日本の城とは異なる造りの琉球の城。石を積み重ねた城壁は、琉球文化を今に伝える「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、2000年12月上旬に世界遺産に登録される見込みだ。世界遺産は世界的に重要な自然、文化遺産を保護するために、1972年ユネスコで採択された条約に基づいて登録されるもので、登録されれば国内では11件目に当たるという。人類の貴重な宝としての城から、ぐすく時代のロマンにせまる。

 今帰仁城跡の緩やかな階段を登る。門からまっすぐにのびた石段の両わきには、新春には沖縄の桜、ヒカン桜が春を寿ぎ、うりずんの初夏には、軟らかな若草色の葉が風に揺れる。頂上にあたる本丸から眺める景色は、眼下に広がる濃い緑の森や集落から陸地を離れる程に紺碧にかわる海、そして遠く薄らと影を浮かべる島と次々と連鎖していく。今帰仁城跡は色の城だと思う。沖縄の城跡のなかで、これほど色を感じさせ、色づく城はないだろう。

 シンボルともいえる苔むした石垣は、琉球石灰岩の古層のうえに、14世紀に築城されたといわれる。今帰仁城跡は琉球の城の中でも古い方に当たるといい、琉球が南中北の三山に別れていた頃の北山の都城である。2000年には世界遺産に登録される可能性があるということをきいた。



 沖縄本島北部、本部半島今帰仁村今泊に在しており、難攻不落の城といわれた。三山統一の権力攻勢の中に合って、時の尚巴志ですら謀略を練らなければ落城させることが困難であったと伝えられている。しかし、このゆったりとした空間の城は、難攻不落である前に人々を向かい入れているような気さえしてくるのだ。

緩やかな石段は一段ごとの歩幅が長く設計されているため、城の頂上を目指す足取りも軽いのだ。守り、戦いのための設計ではく、遠来の来客を迎えいれるやさしさが、今帰仁城のゆるやかな階段に感じられるのは私だけであろうか。
 幾重にも連なる石垣は美しいラインを描いている。万里の長城を彷彿とさせるその総延長は、1500メートルにも及ぶが、石の硬さよりも、ラインの軟らかさが印象に残る。石に染み込んだ琉球の時間を感じるには、やはり城なのかと頭を垂れ、すべてに感謝したい気持ちになる。昔の人々が愛でたであろう空間を感じると一瞬のうちに時間を超越してしまう。

今帰仁城跡
電話/0980-56-4400
住所/今帰仁村今泊4874
料金/大人150円 高校生100円 小中学生50円
入場時間/8:30〜17:30
休/年中無休
アクセス/車で那覇空港から沖縄自動車道を使って3時間弱

 

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