認知症気味の母が絵やビデオ買わされた

ページ番号1003949  更新日 2024年1月11日

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相談内容事例1

一人暮らしの母(七十歳代)は、勧誘があると断れず、次々品物を購入している。最近も、息子が母の家を訪ねて荷物があるのに気づいた。母に聞くと、何度も電話があり断りきれずに、絵画を買ったと言う。調べてみると、二カ月前に五十七万円でクレジット契約されていた。商品は絵画ではなく、掛け軸であった。掛け軸をかけるような床の間もない。母は、その他にも浄水器や布団などを訪問販売等で買わされていて、支払いができない状態。解約させたい。(三十代女性)

相談内容事例2=事例1と同一相談者から

母が、また電話勧誘され、別の業者からビデオセットを四十六万円で購入していた。前回の契約トラブルがあったので、母には銀行印を持たせていなかった。母も銀行印がないので契約できないと断ったと言うが、商品が届いている。名前や住所、銀行口座が書き込まれた書類が送られてきた後に電話があった。三文判を押すように言われて、仕方なく三文判を押して返送したという。契約書は母の字ではない。契約日も書かれておらず、生年月日も違っている。母は最近、判断不十分な状況のため成年後見制を申請するか検討中である。

処理結果

事例1の相談があったので、契約者本人に直接話を聞いたところ、以下の内容だった。半年前からセールスマンから何度も電話があった。買うとも断るとも言わずに話を聞いていたら、「今、あなたのために、画家が一生懸命書いている」と言っていた。後日、書類が届いたので、セールスマンに言われるままに記入して、返送した。届いたのは絵画でなく掛け軸だった。返したかったが、自分のために書いたものなので返したいと言えなかったと言う。掛け軸は、何年も前に亡くなっている画家の複製品であった。センターから販売業者に連絡。絵画だと思わせたり、画家に書かせているという虚偽の説明は問題であると指摘。販売店担当者は、虚偽説明は認めなかったが、解約料九万円を提示してきた。相談者が合意したので解約となった。事例1の合意解約が成立して、一カ月後に相談者から再び相談があった事例2については、契約書に契約日も記入されていないので、書面不備でクーリングオフ通知を出すよう助言。交渉が難航する時はセンターが仲介することにした。その後、相談者から販売店とクレジット会社にクーリングオフを主張し、無条件解約になったと報告があった。

問題点・留意点

県民生活センターには、判断能力が衰えてきた高齢者や知的障害者等の契約に関する相談が、たびたび寄せられます。被害に遭う心配が生じた時は、早めに成年後見制度を利用することで、被害を未然に防止できます。成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。「法定後見制度」は、判断能力の状態の重い順によって「後見」「保佐」「補助」の三段階に分けて、それぞれにふさわしい保護制度を設けています。精神科医の診断書を添えて家庭裁判所に申し立て、認められた場合は「後見人」「保佐人」「補助人」が選任されます。後見の種類により付与される権限は異なりますが、法律行為の代理や、同意を得ないで行った契約等の法律行為を取り消すことが可能になります。「任意後見制度」は、本人の判断能力が十分なうちに、信用できる任意後見人を選び、判断能力が低下した後の財産管理や介護の手配などを委任しておくものです。「法定後見制度」と「任意後見制度」は、いずれも家庭裁判所が取り扱っています。

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