平成17年 第1回(定)知事提出議案説明要旨

ページ番号1020982  更新日 2024年1月11日

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平成17年第1回沖縄県議会の開会に当たり、県政運営に当たっての私の所信を述べ、県議会並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
昨年は、国内において、集中豪雨や度重なる台風、さらには10月に起きた中越地震により大きな被害が生じました。
また、12月末には、スマトラ沖大地震と津波により、インド洋周辺の多くの国々で死者20数万人という未曾有の災害が起きました。
これら被災地では、懸命の復興が続いている最中であり、犠牲者の方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われ困難な生活を余儀なくされている方々へ、衷心からお見舞いを申し上げます。

世界、我が国及び本県についての現状認識

さて、冷戦終結後の国際社会は、平和と安定を求め、新たな秩序の構築を模索しておりますが、同時多発テロ以降、世界各地での地域紛争が続き、無差別テロは国際的に広がる傾向さえ見られます。
これを受け、米国は、国際的な安全保障環境(情勢〉の変化に対応するため、世界的規模で米軍再編を進めており、日米両政府においても、沖縄を含む在日米軍基地の再編についての協議が進められているところであります。
また、アジアにおいて、イラクの復興に向けて各国の支援が行われておりますが、治安情勢は依然として厳しく、北朝鮮問題を話し合う6カ国協議の次回開催も未定であるなど、先行きが不透明な状況にあります。
経済面では、世界の景気は着実に回復しておりますが、米国経済や過熱傾向の中国経済の動向に留意する必要があります。
我が国では、強い危機感を持って、日本再生に向けた構造改革が進められております。
国と地方の関係についても、地方分権や三位一体改革、道州制の議論など新たな動きが進んでおり、地域の知恵と創意工夫を活かす地域活性化に向けた主体的かつ真しな取り組みが今後ますます重要となっております。
経済面では、民間需要の増加が続いており、景気回復は堅調に推移しておりますが、為替レート、原油価格や世界経済の動向等には引き続き留意する必要があります。
一方、本県経済は、観光と個人消費が順調に推移するなど、緩やかな回復が続いておりますが、雇用情勢は厳しく、若年者を中心とする失業問題は依然として深刻で、雇用の確保は大きな課題であります。
社会面では、幼い子供や高齢者など社会的に弱い立場の人への犯罪増加、多発する児童虐待や配偶者等からの暴力問題、さらに、米軍基地から派生する米軍関係の事件・事故が相次ぎました。
さて、昨年は沖縄振興計画の第1次分野別計画の最終年として、様々な事業を展開してまいりました。
その結果、観光客の515万人達成をはじめ、県民が待望していた「国立劇場おきなわ」の開場、国際緊急医療活動に取り組んでいるアムダヘの第2回沖縄平和賞の贈賞、長年の懸案であった県立博物館新館・美術館の着工、国立沖縄工業高等専門学校の入学生受け入れ、また沖縄科学技術大学院大学の開学に向けた取り組みの一層の具体化、国内初の空港外大型免税ショッピングセンターの開業などがあり、振興施策は着実に進展しております。

平成17年度政府予算案について

ところで、平成17年度の政府予算案は、内閣府沖縄関係予算が、対前年度比96.5%の2,833億円と決定されました。
国の厳しい財政状況の中、県が要望した、新石垣空港整備事業の実施設計調査費や沖縄離島(美ら島)活性化特別事業の情報基盤整備費などが認められたほか、沖縄科学技術大学院大学関連経費についても整備法人運営費や施設整備費等の増額が認められるなど、本県の振興に配慮されたものとなっております。
また、国庫補助負担金削減と税源移譲等を進める三位一体の改革については、本県の特殊事情に対する国の強い配慮が示され、沖縄振興特別交付金(仮称)が創設されるとともに、内閣府沖縄担当部局への一括計上方式が継続されることとなっております。

平成17年度の取り組みの姿勢

平成17年度は、沖縄振興計画に基づく県づくりが4年目を迎え、第2次の分野別計画がスタートする年であり、第1次の成果を踏まえ、経済自立の芽を大きく成長させる年であります。
私は、産業の振興と雇用の確保や、米軍基地に派生する問題をはじめとする諸課題の解決のため、県民の先頭に立って取り組んでまいります。
特に昨年は、米海兵隊所属CH-53Dヘリコプターの墜落事故に象徴されるように、米軍関係の事件・事故が相次ぎ、県民は激しい憤りを覚えるとともに、強い不安を抱いております。
県は、これら一連の事故について、米軍をはじめ日米両政府の関係機関に対し、原因の究明や再発防止を強く求めております。
私はこれまで、米軍基地問題は、我が国の外交・安全保障や国民の人権、環境保護にかかわる極めて国民的な課題であり、国民一人一人が自らの問題として考える必要があることを、あるゆる機会に訴えてまいりました。
小泉首相は、昨年10月、本県の米軍基地問題を全国民の問題として、在沖米軍基地の国外移転、県外移転を考える旨を、歴代首相として初めて表明しました。
また、先月の施政方針演説において、米軍再編については、沖縄等地元の過重な負担を軽減する観点から、米国との協議を進めることを明言しております。
私は、基地の提供者である政府の責任において、米軍再編の中で、過重な基地負担の軽減がなされるべきであると考えております。
在日米軍再編の協議が本格化するこの機に、本県の基地負担軽減の考え方をまとめるとともに、訪米を含めあらゆる機会をとらえ、日米両政府及び関係者に、本県の米軍基地問題を強く訴え、解決への大きな一歩となるよう努力してまいります。
日米地位協定の見直しについては、日米両政府間の協議を早期に進める必要があると考えており、日米地位協定の抜本的な見直しの実現についても積極的に取り組んでまいります。
また、陸軍複合射撃訓練場については、現在建設が進められている地域が民間地域等に近接し、危険であると認識しており、建設の中止を求めております。
さらに、SACO最終報告の着実な実施、普天間飛行場の危険性の除去など米軍基地問題の解決促進に引き続き取り組んでまいります。
私は、本県の米軍基地の負担軽減が、県民の目に見える形でなされるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、民間主導の自立型経済の構築に向けては、産業界の主体的な取り組みを後押しし、観光・リゾート産業や、情報通信関連産業、農林水産業、商工業等の振興と雇用の創出・確保に取り組みます。
さらに世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学の設置に向けた環境を整備するとともに、科学技術の振興に取り組みます。
また、自然環境と社会経済活動が調和した環境共生型社会の形成を推進するとともに、県民誰もがいきいきと暮らせる健康福祉社会の実現に取り組みます。
併せて、環境・福祉医療、次世代育成の支援、安全・安心な生活の確保、人材育成及び教育と文化の振興に取り組むとともに、交通基盤や情報通信基盤など本県発展のための基礎条件を整備し、離島過疎地域を活性化し、暮らしやすい沖縄の実現を図ります。
また、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点の形成を図るとともに、教育を充実し、これからの沖縄を担う高度で多様な人材の育成に取り組んでまいります。
行財政改革については、県民満足度の高いサービスを効率的に提供するため、選択と集中の下、県民の視点に立って、改革を一層推進してまいります。
私は、県民ニーズにこたえ、これら県政の諸課題に誠実に取り組み、活力に満ち、心豊かな美しい県づくりに全力で取り組んでまいります。
以上、県政運営に当たっての所信の一端を申し上げましたが、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げます。
続いて、平成17年度における施策の概要について御説明申し上げます。

第1は、「米軍基地問題の解決促進と駐留軍用地跡地の利用促進」であります。(基地の整理縮小)

米軍基地の整理縮小については、日米両政府に対し、あらゆる機会をとらえ、実効性のある方法で過重な基地負担の軽減を訴えてまいります。
併せて、SACO最終報告の着実な実施に、引き続き取り組んでまいります。
また、SACOで合意された施設以外の米軍基地の整理縮小を含め、在沖米海兵隊等の訓練の県外への移転や在沖米軍兵力の削減等について、日米両政府に強く働きかけてまいります。
さらに、陸軍複合射撃訓練場については、民間地域等に近いことから建設中止を強く求めており、速やかなる措置が講じられるよう取り組んでまいります。
普天間飛行場については、危険性の除去及び早期返還を日米両政府に強く求めてまいります。
代替施設の建設については、県が移設に当たって整備すべき条件として提示している、地域住民の生活及び自然環境への配慮、代替施設の15年使用期限等の実現に向け、名護市等と連携を図りつつ、代替施設建設協議会における協議などに取り組みます。
那覇港湾施設の移設については、引き続き、国、地元自治体等との協議、調整を進めます。

日米地位協定の見直しの実現等

日米地位協定の見直しについては、多数の都道府県議会の決議や衆参沖特委における付帯決議、党派を超えた国会議員の見直しを求める動きなど、国民の認識が深まってきております。
また、今回のヘリ墜落事故に関連して新たな問題が浮き彫りになり、改めて日米地位協定の限界とその見直しの必要性が広く認識されるようになりました。
県としては、引き続き多くの国会議員に働きかけるなど、あらゆる機会を通して、その抜本的な見直しに向けた政府の取り組みの実現を積極的に求めてまいります。
また、米軍基地から派生する事件・事故の防止や環境問題等の解決促進については、三者連絡協議会等を通じ強く求めます。

跡地利用の促進と基地周辺等の環境保全

駐留軍用地跡地の利用の促進については、国や跡地関係市町村と密接に連携・協力し、個々の跡地の特性や課題に応じた取り組みを進めます。
また、米軍基地から派生する環境問題については、航空機騒音や基地排水等の監視測定を引き続き行い、基地周辺の環境保全と県民の健康の保持に努めます。

旧軍飛行場用地問題の解決促進

旧軍飛行場用地問題については、各地主会や関係市町村長の意見も勘案しながら、県・市町村連絡調整会議を中心に要望案の取りまとめに努め、同問題の解決促進に取り組んでまいります。

第2は、自立型経済の構築に向けた産業の振興と雇用の創出・確保であります。

まず、「魅力ある観光・リゾート地の形成」について申し上げます。
国際的な質の高い観光地の形成に向け、観光振興地域の拡大に努めるとともに、観光振興地域等における利便施設の設置や世界遺産周辺地域の整備を図るほか、観光バリアフリー化を促進します。
観光客数540万人を目標に、リゾートウエディングやリゾートショッピング等新たな観光メニューや離島地域の観光情報発信を強化するとともに、海外事務所等を活用した誘客活動を強化します。
また、観光客のニーズに対応した観光産業人材育成システムの構築に取り組みます。
さらに、2005年米州開発銀行年次総会の成功に向け官民一体となって取り組むとともに、国内外の企業やスポーツに関するコンベンションの誘致に取り組みます。

次に、「未来をひらく情報通信関連産業の振興」について申し上げます。

企業ニーズを踏まえた情報通信関連産業支援施設の整備を促進するとともに、沖縄・本土間における高速通信回線の無償提供など通信コストの低減化支援等を充実します。
また、県外からの企業誘致に取り組むとともに、多様で高度なIT人材を育成します。

次に、「地域特性を生かした農林水産業の振興」について申し上げます。(おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化)

ゴーヤー、マンゴー、紅いも、ウコン等の戦略品目については、農作物被害防止施設等の整備を支援し、拠点産地の形成を促進します。
さとうきび、豚等の安定品目については、生産基盤の整備等により、安定的な生産供給体制の確立に努めます。
特に、琉球在来豚「アグー」の純粋種の保存、増殖施設の整備等を行い、ブランド豚の確立に努めます。
ニガナ等伝統的農産物の機能性等を明らかにし、健康食材として商品化に取り組みます。

流通・販売・加工対策の強化

流通・販売・加工対策については、首都圏において農産物情報の収集・発信を行うとともに、農産物マーケティング人材を育成するなど市場開拓に積極的に取り組みます。
また、農薬の適正使用の徹底や加工食品等の品質表示の適正化を図り、安全で安心な農産物を供給し・消費者からの信頼を高めます。

農林水産技術の開発と担い手の育成・確保

農業研究センターの整備を進めるとともに、松くい虫防除技術の改善・開発に関する研究を推進します。
また、認定農業者等の担い手育成を図るとともに、農業大学校における農業基礎講座等の実施など新規就農希望者への支援を行います。

亜熱帯・島しょ性に適合した生産基盤の整備

かんがい施設等の農業生産基盤や、浮魚礁等の水産基盤の整備を進めます。

環境と調和した農林水産業の推進

天敵昆虫などを利用した防除技術の確立・普及、不妊虫放飼法によるアリモドキゾウムシ等の根絶など環境負荷の低い害虫防除を推進します。
また、昆虫の大量増殖等の技術を生かし、天敵昆虫の生物農薬としての実用化を図ります。

次に、「地域を支える企業の育成と創出」について申し上げます。(新事業の創出)

産学官の連携による新技術・新製品の研究開発を促進し、新事業の創出に取り組みます。
特に、健康・バイオ関連産業については、ベンチャー企業によるバイオ研究開発、製品化への取り組みを支援するとともに、健康食品の総合的な品質向上対策に取り組みます。
また、企業経営の高度化に対応できる人材の育成に努めます。

製造業等地域産業の振興

製造業等地域を支える産業については、新製品の開発や品質向上対策等を支援し、泡盛、健康食品など県産品の販路拡大を促進します。
また、企業連携の促進やITの活用等による中小企業の経営革新を支援するとともに、金融支援制度の拡充を図ります。
国際通りの商業基盤整備を促進するなど、商店街の振興を図ります。
建設業の新分野・新事業への進出等を支援するとともに、構造改善の促進など建設業の健全な発展に努めます。

企業の立地促進

特別自由貿易地域や金融業務特別地区において、投資環境の改善に努め、積極的に企業誘致を展開します。

次に、「雇用の安定と職業能力の開発」について申し上げます。

産業振興策と一体となった雇用の促進と人材育成を進めます。
特に、沖縄県キャリアセンターにおいて、若年者に対し、産学官連携の下、職業観の形成から就職に至るまでの一貫した就職支援を行います。
職業能力の開発については、企業ニーズを踏まえるとともに、障害者を対象とした職業訓練を実施します。

第3は、「科学技術の振興と国際交流・協力拠点の形成」であります。

科学技術の振興

沖縄科学技術大学院大学の設置に向け、国際ワークショップなど国が進める事業を支援するとともに、周辺整備に関する検討など、開学に向けた取り組みを強化します。
また、公設の試験研究機関の管理を一元化し、研究能力の向上を図るとともに、研究機関の連携を強化します。
さらに、健康・バイオ関連分野を中心に産学官の連携による共同研究開発を推進し、新規産業の創出や既存産業の振興を図ります。
また、海洋深層水に関する研究開発を積極的に進め、製造業や農水産業における新技術・新製品の開発及び事業化を促進します。

国際交流・協力拠点の形成

航空路線網の拡充や航空運賃の低減化に努めるとともに、那覇港において、国際コンテナターミナル及び臨港道路等の整備を行います。
「海フェスタおきなわ海の祭典2005」を開催し、沖縄の美ら海を全国にアピールします。
また、那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路等の整備を促進します。
国際交流・協力については、国連機関を含む国際機関誘致に向けた環境整備に取り組むとともに、平成18年度に開催される「第4回世界のウチナーンチュ大会」の開催準備に取り組みます。
平和行政については、第3回沖縄平和賞の受賞候補者の選定等に取り組むとともに、終戦60周年を迎えるに当たり、沖縄県民が戦争当時疎開した際にお世話になった九州等主な疎開先の関係者をお招きし、感謝の意を表す式典等を実施します。

第4は、「環境共生型社会と高度情報通信社会の形成」であります。(ゼロエミッション・アイランドの実現に向けた取り組み)

リサイクル技術の向上やリサイクル製品等の利用を促進します。
また、廃棄物処理施設の整備を促進するとともに、廃棄物の不法投棄防止対策を強化します。
さらに、公共が関与する産業廃棄物管理型最終処分場の整備に向けて、第三セクター設立や用地確保に向けた検討・調査を進めます。
また、産業廃棄物の排出抑制、リサイクル及び適正処理を促進するため、「産業廃棄物に関する税」の平成18年4月導入に向けて取り組みます。

豊かな自然環境の保全

赤土等の流出予測・評価システムを構築するとともに、流域協議会の設立を促進し赤土等流出防止対策の普及啓発を図ります。
自然生態系を保全するため、マングース等の外来種の捕獲、侵入防止対策を行うとともに、松くい虫の防除対策を推進します。

快適で潤いのある生活環境基盤の整備

快適な都市空間を形成するため、豊見城市地先開発事業、中の町A地区市街地再開発事業、旭橋駅周辺地区再開発事業等を促進するとともに、真地久茂地線等の街路、中城公園等の公園緑地、新石川浄水場、中城湾南部流域下水道等の上下水道の整備を進めます。
公営住宅については、老朽化した団地の建て替えを進めます。
農山漁村においては、集落排水施設などの生活環境施設の整備を進めます。

県土保全

治山、治水、海岸事業等を推進するとともに、国場川、比謝川を整備するほか、宇座海岸において砂浜の復元等自然と親しめる憩いの場を創出します。

高度情報通信社会の形成と行政サービスの充実

離島地域において、高速・大容量・低コストを実現する情報通信基盤の整備を促進します。
県政に対する県民の苦情を迅速に処理するとともに、行政オンブズマン制度の周知を図ります。

第5は、「健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保」であります。

健やかでいきいきと暮らせる社会の形成

次世代育成支援については、地域における子育て支援の実施、認可外保育施設の認可化とともに待機児童の解消を促進します。
また、児童虐待の防止及び早期対応等に努めます。
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会を目指し、介護予防・生活支援対策等を推進するとともに、生きがい対策の充実及び社会参加活動を促進します。
障害者の自立と社会参加を促進するため、バリアフリー化や相談支援事業など在宅福祉サービスの充実を図ります。

安心して暮らせる保健医療の充実

保健医療については、県立病院の役割・機能等の見直しに取り組むとともに、高度で多機能な県立病院を整備します。
また、医師、看護師など医療従事者の養成確保を図るとともに、救急医療の充実に努めるほか、医療安全対策を推進します。
活力ある健康・長寿社会を目指し、住民参加型の総合的な健康づくりを推進します。
さらに、消費者、生産者、食品業者、学識経験者等で構成する「食の安全・安心懇話会」を開催し、食中毒予防対策の強化など生産から消費までの総合的な食の安全を確保します。

ともに支え合う社会の構築

女性の社会参画を促すとともに、女性リーダーの養成など男女共同参画社会の実現に向けて取り組みます。
特に、配偶者等からの暴力に対しては、関係機関と連携し、被害者等への相談・保護・援助を充実するとともに、加害の未然防止や再発防止のための広報啓発など加害者対策を推進します。

安全・安心な地域社会づくり

県民の安全・安心の確保については、「ちゅらさん運動」の浸透を図り、県、警察、県民等が一体となって犯罪のない安全で安心して暮らせる社会の実現に努めます。
特に、街頭犯罪や侵入犯罪の抑止・検挙対策を強化するとともに、サイバー犯罪、廃棄物の不法投棄などの環境犯罪、暴力団や外国人犯罪の取締り等に対応した治安対策を総合的に推進します。
また、関係機関と連携した総合的な少年非行防止対策や被害者支援活動等を拡充するほか、空き交番の解消等に努めます。
さらに、振り込め詐欺等の知能犯罪やヤミ金融、悪質商法等による消費者被害及び多重債務などの消費生活相談に迅速かつ適正に対応するとともに、ヤミ金融業者等に対する取締りの強化や、消費者への情報提供と啓発に努めます。
交通安全対策については、参加体験型の交通安全教育を推進するとともに、新交通管理システムの整備や飲酒運転撲滅対策等を推進します。

国民保護と防災

有事における警報や避難・救援措置などの円滑な実施を確保するため、沖縄県国民保護計画の策定に取り組みます。
また、津波・高潮災害に対する県民の防災対策等のため、琉球諸島沿岸津波・高潮浸水予測地図を作成します。

第6は、「多様な人材の育成と文化の振興」であります。

学校教育の充実

学校教育については、学力向上対策等を進めるとともに、中高一貫教育を各地域において一部導入します。
また、児童生徒のやる気支援と居場所づくりに取り組み、不登校や中途退学など生徒指導上の諸問題への対策を強化します。
国際化・情報化に対応し、外国人による語学指導や小学校における英会話活動及び情報教育等の充実を図ります。
高等教育については、国際性豊かな人材を育成するため、米国等への留学生派遣を進めます。
私立学校等に対する助成を行い、個性豊かな私学教育の振興を図ります。

青少年の健全育成と生涯学習の推進

青少年の健全育成については、青少年の深夜はいかい防止一斉行動や青少年を取り巻く環境の浄化など健全な社会環境づくりを進めます。
また、学校、警察等が連携し、問題を抱える青少年が様々な奉仕・体験活動に継続的に取り組める場を整備します。
生涯学習の推進については、広域的な学習機会の拡充を図ります。

文化とスポーツの振興

文化の振興については、県民の多様な芸術文化活動を促進するとともに、組踊など沖縄の伝統文化の振興及び普及を図るほか、県立博物館新館・美術館の建設を推進します。
また、平成22年度の全国高等学校総合体育大会の開催に向けた取り組みを進めます。

第7は、「持続的発展を支える基盤づくり」であります。

空港・港湾・道路等の整備

空港については、那覇空港の沖合への空港施設の展開等に向けた総合的な調査の実施など条件整備に取り組むとともに、新石垣空港の実施設計等に取り組みます。
港湾については、那覇港の国際コンテナターミナル及び廃棄物埋立護岸等を整備するとともに、運天港などを整備します。
道路については、那覇空港自動車道、沖縄西海岸道路等の整備を促進するとともに、国道507号津嘉山バイパス等を整備します。
都市モノレールについては、効果的なモノレール需要喚起策を策定・実施します。
また、生活バス路線を維持・確保するとともに、交通渋滞の緩和や公共交通の利便性の向上に取り組みます。

水資源の開発

水資源の安定確保については、大保ダムの建設等を促進するとともに、西系列水源開発事業や新石川浄水場等の建設を推進します。

第8は、「離島・過疎地域の振興」であります。

離島・過疎地域については、生活環境面での不利性を軽減するとともに、豊かな自然環境などの優位性を生かした地域づくりを促進します。
特に、国に設置された「離島活性化調査検討会議」(通称:美ら島会議)と連携し、離島地域の活性化を担う人材の育成や、各離島の地域資源やアイデアを生かした産業育成に取り組みます。

産業の振興

観光・リゾート産業については、エコツーリズム等の体験・滞在型観光を促進します。
製造業については、地域資源を活用した製品開発を促進します。
農林水産業については、渡名喜漁港など生産基盤の整備を進めます。
また、農林水産物の特産品開発を促進するとともに、観光需要を含む地産地消体制の整備を図るほか、離島フェアの開催を支援します。

交通・情報通信体系・生活環境基盤等の整備

生活路線としての離島航路、バス路線及び離島航空路の維持・確保に努めます。
伊良部大橋の整備を進めるとともに、平良城辺線の電線共同溝の整備に着手するほか、与那国空港や仲田港など離島の空港、港湾を整備します。
情報通信基盤については、久米島町等において通信の高速・大容量・低コストを可能とするADSL等を整備します。
生活環境基盤については、本部町・今帰仁村等の最終処分場等の整備など廃棄物の適正処理を促進するとともに、儀間ダム等を整備するほか、宮良白保地区等の集落排水施設を整備します。

保健・医療・福祉の充実

保健医療については、離島医療支援を強化し、離島・へき地における医療の充実を図ります。
また、救急医療の充実・強化を図るとともに、過疎地域における医師等の確保や巡回診療の充実に努めます。

第9は、「行政改革の推進」であります。

行政改革の推進

簡素で効率的な行政体制を構築するため、事務事業の見直し等財政健全化に向けた諸施策を実施するとともに、病院事業の改革、公社等外郭団体の整理統合等の見直しを進めます。
現在、管理委託している公の施設については、より一層の効率的・効果的なサービスを提供するため、「指定管理者制度」への移行を推進します。
また、市町村への適切な権限移譲を推進するとともに、合併市町村への財政的支援や県事業の重点的実施に努めるなど、市町村合併に取り組んでまいります。
さらに、新行政システム改革の成果を検証するとともに、次期行政改革大綱の策定に向けた取り組みを行ってまいります。
以上、平成17年度における施策の概要について申し上げました。
次に、今回提案いたしました議案について御説明申し上げます。
甲第1号議案から甲第31号議案までの予算議案について御説明申し上げます。
国の平成17年度予算は、「改革断行予算」という基本路線を継続し、歳出改革を一層推進し、実質的に前年度水準以下に抑制してきた従来の路線を堅持・強化することとして編成されております。
また、国と地方に関する「三位一体の改革」を推進することにより、地方の権限と責任を大幅に拡大し、真に住民に必要な行政サービスを地方が自らの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国・地方を通じた簡素で効率的な行政システムの構築を図ることとされております。
このような中、本県財政は、自主財源の柱である県税収入の大幅な増が見込めない厳しい状況にあります。
このため、平成17年度予算の編成に当たっては、事業の優先度に十分配慮しつつ、簡素で効率的な行財政運営を行い、現下の厳しい財政状況の中、限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に配分することを基本といたしました。
その結果、平成17年度予算は、

  • 一般会計において5,859億3,300万円
  • 特別会計において255億5,535万8千円
  • 企業会計において939億4,061万2千円

の規模となっております。
また、平成16年度予算につきましては、義務的経費及びその他の経費の過不足額を補うため、一般会計補正予算及び4件の特別会計補正予算並びに2件の企業会計補正予算を提案しております。
なお、補正予算の議案につきましては、先議案件として、御審議を賜りますようお願い申し上げます。
次に予算以外の議案といたしましては、条例議案が「沖縄県個人情報保護条例」ほか29件、議決議案が「土地の処分についての議決内容の一部変更について」ほか8件、同意議案が「沖縄県教育委員会委員の任命について」1件を提案しております。
なお、乙第31号議案「土地の処分についての議決内容の一部変更について」並びに乙第37号議案及び乙第38号議案「指定管理者の指定について」につきましては、先議案件として、御審議を賜りますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、今回提案いたしました議案の説明といたします。
なにとぞ、慎重なる御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。

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