平成7年沖縄県産業連関表

1.県経済の構造分析



タテの方向

   総供給=県内生産+移輸入=総需要
   県内生産=中間投入+粗付加価値
   粗付加価値=家計外消費支出+雇用者所得+営業余剰+資本減耗引当+純間接税

ヨコの方向

   総需要=中間需要+最終需要=総供給

   最終需要=消費+投資+移輸出

   県内最終需要=最終需要−移輸出消費=家計外消費支出+民間消費支出+一般政府消費支出

   投資=総固定資本形成+在庫純増
 
   移輸出=移出+輸出

(1) 県内生産額

県内に所在する各産業の生産活動によって生み出された財貨サービスを推計した平成7年の県内生産額は、5兆4,100億円で、前回の平成2年表に比べて17.7%の伸びを示した。
これを平成3年以降平成7年までの5年間の平均伸び率に換算すると、3.3%になる。

県内生産額の推移
県内生産額の推移

(2) 県内生産額の産業別構成比

平成7年の県内生産額の産業別構成比を11部門でみると、最も割合が高いのはサービス業で29.4%を占め、次いで建設業が15.3%、製造業が13.1%、金融・保険・不動産が10.1%、運輸・通信が10.0%などの順になっている。
これを平成2年の対比でみると、第1次、第2次産業は全体的に割合が低下したが、第3次産業はサービス、公務等の上昇もあり一層拡大している。 (第3次産業の拡大は全国的な傾向となっている)

産業別構成比の比較
産業別構成比の比較

11部門産業別生産額及び伸び率 11部門産業別生産額及び伸び率


11部門別生産額構成比
11部門別生産額構成比

注: 昭和60年表、平成2年表及び平成7年表では、部門分類及び推計方法・概念・定義等が異なる部門もありますので、単純には比較できない場合があります。

(参考資料)

平成7年地域別産業別生産額構成比の比較
平成7年地域別産業別生産額構成比の比較
平成7年地域別生産額及び構成比
平成7年地域別生産額及び構成比

ここでの九州、全国の数値は、平成7年地域産業連関表(通商産業省)による。

(3) 中間投入及び (4) 粗付加価値

県内生産額5兆4,100億円の投入構成をみると、各産業部門の生産活動に必要な原材料、燃料などの財貨・サービスの購入費用を示す中間投入(2兆1,807億円)が、生産額の40.3%を占め、中間投入率は昭和60年から平成2年、平成7年と低下してきている。
これは、原材料・燃料等の中間投入の少ない第3次産業の構成が高くなったことで産業全体の中間投入率を下げていることによる。
また、円高により輸入原材料・燃料等の投入コストが低下したことも影響している。
一方、生産活動によって新たに付加された価値を示す粗付加価値額(3兆2,293億円)は、生産額の59.7%となり、平成2年に比べて2.7ポイント上昇した。

11部門別中間投入率
11部門別中間投入率
(5) 最終需要

家計外消費支出、民間消費支出、一般政府消費支出、県内総固定資本形成、在庫純増、移輸出の各項目からなる最終需要の総額は4兆9,506億円で、その構成比を平成2年と比較すると民間消費支出では43.9%から39.7%低下し、一般政府消費支出では11.9%から18.5%と大幅に増加している。 
これは、93SNAの「消費概念の2元化」への対応により、従来、民間消費支出に計上していた医療等の政府負担分について、平成7年表では実際に支出している一般政府消費支出に計上しているためである。
最終需要に占める民間消費支出と一般政府消費支出を加えた割合は、年々高くなっている。

最終需要項目別構成比
最終需要項目別構成比
(6) 総供給と移輸入

本県産業は移輸入に大きく依存しているが、県内生産額に移輸入を加えた総供給額は7兆1,313億円で、そのうち移輸入額は1兆7,213億円である。
総供給に占める移輸入の割合は24.1%であり、平成2年に比べて2.55ポイント低下しているが、依然として高い割合を示している。

総供給に対する移輸入率
総供給に対する移輸入率

総供給に占める県内生産額と移輸入額
総供給に占める県内生産額と移輸入額

(7) 総需用と移輸出

総供給に対応し、県内需要と移輸出の合計である総需要は7兆1,313億円となった。
そのうち県内需要が6兆3,017億円で88.4%を占め、移輸出は8,296億円で11.6%となった。
総需用に占める移輸出の割合は、平成2年に比べて0.6ポイント低下した。

総需要に占める移輸入の割合
総需要に占める移輸入の割合

総需要額に占める県内需要額及び移輸出額
総需要額に占める県内需要額及び移輸出額
(8)県際構造

移輸出と移輸入の差である県際収支は、8,917億円の移輸入超過となっている。
平成2年と比較すると若干減少しているものの、依然として高い移輸入超過となっている。
県内自給率をみると72.7%となっており、平成2年(69.7%)と比較すると3.0%上昇しているが、これを産業別にみると製造業で2.0ポイント、サービス業で1.6%ポイント、運輸通信で1.0ポイント上昇しているものの、その他の産業では、いずれも低下している。
県内自給率は「1−移輸入率」(ここでいう移輸入率とは、県内需要に占める移輸入の割合である。)で定義されており、移輸入率の低下が相対的に県内自給率を上昇させたと言える。
移輸入率の低下は、輸入額の減少が影響しており、特にウエイトの高い原油及び石油製品の輸入額の減少の影響が大きい。

11部門産業別移輸出額及び移輸入額          (単位:百万円) 11部門産業別移輸出額及び移輸入額

11部門別県際収支及び県内自給率         (単位:百万円) 11部門別県際収支及び県内自給率
*県内自給率=「1−移輸入率」
*移輸入率= 移輸入額/県内需要額


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