県民の皆様へ(第32軍司令部壕)

ページ番号1008278  更新日 2024年1月11日

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第32軍司令部壕は、平成9年に「第32軍司令部壕保存・公開計画」を策定し、公開に向けて検討しましたが、安全対策上多くの制約があるなどの課題があり、公開は非常に厳しい状況にあります。

また壕内の状態は岩塊崩落等により年々悪くなる一方で、地表部分には陥没が懸念されました。県では壕周辺の安全性を確保するという観点から壕の現況を確認し、将来に渡る安全性及び今後の保存等の方法について検討する必要があると考えました。

そのため、平成24年度に「第32軍司令部壕対策事業」として、専門家による調査及び検討を行いましたので、その結果をお知らせします。

1.専門家による調査・検討の結果

調査及び検討をいただいた専門家の皆様より、以下の提言がなされました。

(1)全区間において、現状のままでの一般公開は不可能と考えられる。

(2)壕は、緊急的に埋め戻し等による対策が必要な状態では無いものと考えられる。

(3)壕内の地山の物性値や壕内の環境を把握するための具体的な基礎データの取得・蓄積を行うことが望ましく、経年的変化状況も把握することが重要と考えられる。

(4)壕の保全に関する本格的な調査及び具体的対策工事の要否については、教育庁が実施している戦争遺跡詳細確認調査の進捗状況をみながら、これらの結果と基礎的データの経年変化状況などの結果を合わせて、再検討することが望ましい。

2.今後の取扱いについて

県では、専門家の皆様からの提言を受け、第32軍司令部壕の今後について、次のように取り扱うこととしました。

(1)壕の公開について
壕を原因とした陥没等による地表部への影響は少ないと推測されるが、壕内は依然として岩塊の崩落、酸素の欠乏や雨期における出水などが発生し、「第32軍司令部壕保存・公開計画」において公開の条件とされている「絶対的な安全性の確保」が困難であること、また整備には莫大な費用が必要となること等から、壕の一般公開は行わない。

(2)壕の安全対策
今後は、壕のさらなる崩壊による地表部への影響を未然に防止することを目的として、基礎的データの収集を行う。また、経年的変化状況を把握するための調査を検討し、データや調査結果を踏まえて、必要な安全対策を実施する。

第32軍司令部壕内部の現状(平成25年1月撮影)

写真:岩塊の崩落の様子
第2坑道:岩塊の崩落

写真:雨期には水位上昇する水溜まり
第3坑道:水溜まり(雨期には1~2mの水位上昇)

写真:巨大な岩塊の崩落の様子
第5坑道:巨大な岩塊の崩落

写真:コンクリートで補強した断層破砕帯
第5坑道推定:断層破砕帯をコンクリート補強

写真:補強された第5坑道
第5坑道:鋼製矢板とエスレンブロック(EPS)による補強

写真:第5坑道最深部の様子
第5坑道最深部:第32軍撤退時における爆破による崩落

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