移輸出額)/県内需要額となる。

生産誘発額


最終需要を賄うために直接・間接に必要となる各産業部門の生産である。
例えば、自動車に対する最終需要が1億円発生した場合、直接的には自動車産業において1億円の生産が行われるが、その1億円の自動車を生産するために鉄鋼、ガラス、タイヤ等の生産が必要となり、さらにその鉄鋼等を生産するために銑鉄、粗鋼等の生産が必要になる。
このような生産波及が連鎖的に引き起こされ、最終的には自動車産業自体は2億8,439万円、鋼には633万円等関連する財貨・サービスの生産が次々に誘発される。

生産誘発依存度


各産業部門における最終需要項目別生産誘発額の構成比であり、格産業部門の生産がどの最終需要項目によって、どれだけ誘発されているかの割合を示す。
つまり、
  〔ある最終需要項目別による生産誘発額〕÷〔最終需要項目別全体によって誘発された県内生産額〕
になる。

生産誘発係数


どの最終需要項目が、どの産業部門の生産をどれだけ誘発しているかを示す係数である。
つまり、
 〔ある最終需要項目による生産誘発額〕÷〔対する最終需要項目の最終需要額計〕

付加価値誘発額


各最終需要によって生産が誘発されれば、当然それに伴って粗付加価値も誘発される。
これは、誘発された各産業部門の県内生産額に当該産業部門の粗付加価値率(粗付加価値/県内生産額)を乗じて求められる。

粗付加価値誘発依存度


各産業部門における最終需要項目別粗付加価値誘発額構成比であり、各産業部門の粗付加価値がどの最終需要項目によってどれだけ誘発されたかの割合を示す。
つまり、
  〔ある最終需要項目による粗付加価値誘発額〕÷〔最終需要項目全体によって誘発された粗付加価値額〕
になる。

粗付加価値誘発係数


どの最終需要項目が、どの産業部門の粗付加価値をどれだけ誘発しているかを示す係数である。
つまり、
  〔ある最終需要項目による粗付加価値誘発額〕÷〔対応する最終需要項目の最終需要額〕
になる。

移輸入誘発額


各最終需要によって誘発された移輸入額をいう。
移輸入品投入係数×生産誘発額(消費、投資、移輸出)+移輸入率×項目別最終需要額(消費、投資)
で求められる。

移輸入誘発依存度


各産業部門における最終需要項目別移輸入誘発額の構成比であり、各産業部門の移輸入がどの最終需要項目により誘発されたかの割合を示す。
つまり、 
  〔ある最終需要項目による移輸入誘発額〕÷〔最終需要項目全体によって誘発された移輸入額〕
になる。

移輸入誘発係数


どの最終需要項目が、どの産業部門の移輸入をどれだけ誘発しているかを示す係数である。
つまり、
  〔ある最終需要項目による移輸入誘額〕÷ 〔対応する最終需要項目の最終需要額計〕
になる。



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