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位置選定委員会の知事提言
 
   
 
●カラ岳陸上案 選定の概要

位置選定委員会は、全体会議を8回、学識部会を4回、地元部会を2回の計14回の会議を開催し、大局的見地からの審議、検討を重ねた結果、地元合意のもとにカラ岳陸上案を選定し、平成12年4月8日に知事に提言した。
県は位置選定委員会からの提言を受け、地元の合意が得られる場所で新空港の建設を進めることが新石垣空港の早期建設につながるものと判断し、平成12年4月26日にカラ岳陸上案を新空港の建設位置として決定した。
 また、位置選定委員会の提言に、「白保海域の良好な自然環境保全のため、新空港の建設位置をできるだけ海岸域に近づけないよう検討するように」との条件が付されたこともあり、カラ岳陸上案の具体的建設位置を検討するため、石垣市長を議長として、関係公民館代表等で構成する新石垣空港建設位置地元調整会議を設置して審議した結果、位置選定委員会で選定した原案を南側に約180メートル移動した案で合意された。

位置選定委員会で、カラ岳東側案、カラ岳陸上案、宮良案、冨崎野案の4案について比較検討し、カラ岳陸上案を選定した経緯は、以下の位置選定委員会からの提言に記されているとおりである。

 
   
  (新石垣空港建設位置選定委員会の提言)

新石垣空港建設位置選定委員会は、これまで蓄積されたデータのあるカラ岳東側案、カラ岳陸上案、宮良案及び冨崎野案の4つの建設候補地について、大局的かつ客観的な観点から自由な討議を行い、合意形成を踏まえた上で望ましい建設位置を1案選定し、提言するよう、知事の委嘱を受け、平成11年8月29日に第1回の全体会議を開催して以来、これまで全体会議を8回、学識部会を4回、地元部会を2回開催し、八重山の将来を見据えた大局的見地からの審議、検討を重ねてきた。
その結果、審議の過程で一部異論があったものの、最終的には新石垣空港の建設位置を本委員会として選定し、下記のとおり提言する。

 
   
 
 
  新石垣空港の4つの建設候補地であるカラ岳東側案、カラ岳陸上案、宮良案及び冨崎野案について、運航空域条件、社会条件、自然環境の改変、建設条件等別紙24項目のデータを検討するとともに、特に農政上の課題、環境保全上の課題、航空機騒音の問題及び滑走路延長に伴う課題の4項目を重点的に審議し、各案を比較検討した結果、新石垣空港の望ましい建設位置として、カラ岳陸上案を選定した。
知事におかれては、委員会の位置選定結果を尊重して、速やかに位置決定をし、八重山の振興発展に大きく寄与する新石垣空港の早期建設をはかっていただきたい。


{選定の経緯}

1. これまで新石垣空港の建設が実現に至らなかった最も大きな要因は、農政上の課
 題と環境保全上の課題であることから、4つの建設候補地を比較検討するため、
 農政上の課題及び環境保全上の課題を重点的に審議した結果、農政上の影響が最
 も大きい候補地として宮良案を、また、環境保全上の影響が最も大きい候補地と
 してカラ岳東側案を、どうしても選定すべきでない候補地として全会一致で除外
 した。

2. カラ岳東側案と宮良案の2案を除外して残ったカラ岳陸上案と冨崎野案の両案に
 ついて、農政上の課題、環境保全上の課題、航空機騒音の問題及び滑走路延長に
 伴う課題の4項目で重点的に比較検討したうえで、24項目での総合的な評価を
 した。

3. その結果、委員長を除く35名の委員中、カラ岳陸上案を支持する者が31名
 で、支持しない者が4名、冨崎野案を支持する者が19名で、支持しない者が
 16名となり、カラ岳陸上案を支持する者が多数であった。

しかし、位置選定は多数決ではなく、全会一致を原則とするため、再審議を行い、カラ岳陸上案を支持しないものの意見を求めた。
再審議では、世界自然保護基金日本委員会(WWFJ)代表の委員がカラ岳陸上案の選定に反対したが、最終的には、カラ岳陸上案の選定を尊重するとし、白保海域の自然環境に負荷を与えないよう、位置の調整や工法等を検討するという条件を知事提言に付すことにして、カラ岳陸上案を本委員会として選定した。

{選定理由}

(宮良案とカラ岳東側案の除外)
農政上の観点から4案を比較した結果、宮良案は空港計画面積の約7割が宮良川土地改良事業と競合するため、広大な優良農地が転用され、農地が分断される等農政上の影響が最も大きくなるものと予想された。
 そのため、宮良地区の農業関係者をはじめとする地域の理解を得ることが難しいと判断し、選定案から除外した。
また、環境保全上の観点から4案を比較した結果、カラ岳東側案は世界的にも貴重なサンゴ群をはじめとする白保海域の自然環境に及ぼす影響が懸念され、環境保全上の影響が最も大きいと判断し、選定案から除外した。

(カラ岳陸上案と冨崎野案の比較)

カラ岳陸上案は、新空港建設により赤土流出や地下水脈分断の恐れがあり、白保海域の生態系への影響が懸念されること、カラ岳周辺の良好な自然景観を損なう恐れがあること、カラ岳の一部を切削することになること、候補地内の土地に抵当権が設定されていること、ゴルフ場を潰すことになること、国道が分断されること等の課題が指摘された。
 また、冨崎野案は、新石垣空港建設事業において、地権者によるはじめての誘致運動があるものの、鳥獣保護区が設定されている海域を埋め立て、ラムサール条約への登録の動きもあるアンパル湿地帯に隣接していること、候補地周辺に生息する可能性のあるカンムリワシが確認されていること等自然環境への影響が大きいことが予想されるほか、地域のシンボルである皆野宿岡を切削する必要があること、滑走路の北端部分が海域の埋め立てとなるため、土工量が膨大になるとともに、周辺海域に設定されている漁業権との競合が生じること、土地改良区内の優良農地が含まれること、滑走路を南側に500m延長した場合に石垣港湾計画との競合が予想されること等の課題が指摘された。
 このようなカラ岳陸上案と冨崎野案の課題を比較検討した結果、漁業権が設定され、鳥獣保護区でもある海域の埋め立てを伴い、アンパル湿地帯に隣接し、カンムリワシの生息も予想されるとともに、候補地内の土地改良面積が多いため、農政上の影響が大きく、土工量も膨大である冨崎野案よりも、海域の埋め立てを伴わず、土地改良面積も少ないカラ岳陸上案が優れていると判断し、カラ岳陸上案を選定した。

{カラ岳陸上案選定にあたっての条件}

 カラ岳陸上案での新空港建設にあたっては、白保海域の良好な自然環境を保全するため、新空港の建設位置をできるだけ海岸域に近づけないよう検討するとともに、環境検討委員会や工法検討委員会を設置して工事中の赤土流出防止対策を十分に講じる等一連の環境影響評価手続きを適正に進めること。
 なお、新空港建設地周辺の地域振興にも配慮していただきたい。


 
  平成12年4月8日  
 
新石垣空港建設位置選定委員会
                 委 員 長    東 江  康 治

 
 
委 員 長 東 江  康 治
 
     
 
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