平成25年第7回議会(11月定例会)で可決された意見書

ページ番号1021124  更新日 2024年1月11日

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意見書4件

議決年月日

件名

議決の結果

備考

平成25年12月5日 特定秘密の保護に関する法律制定の慎重審議を求める意見書 原案可決 全会一致
平成25年12月19日 中国による防空識別圏の設定に関する意見書 原案可決 全会一致
平成25年12月19日 日台漁業取り決め及び日中漁業協定に関する意見書 原案可決 全会一致
平成25年12月19日 「心の健康を守り推進する基本法」の制定に関する意見書 原案可決 全会一致

特定秘密の保護に関する法律制定の慎重審議を求める意見書

現在、国会において審議中の「特定秘密の保護に関する法律案」では、「特定秘密」の対象になる情報は、「防衛」、「外交」、「特定有害活動防止」及び「テロ活動防止」の4分野に関する事項としている。その内容は、「漏えいが国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」としているが、その範囲が広く、曖昧で、どんな情報でも「特定秘密」に指定することができる可能性があることや、さらに、「その他重要な情報」に何が秘密に指定されるかわからないなどの不安が県民から指摘されている。
特に、米軍基地と隣り合わせで生活する沖縄では、秘密の対象となる「防衛秘密」や「外交秘密」と深くかかわり、影響を最も受けやすい地域として危惧され、県民がみずからの生命財産を守るための実態把握さえもできなくなり、憲法で保障された権利が制限されることになる。
情報は国民の財産であり知恵である。今、重要なことは徹底した情報公開を推進することであり、刑罰による秘密保護と情報統制ではない。
本法案は現在、公務員を主な対象としていても、秘密の保護に重点を置く限り、対象は全国民に広がり重罰化していくことも考えられる。国民の知る権利を揺るがす重要法案を衆議院で審議入りからわずか2週間でまとめたことは、成立ありきの審議と言わざるを得ない。
よって、国民の知る権利、表現の自由を守る立場から特定秘密保護法案の慎重審議を行うよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月5日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
少子化対策担当大臣

中国による防空識別圏の設定に関する意見書

去る11月23日、中国政府は尖閣諸島を含む東シナ海の上空に防空識別圏を設定し、当該区域を飛行する航空機が中国側の命令に従わない場合、中国軍が「防御的な緊急措置」をとると発表した。
中国側のこのような東シナ海周辺の現状を一方的に変更した措置は、現場海域・空域において不測の事態を招きかねない極めて危険なものである。
また、防空識別圏の設定は、東シナ海の広域にわたるため、日本政府だけでなく、韓国やオーストラリア政府などからも強い抗議が行われている。
歴史上も国際法上も疑問のない、我が国固有の領土で本県の行政区域である尖閣諸島の領空において、このような力を背景とした現状変更の試みは、県民の生命・財産を脅かすものであり強い憤りを禁じ得ない。
よって、政府におかれては、我が国の主権と国民の生命・財産を断固として守り抜くため、国際社会及び国連機関と緊密に連携し、平和的外交による解決を図るよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月19日

沖縄県議会

(あて先)

内閣総理大臣
外務大臣
国土交通大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

日台漁業取り決め及び日中漁業協定に関する意見書

去る5月10日に発効した日台漁業取り決めは、地元の頭越しに合意され、その内容も台湾側に大幅に譲歩した内容となっており、本県議会及び県内の漁業関係団体等は、その見直しを強く求めてきたところである。
しかしながら、国においては見直しを行うどころか、県民に対して日台漁業取り決め合意の意義を明確に説明することもない。国は海洋権益の確保という責務を放棄したと言わざるを得ず、外交のために沖縄の漁業者が犠牲になったものと強い憤りを覚えるものである。
また、同取り決めは台湾側との操業ルールが何ら策定されないまま発効されたことから、取り決め水域周辺では、台湾漁船のはえ縄が絡まり浮き魚礁が流失するなどの操業トラブルが発生している。さらに、去る9月12日には本県の漁船と台湾漁船の衝突事故が発生するなど、同取り決めによる台湾漁船の操業増加は、県内漁業者の安全操業に大きな影響を及ぼすとともに、漁獲量の減少や、操業トラブルを避けるための操業自粛など、生活にも大きな打撃を与えている。
そのため、県内の漁業関係団体は、その見直しを強く求める中で、現実的な問題である操業ルールを策定するため、沖縄県日台・日中漁業問題対策等漁業者協議会を設立し、漁業者の意見を集約した操業ルール案をまとめ、日台漁業者間会合において台湾側との協議を行っているが、合意には至っていない。取り決め合意を急いだ国は、責任を持って問題の解決に当たるべきである。
よって、本県議会は、県内漁業者の権益と生活を守る立場から、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。

1 日台漁業取り決め及び日中漁業協定を抜本的に見直すこと。また、日中漁業協定に関し、平成9年の外務大臣書簡を破棄すること。
2 日台漁業取り決め適用水域から次の水域を撤廃すること。
(1) 東経125度30分より東の水域
(2) 台湾が主張する暫定執法線より南の水域
3 沖縄側が提示する操業ルール案の実現に向け台湾と交渉すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月19日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣

「心の健康を守り推進する基本法」の制定に関する意見書

心身の健康は国民一人一人の基本的な権利であり、社会の活力と発展の基盤をなすものである。しかし、現在の我が国は、年間自殺者が3万人にも上り、320万人を超える人々が精神疾患のために医療機関を受診しているという数字にあらわれているように、「国民の心の健康危機」と言える状況にある。自殺はもちろんのこと、引きこもりや虐待、路上生活など多くの社会問題の背景にも心の健康の問題が大きく関与している。また、我が国においては、自殺や鬱病がなくなった場合の経済的便益は単年で約2兆7千億円という推計もあり、さらに都道府県が作成する医療計画に盛り込むべき疾患として新たに精神疾患を加え、がんや脳卒中とともに5大疾病とする方針が国において示されるなど、心の健康への対応が強く求められている。
世界保健機関(WHO)は、病気が命を奪い生活を障害する程度をあらわす総合指標(障害調整生存年)を開発し、政策の優先度を決める場合の指標として提唱しているが、この世界標準の指標により、先進国において命と生活に最も影響するのは精神疾患であることが明らかになった。欧米では国民の心の健康についてのさまざまな施策が進められているが、日本ではそうした重要度にふさわしい施策がとられておらず、精神保健・医療・福祉サービスの現状は、国民のニーズにまだまだ十分に応えられるものとはなっていない。
心の健康危機を克服し、安心して生活ができる社会、発展と活力ある社会を実現するためには、心の健康を国の最重要課題の一つとして位置づけ、5大疾病の時代にふさわしい基本法を制定し、総合的で長期的な施策を実行することが必要である。
よって、国におかれては、その重要性にふさわしく、全ての国民を対象とした心の健康についての総合的で長期的な政策と、そのために必要となる財源等を保障する「心の健康を守り推進する基本法」を制定するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月19日

沖縄県議会

(あて先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
沖縄及び北方対策担当大臣

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