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レッドデータブック

●背景

 世界的にみても地球環境の危機が叫ばれているが、現在は1年間で約4万種が絶滅しつつあると推定されている (Myers、1979)。熱帯林の減少を始め生育・生息地の破壊や改変等、野生生物への配慮の欠いた人類の行動が、この大規模な種の絶滅を引き起こしている。いったん、絶滅してしまった種はもはや人間の手で再生することは不可能である。
 種の絶滅の防止は、人類にとって地球の生態系を守るため緊急課題であり、豊かな野生生物相を保護し、生育・生息地を次世代に引き継いでいくことは、私たちに課された重大な責務だと考える。そのことから種の絶滅を防ぐには、まず、絶滅のおそれがある種の現状を的確に把握する必要がある。
 IUCN (国際自然保護連合: International Union for Conservation Nature and Natural Resources) は、世界的な規模で絶滅のおそれのある動植物の種を選定し、その生息状況等を明らかにした資料を1966年に作成した。これがいわゆるレッドデータブックといわれるものである。
 このレッドデータブックは、国際的に野生生物の保護を取り決めたワシントン条約や各国の保護政策の基礎資料として広く利用されている。また、英国、ロシア等の諸国ではIUCNのレッドデータブックに準じた国内版のレッドデータブックを作成しており、これを基礎に保護対策を進めている。


●我が国の状況
 

 我が国では、体系的な種の保護対策に取り組むため、環境庁が日本に生育・生息する野生生物のうち絶滅のおそれのある野生生物の種をリストアップし、それらの分布や生息状況等を明らかにした 「日本の絶滅のおそれのある野生生物」 いわゆる日本におけるレッドデータブック(動物)を1991年に発表した。また、その以前に(財)自然保護協会が 「我が国における保護上重要な植物種の現状」 を1988年に発表している。
 この環境庁版レッドデータブック等の普及により、絶滅が危惧されている野生生物について社会的関心が高まり、レッドデータブック等の掲載種については、行政的にもある程度、保護等の配慮がなされてきた。
 一方、各地域・県では、全国版にリストアップされていない種の中に危機的な状況になっている種も少なくない。地方レベルで野生生物の保護を考える際に、全国一律の評価基準だけでは、各地域・県の実状にそぐわない部分が生じてきており、その地域・県の特性を十分考慮する必要がでてきている。
 このような状況のなか、県版レッドデータブックを作成しようとする機運が高まっており、神奈川県、兵庫県、広島県版レッドデータブック等が作成された。



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