座間味村ホエールウオッチング協会の皆さんに、クジラとの心温まる交流を書いていただきました。

「ゼット」君!多分今年で11才!

 時を遡る事10年前。体長7〜8mの鯨が座間味で確認されました。座頭鯨の識別は、個体によって異なる尾びれの腹側の模様で行います。なんとこの鯨、模様に英字の「Z」の文字が読める。当然「ゼット」と命名され、'97年以外、毎年座間味に現われて、ウォッチャー達を楽しませてくれている。
 今では体も大きくなり、座間味に来る鯨達の中でも大きい方である。最近は特に暴れっぷりが良く、ペアの鯨がのんびり泳いでいるのを引っかき回したり、メイティングポッドに加わっていることも多く、飛んだり跳ねたりパフォーマンスも派手である。たまに船の近くに現われると、顔のコブや背ビレなどが白くはげ、赤い血がにじんでいることもある。
メイティングポッド

 雌とペアになるため、雄同士が激しいバトルを繰り広げる集団の事。雌1頭に対し雄は2頭〜8頭に及ぶ時もある。座頭鯨の雄達は種の保存のため、真剣に闘っているのだが、我々ウォッチャーとしては、とても興奮して時の経つのも忘れてしまうほど盛り上がっている。採餌海域の「バブルネットフィーディング」に対して、繁殖海域であるここ座間味では、「メイティングポッド」が出会ってみたい憧れのシーンの1つであろう。
 毎年2月頃からメイティングポッドが増え、同じ日に数ヶ所でバトルを繰り広げている時もある。アクションの中では比較的よく見られる、ブリーチやテールスラップ等はもちろんの事、頭を出して口を開けたり、顔を出しうね(下あごの部分)を膨らませてそのまま突進していったり、体当たりしたり、横向きに泳いだり、ぶつかり合ったり、色々な行動をしている。水面上でこんな派手なパフォーマンスをしている時、一体水面下ではどんな事が行われているのだろうか…。
 この集団が時には、次の日にも決着がつかず、同じメンバーで戦っている時もある。
たっちゃん?くじらに、会えました

 その昔(と言っても5、6年前)”たっちゃん”というボート(に乗ってる人間?)にとても興味を示す鯨がいました。
 2000.1.11 朝から鯨の展望台でみんなでワイワイ鯨を探していました。探す事2時間、ようやく鯨を発見し、船長さんの「行くぞー!」の声ですぐ出航。20分程で2頭のブローを発見!テイルを見た時「あの鯨だ−!」「たっちゃんだー!」と大騒ぎ。(しかし全く別の鯨だった。)それからは夢のような時間で、たっちゃんは船のすぐ前で、何回もペックスラップやペダンクルスラップなどをしている。たっちゃんは深く潜らないので、泳いでいる姿も、水面上に出て来る顔も,胸ビレを上げてくるのも、手に取るようにわかり「たっちゃ−ん!お顔出してー!」「しっぽー」と、みんな大喜び。
 もう1頭は時折浮上し、虹のかかった大きなブローを上げている。2頭のどちらかがしたブリーチはとても綺麗で、同乗していた女性のお客さんは、初めて見たブリーチに、感動のあまり涙を流していました。
 こんなに私達と遊んでくれる鯨にまた会いたいです。
座間味近海は繁殖海域

 座頭鯨の場合、繁殖海域と採餌海域が遠く離れている。そのため数千kmにも及ぶ大回遊を、毎年自分の体1つで移動している。
 ここ座間味では、座頭鯨の格好の繁殖海域になっているようで、ペアの鯨や子連れの母鯨を見かける。時にはこの親子連れに、エスコートと呼ばれる雄の鯨がついていることもある。ここ数年、親子鯨が識別できるだけで5組程いる。もしかしたら10組前後の子鯨がこの周辺で生まれているのかもしれない。授乳らしいシーンは目撃例があるが、残念ながら、出産シーンには今だお目にかかった例がない。
 また海が荒れると、親子鯨が風の影響を受けにくく、比較的波が穏やかな、座間味島の南側、阿嘉島の周辺で確認されることが多くなる。


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